俺氏、死す
「危なーーーーーい」
俺-向井勇也-は秀太-山下秀太-に向かってくるトラックに向かって走り出していた。
バーンバーンと2回大きな音が聞こえたのと同時に俺の体が宙に浮いた。
「俺は秀太を助けられなかったのか…」
目の前が真っ暗になっていった。
「俺、死ぬのか…」
◇
天界
「あれ?俺死んだんじゃ…」
「うぅぅ」
「秀太!!」
「あ、勇也!」
「大丈夫か??」
「俺は大丈夫だけど、勇也は大丈夫か?」
「おう」
何だこの真っ白な空間…
病院じゃないよな…
『やぁ君たち。気がついたみたいだね』
「えーと、誰?」
『俺は天照っつーんだけど』
「要するに神様?」
『まぁそんな感じだな』
これもしかして…
「秀太、俺この感じ読んだことある!」
「は?」
「これ転生とかできちゃうやつだろ!!」
「そんなの出来るわけない…」
『できるよ(食い気味)』
「キターーーーーーー!」
「まじかよ」
『君たちはくじ引きで当たったんだよ』
「この神様テキトーすぎるだろ…」
『何年に転生したいとかある?』
「ちょ、展開早すぎ…」
「じゃあ1550年!」
『なんでだい?』
「キリがいいから」
「どいつもこいつもテキトーだな……ん?
おい、それ戦国時代じゃ…」
『OK。じゃあこのリストにある中から2人選んで』
「えーと次郎(常陸国)、源五郎(信濃国)、甚次郎(出雲国)、助五郎(相模国)、徳次郎(信濃国)か。どれがいいかな〜」
「おーい、聞いてるかー?」
「どれがいいと思う?、秀太」
「戦国時代だぞ。いつ命を狙われるか分からないんだからよく考えろよ」
『もう変更は出来ないよ』
「えっ」
「まぁ大丈夫だろ!!」
「じゃあどうにかして2人で生き抜くしかないのか…」
「なぁ天照」
『どうしたんだい?』
「俺が読んだことがあるやつはチート能力とかあったんだけどこれはないの?」
『秀太君の頭脳(保健体育以外オール5)と君の運動能力(剣道部、弓道部を兼部)があれば余裕でしょ?』
「いや俺の頭脳と勇也の運動能力って言ったってゆーて中二レベルだぞ」
『じゃあ一人一つずつだけ戦国時代に物持って行っていいよ』
「何がいいかな秀太?」
「これほんとに重要だからちゃんと考えようぜ」
「スマホとか?」
「戦国時代にスマホ使えると思う?」
「そっかぁー。じゃあ電子辞書とか?」
「電池きれたら終わりだろ」
「あーもうわかんないよ〜」
「今の農具とかを一つ持っていかないか?」
「なんで農具?」
「戦国時代に比べたら現代の方が農具が発達してるのは、戦国時代好きな勇也なら分かるだろ?」
まぁ確かに俺は戦国時代好きだけど内政はあんまり…
某野望ゲームでも委任してたしな。
「ん〜分かんなーい」
「ったくじゃあ備中ぐわでも蔵とかに転送してもらうか」
『了解。備中ぐわともう1つは?』
「どうしようか、秀太?」
「まったく他力本願だな、おい」
「だって分かんねーんだもん…
あ、俺の戦国武将図鑑は?」
「おー、それいいな。でも勇也の方が図鑑より知識あるんじゃね?」
「確かに。そうかもしれん」
「勇也、改革とかに使うシンプルにお金ってのは?」
「お、いいね〜、遊び放題かも」
「未来の知識あるんだから生かせや」
「それはいいんだけど備中ぐわって何?」
「えっ、知らないの?」
「分かんねーから持っていっても使えないかもしれん」
「しゃーねー、備中ぐわはやめて勇也が使えそうなものにしよう。そうだ、天照」
『なんだい?』
「道具とかじゃなくて能力とかってできる?」
『できるよ。秀太君、太陽神をなめちゃいかんよ』
「太陽神とかあんまわかんねーからいいや。それより勇也!能力もらうことにしようぜ」
『なんかだんだん影薄くなってないか?』
「いいね〜。でもどんな能力にすんの?」
「テレポーテーションとか使えたら強いけど軍勢は動かせないからなー…」
「地図は?」
「勇也、どゆこと?」
「スマホとかで見れる航空写真みたいな感じで空から軍勢の動きとか見れたら強くない?」
「たまにはやるやん、勇也!」
『お金は戦国時代でのお金千貫でいいかい?』
「千貫っていくら?」
『だいたい8000万円くらいだよ』
「なるほどな」
『じゃあ持っていくのは千貫ずつと空から見れる能力を2人に、でいいか?』
「「いいぜ!」」
『今度こそ2人は誰に転生したい?』
「あれ、決めてなかったか」
「途中で勇也が遮ったんだぞ」
「そっか、ごめんごめん」
「信濃国の2人だから源五郎と徳次郎だな」
「じゃあ俺は源五郎!」
「人権ないやん…俺は徳次郎ね」
『勇也君は源五郎、秀太君は徳次郎でいいかい?』
「いいぜ!」
「勇也、俺らが転生したこととか未来の人なのは誰にも言うなよ」
「なんで?」
「暗殺とかされかねないだろ」
「分かった」
『じゃあ1550年に行ってらっしゃ〜い』
なんか意識が…どん…ど…ん…