配信者って難しいよなっていう話。
次回は10/2の朝十時です。
クソゲー要素を入れていますが……正直ゲームの設定を考えるのはうまくないので、許してください。
『皆、ひっさしぶり~! 前から一ヶ月経つけど元気にしてた? あっ、一応初見さんのために自己紹介しておくね』
まあ、初見なんて来ないと思うが。
最近はもう、このくだりはいらないんじゃないか? と思ってきているので、次回からはもしかするとやめるかもしれないなあ。
『ボクの名前はアキ・クリスティーナ! アキでも、クリスでも好きに呼んでね! ボクが配信するのはゲームの攻略動画だよ。今日は『無敵大戦』というゲームをプレイするよ』
そう、俺はVtuberと呼ばれるタイプの配信者である。俺はこだわりがあるので、ライブ配信の時はここ数年で普及し出したAR(拡張現実)デバイスを使って、配信しているが。
知り合いには『なに、その変なこだわりw?』って言われたこともあるが、何となくARデバイスを使っている時は、きちんと俺が話している感があるんだよ。
ついでに言うと、俺はクソゲー配信者である。今日やる『無敵大戦』も名前から察せられる通り、クソゲーだ。
あまり、架空の人物の名前を考えるのは得意じゃないから、配信を始めるにあたっての名前は、本名からもじった。
秋人、つまりアキトからアキ。
来栖、クルスからクリス、そこからさらにクリスティーナ。
『ボクの配信は初見でプレイするので、そういうのが嫌な人は見ないことをオススメするよ』
はい、初見さん用の定型文終わり。
これが言い収めって思うと、なんか寂しい気もするなあ。
俺が郷愁に襲われれていると。
恋乃葉:
いつも、六人しか見ていないのは変わらないのに、アキ殿は真面目でござるねえ
藍:
きっと、お嬢様は現実を見ることができてないんですよ。可哀想に………。
葵:
……アキだって、分かっているはず……。
……それでも、ありもしない希望が捨てられないのだろう………。
俺の数少ないチャンネル登録者どもがぼろくそに言ってきた。
フォローするふりして追い討ちかけるの止めてくれません??
そう心の底から叫びたいが、アキ・クリスティーナはそういうキャラじゃないので、グッと堪える。
そして、中にはちゃんと俺のことを気遣ってくれる人もいる。
銀華:
大丈夫ですよ、アキさん。アキさんの配信はいつも面白いですから、いつか人気が出ますよ!
『恋乃葉ちゃんと銀華ちゃん、ありがとー!』
藍:
お嬢様、私どもは?
葵:
……そう……。 ……藍はともかく………私はフォローした……。
『あ、藍ちゃんも葵ちゃんもボクの評価低くない?』
どの口が言ってんだ。
あれをフォローとは呼ばねえんだよ。
頑張って抑え込もうとしているが、完全には抑え込めず口元がひくつき、笑顔が引きつってしまう。
桔梗:
葵も藍も、からかうのはそこまでにしとけよ
やりすぎると嫌われるぞ
うん……もう手遅れだけどね……。
いつも、あいつらを諫めてくれる桔梗の言葉に内心でそう返す。
月夜:
少し、遅れただけでなんや楽しそうなことがで起きてはるやないの
『桔梗さんと月夜さんもこんばんわ~』
これで六人全員が視聴していることが確認できた。
毎回、配信の際は六人全員いるけど、こいつら暇なのかな?
自分でも、特に面白みのない配信だとは自覚しているので、そう思ってしまう。
が、まあ、蓼食う虫も好き好きともいうので、こいつらは普通とは好みが違うんだろうと納得した。
葵:
……今月の生活費……。……これで許して……。
そんなことを考えていると、葵がスパチャで十万円のスパチャを送ってきた。
このサイトはスパチャ(スーパーチャットの略。配信者に視聴者が投げ銭をできる機能。)の上限額が配信者の側で決められるという点で他のサイトとの差別化をはかり、最大手のサイトになっている。
なので、ほかのサイトよりもスパチャの上限額を普通より高めに設定することもできる。
他のサイトや、多くのチャンネルが上限額が五万円なのにたいして、俺のチャンネルは十万が上限額である。
俗にいう赤スパは五分の一の額からなので、俺のサイトでは二万円からしか赤くならない。
まあ、正直そこに関してはあんまり関係ないんだが。
すると、これを好機と見たのか、すかさず藍もこの流れに乗って……。
藍:
お嬢様。申し訳ございませんでした。おわびに、今夜は私をオカズにしてもいいですよ?
同じく十万だ。
こいつら全員、上限までスパチャするので一律十万である。
それはともかく、俺は藍にネット上での顔も知らぬ女らしき人物で興奮する百合だと思われてるのか……? まさかの事実に驚愕する。
まあ、流石にするわけないってことは理解していると思うので、冗談…だと思いたいけど……こいつならワンチャン、ガチなんだよなあ……。
銀華:
ちょっと待ってくださいよ藍さんクールメイドがご主人様を誘う時は恥ずかしそうにもじもじしながらって相場が決まってるじゃないですかテイクツーですよテイクツ―チャットだから見えないけど文字だけでも雰囲気は出せるのにやらないなんてもったいないですよアキちゃんは強気なお嬢様で行くそれともメイドにリードされるほうかな強気な方ならやっぱりツンデレだよねリードされちゃう側なら上目遣いで承諾とか得点高いと思うんだ私はリバも全然オッケーだからどちらでもいいけど個人的にはご主人様とメイドの主従関係が逆転しちゃうのがいいと思うんだいつもとは違う立場に戸惑ったりするのがいいと思うんだよねちょっとS気が混じった命令で恥ずかしくて涙目ぎみになった秋ちゃんを想像しただけでもう最高だよあーでも順当にお嬢様に攻められるクールメ(文字数制限)
わあ……タイピング速度が天元突破してる……秒速100文字軽く超えてるじゃん……。
確か350文字が制限で、絶対こんなに書く奴いないだろとか思ってたけど……いたな……。
恋乃葉:
これからも応援してるでござるよ、ニンニン。
桔梗:
アタシも、前より動画は面白くなってきてると思うから、このまま頑張りな
月夜:
うちも毎回楽しませてもらってるさかい、これからも頑張っておくれやす。
毎回、誰かが口火を切るとスパチャを連投してくるのが恒例である。
今回もその例にもれず、葵のスパチャを皮切りに、どんどん投じられる。350文字の存在感が凄すぎるけど……。
よし、いつものように開始に時間かかっちゃったけど、いよいよゲームを始めていくか。
そうと決まれば、いつも通り、まずは確認も兼ねてパッケージに書いてあるゲームを説明を読み上げる。
『じゃあ、無敵大戦やってくよ~! えーと、無敵大戦は戦略シミュレーション要素を取り入れた新時代の格闘ゲームです。なるほどなるほど! でもクソゲーなんだね!』
桔梗:
噂で聞いた話では、それはゲームバランスが崩壊してて、最初は主人公ユニットの一強だけど、だんだん敵が強くなっていって最後には全然歯が立たないレベルの敵がポンポン出てくるらしいよ。
なにそのクソゲー……。
桔梗の説明を聞いただけで、もうミックスに失敗したんだなという事が分かってしまう。
難易度調整をする役の奴はいなかったのか? と思うが、いなかったからクソゲーと化してしまったんだろうな……と自己完結する。
とりあえず起動してみて一通りの操作をしてみて、システムに慣れるところから始める。
シミュゲーが混ざっているだけあって、基本は拠点を強化しつつ、他国を征服してくというのがメインストーリーみたいだな。
ただまあ、桔梗の話は本当で主人公ユニットが無双するだけで、評価Sが簡単にとれてしまう。
だけど、いろいろ見て回っても主人公ユニットを強化する手段が見当たらないのが気になる。
これは、どうやって後半の敵に対処すればいいのだろうか? てっきり、戦争とか施設を作ったりしてユニットを強化していくものだと思っていたが、どうやら主人公にはその手の施設やら能力やらがないらしい。
やはり、格ゲー要素が関わってくるのかと思いつつ、ボタンをポチポチして適当にバトルパートをこなしていく。
冒頭、ゲームに最初の方で分かったことは、主人公は記憶喪失であること、記憶がなくなる前に建国をしていたということ、何を血迷ったのかそこから隣接する大国に喧嘩を売ったことだ。
記憶喪失に関しては、プレイヤーが操作するからキャラの個性が薄く、行動がゲームの前と違っていても辻褄をあわせられるのでいいと思う。
問題は建国に関してだ。
まさか、最初に目覚めた村が主人公の国、無敵王国の首都であり唯一の都市だとは誰も予想できないだろう。
しかも、その程度の戦力でどうして大陸の三割を支配する大国に宣戦布告したのか………。
シナリオライターがヤベー奴じゃない限り何かストーリーに関係する重大な理由があると思う………たぶん………。
なぜ、上限額が10万なのか。それは、もともとふざけて相当高めに設定されてた限度額に限界までぶちこむ人が6名ほどいたため、秋人が値下げをする際に彼女らが受け入れられる最低金額が10万円だったから。