時は廻らない。
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「ハァ....ハァ.....」
「逃げなきゃ」
「逃げなきゃ......」
男は、慌てた様子で山道を走る。
「マズい....」
「マズすぎる.....!!」
男は、現状を打開する力を求め走る。
「!!!?」
突如、眼前に白髪の少年の姿が映る。
分厚い本を片手に、隈だらけの眼でこちらを見る。
「お、おい!!坊主!!ここに魔物が来る!銀等級だ!今すぐ逃げろ!」
「......」
男は現状を伝え、避難を促す。
が、少年は応じない。
「おいっ!!!!聞いてんのか!!!!」
「大丈夫。」
怒鳴るように呼びかけると、ポツリとそう言った。
刹那。上空から魔物が落ちてくる。
「クソがっ!間に合わねェ!!!」
少年はゆっくりと本を開く。
『我らが住まう御土地の、行方を見守る偉大な神よ。。』
「詠唱!?どうなってやがる!」
『悪しき者共説き伏せて、どうか我らをお救い下さい。』
『大賢者の洗練』
大きな光と爆音が辺りを包み込む。。
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「どう....なってる....」
鏡には、今まで見てきたものとは全く違う。
"自分ではない誰か"が写っていた。
「おぉう!!兄ちゃん!!遅かったなぁ!うんこか?がははははは」
「.....」
「おい、どうした!腹でも下したか?」
「俺は22歳だ。」
「あぁ?何だ藪から棒に。ん??」
鏡で見た自身の姿は、中学生ほどの、全く別人の姿だった。
「22?!...見えねぇなぁ...」
ちなみに我が息子も中学生になっていた。