夜が明けて
兎に角、何が起こったのか把握出来ないうちは、受け入れるしか道はない。
それに、どう見ても中学生の俺をアホ戦士は「兄ちゃん」と呼んだ。
この国(街?)での成人基準は低いのかもしれないことを祈ろう。
「あ、」
ふと目の前の大男を見て呟いた。
「どうした兄ちゃん!見た目が若いならそれはそれでいいじゃねぇか!なぁ!」
「いや、そうではなk」
「んぁ?どうしたよ!」
「いや、せっかく食事をさせて貰っているのに、お互いの名前も明かしてn」
「おぉ!!!そうかそうか!!そりゃそうだ!!
俺の名前はラーク!ラーク=シグレットだ!兄ちゃんは?!」
「えーと、僕は篠谷です。篠谷秋雨です。」
「おお!!かっこいい名だ!シノヤ=アキサメ!よろしくなぁ!」
そんなこんなで食事もあらかた済み、その頃には会話にも慣れていた。
「そうかぁ。引越しじゃなく旅の途中だったか。。残念だ。」
「すみません、途中で認めてしまったので誤解g」
「いやいや!俺の早とちりじゃねぇか!何を謝ることがあんだよ!がはははは」
「そうですね、そろそろ夜も深まります、僕はとりあえず宿を探さないと。」
「そうかぁ、まだここには何日かいるんだろ?また飯行こうや!がっはははは」
「是非。」
食事はそれなりに美味しく、"パンっぽいなにか"や"何かしらの丸焼き"と言ったように、原材料不明な部分以外、とても良い店だった。
と、ここでおかしな部分に気付く。
「あれ、、なんで言葉が通じてるんだ?」
見たところ、日本ではない、地球のどこかということもないだろう。
有り得るのは宇宙やパラレルワールド、冥界などのオカルトじみた線だけ。
だとしても...だ。
言葉が通じるのは些か不気味だ。
日本語を喋れる宇宙人が居るのはおかしいし、パラレルワールドや冥界だとしてもここは見るからに外国の街並み。
わからないことだらけだ。が。取り敢えず宿を探そう。
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いつもの通貨が使えてよかった。
これで通貨が違うとかで宿泊できなければ詰んでいた。
「もう朝か。。。」
見計らったかのようにノックが響く。
「すみませーん、お食事をお持ちしましたぁ~」
「起きてます、どうぞ入ってください」
「今日の朝食はプイプイのソーセージとタバーパン、コッコの卵の目玉焼きで.....あぁっ!!」
「昨日のっ....」
昨日の女性だ。ハンカチの。
「よかったのん!無事に街に来てたのん!」
「え、えぇ...おかげさまで。
ここで働いてたのですね。」
「そうなのです!あなたは"ナニシ"がどこにあるか探しに来たのん?」
「いえ、、、いや、そうなんです。なかなか見つからなくて。」
『元いた世界じゃ無いみたいなんです』なんて言ったらアホだと思われる。。。
「頑張ってください!では失礼しますのん!」
さて、これからどうするかはこの"よく分からない何か"を食べてからにしよう。