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その2


なんとか入学したてで自らからかわれるネタを作らずに済んだ俺はスッキリした顔で教室へ行く。


いやぁ、やっぱ知り合いがほぼいない高校にして正解だった。

高校生ともあらば比較的男子の精神年齢も上がったようで俺が女みたいな顔してるからってからかわれることはないことはないが小中よりずっとマシだ。


徹とは別のクラスになったがあいつはあいつで上手くやるだろう。


席につくと朝日奈が俺に話しかけてきた。


「新村君、さっきは何あんなに急いでたのかなぁ? もしかして誰かに呼び出されたとか?」


「んな事あるわけないだろ?」


良かった、腹が痛くてトイレに直行したなんて思われてはないようだ。ふぅ〜。

ん? 朝日奈からずっと視線を感じる。


朝日奈を見ると頬に手を置き俺をずっと直視している。 仮にもそんなに見つめられると照れるんだけど?


「な、なんだよ?」


「新村君でもムラムラする時あるのかなって思って」


「は? 朝っぱらからなんだよそれ?」


「ハハッ、冗談冗談!」


こいつはよくそんな冗談男子に向かって言えるな。あ、あんまり男子とは思われてないのかもしれないな。今の質問からにして……


そうこうしているうちに授業が始まり朝から戦いを終えた俺はウトウトしだす。


ピンッと隣から俺の額めがけて何か飛んできた。シャーペンの消しゴム?

隣を見ると朝日奈が飛ばしてきたようだ。


「やった!当たった」


朝日奈が小さい声で呟く。

このやろうと思い俺も朝日奈に目掛けさっきの消しゴムをデコピンで飛ばす。


すると朝日奈の首に当たりそのまま服の中に入っていった。


「もう! どこに入れてんのよ! エッチ!」


俺が知るか。朝日奈は胸の辺りに手を入れ消しゴムを取り出した。


取り出した消しゴムを俺に見せてにひひと笑っていた。 何がそんなに楽しいんだ?


授業が終わり休み時間になる。


「あ〜あ、新村君にセクハラされちゃったぁ、もうお嫁に行けない」


「先にちょっかい出してきたのそっちだろ?それにそっちが逆セクハラしてきてんじゃねぇか」


「新村君が授業中に寝ようとしてたからじゃん! さては昨日オナニーでもして眠れなかった?」


「お前って意外と頭の中ピンクなのな……」


「いやだ…… 新村君、私の事エッチな目で見てる!?」


わざとらしく両肩を押さえて朝日奈が震えて見せる。


「そんな目で俺を見てたのか朝日奈は」


「ふふッ、だって新村君可愛いんだもん。 髪伸ばしたら女の子だねぇ」


「はいはい」


「もぉー! ノリが悪いんだから」


よく朝日奈には以前から話しかけられていたがぶつかった時からもっと距離が近くなったような気がする。

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