表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

プレゼント幻想

掲載日:2018/05/02



 学校の帰り、僕は変な事を考えた。


 家に帰ったら、リビングのテーブルの上にプレゼントが置いてある。それも大きなプレゼントで、プレゼントボックスに入っている。綺麗なリボンで装丁されていて、その中には、僕があっと驚く、それでいて大好きになれるプレゼントが入っている。歩きながら、そんな事を考えていた。


 そんな事を考えるのは、人生が退屈だったからだと思う。学校じゃあ居場所もないし、友達もいない。だからそんな事をつい考えてしまうんだと思う。


 田んぼの横の道を歩きながら、そんな妄想を膨らませ続けた。家に帰ったら、絶対にプレゼントがあるに違いない。間違いなくある。帰ったら、それに狂喜するんだ。そう思って道を歩いた。


 道は平坦だった。いつもの道。うきうきした気持ちで歩いた。

 

 鍵を使って扉を開けて、靴を脱いで玄関を上がり、真っ先にリビングに向かった。リビングの上の机。見た時、僕はとてもがっかりした。机の上には何も置いていなかった。置いてあるはずの、プレゼントなんてなかった。


 がっかりした気持ちになって、ソファに座り込んだ。「あーあ」とつぶやく。…もちろん、プレゼントがない事は知っていたけど、あると仮定して、想像を膨らませると、ない事の方が変だ。そっちの方がおかしい。僕は、心底がっかりした。

 

 がっかりした気持ちのまま、なんとなく、テレビをつけた。ニュースをやっていた。どこかで悲惨な事件が起きたらしい。三人死んだという。キャスターが言っていた。


 「こんな事件は起こってなりません。こんな事は決しては起こってはなりません」


 僕は、再びテーブルの上を見た。キャスターの真似をして言った。


 「こんな事は起こってはなりません。こんな事は決して起こってはなりません。テーブルの上にはプレゼントは載っていなければならないのです」


 そう言うと、馬鹿馬鹿しくて、僕はプッと笑い出した。でも、色々な事は、キャスターや僕の言っているような風になっているのかもしれない。そんな風に思うから、現実はそうなっているのかもしれない。そんな事を考えた。


 またテーブルの上を見た。そこにプレゼントはなかった。


 「こんな事は起こってはなりません」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] プレゼントよっぽど欲しかったんですね…… ささやかながら評価させていただきました。 自分も投稿やってます、よろしければ是非。 また機会があれば読ませてもらいます。 お互い頑張りましょう!
2018/05/10 19:12 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ