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アホ戦士との出会い

「ふぅ....だいぶ長かったな。」


ベリアンテと呼ばれる場所のおそらく西に当たるであろう位置にある街に来ていた。

なぜ方角がわかるのかというと、ここに来る道中、地図らしきものを見たからだ。

円形の図面に現在地と思われる赤丸、方角を示すだろう太陽のマーク。

あれが地図ならばこのあたりは西方向である可能性が高い。


「とりあえず情報収集を...」


「兄ちゃん!兄ちゃん!!」


突然声をかけられ、驚きつつ振り向いてみると

緑の髪に筋骨隆々のガテン系のような体格、瞼に傷を作ったいかにも「パワー系戦士」ぽい強面のお兄さんがいた。


「兄ちゃんここの人じゃないな!迷ってる?迷ってるよなぁ!」


「えーと..」


「そぉおうだよな!迷ってるよな!ここ広いもんな!わかりやすい看板もないし」


「迷ってるというか...来たばか」


「そうかそうか!引越しか!こんなとこに引っ越すなんてイカれてんな!がはははは」


「いや......はいそうなんです。」


諦めた、会話を放棄した。

何故か?少したりともこちらの話を聞かない、聞き終わる前に喋り続けるからだ。

強面?ガテン系?違う。お前はただのアホだ。


なんてこと言えるわけもなく、会話は続く。


「引っ越しならよォ!景気付けに飲みに行こうぜ!おっ、なんなら兄ちゃん家でパーっといくのはどうだ!」


「え、えっと家は無理かm」


「そうか!じゃあ行きつけの店を教えてやるよ!」


「ちょっと僕忙しくt」


「いいからいいから!引越しは明日やりゃいいだろ!さぁさぁ行くぞ!」


来ていた服の後ろ襟を捕まれ、まるで猫のように引っ張られる俺。

誰か助けて下さい、誘拐です。


-------------


「ここだ!いい店だろ!」


なぜ俺は名前も知らない野郎と飯を食わなきゃならんのだ。

そう言いたい。言えない。怖いもん。顔。


「わざわざありがとうごz」


「いいっていいって!奢りだからよォ!好きなだけ食えよォ!」


店自体は簡素なものだが、内装だけでいえばお高めの居酒屋。と言ったところだろうか。

客も多く、とても賑わっている。


ところで、気づいたことがある。


ここは日本ではない、地球でもない。


何故なら


猫耳の女が数人で飯を食ってるから。


鰹節になる前の鰹みたいな何かを噛みちぎっている、なにこれ怖い。


「おい、どうした兄ちゃん」


ふと意識を戻される、猫人(?)を見つめながら固まっていたらしい。


「いや、あの」


「あぁ。」


ガテン系男は、急に声のトーンを下げ真剣な表情で続ける


「あの猫耳の不完全な人体(ヒューマニカ)のことか。」


やはりそのヒューマニカはなにかヤバいのか。かなり怖かった。

あれは悪魔の類の動物だ、猫はもっと可愛い。


猫類モデルキャットだな....かぁわぁいぃいい///」


「.......?!」


やはりこいつはアホだ、あの形容しがたい異形の種族を「可愛い」だと?ふざけるな、眼科で目玉くり抜いてもらえ。

そう言いたい。


「なあなあ!あん中ならどいつが好みだ?おぉれはやっぱ左端だな!なぁ!!.....あれ」


----------


ふぅ。

必殺「あ、自分ちょっとトイレ行ってきます」だ。


俺の予想では絶対にあの猫もどきと食事する流れになっていた。

そんなのは御免だ、あんなもの間近で見たら失神する。


ジャァアアアアアア....


「これだけ時間が経てば猫の話題は終わってるだろ....あ、手洗ってない。」


手を洗いに洗面器のある場所に戻る。


「なん....だ...これ...?」

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