表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/41

似て非なるものに向かうのは

 見上げた空は一面の灰色で、今にも雨が降りだしそうなほどだった。

 ここは森である分、もともと光が届きにくいが、それでもリオが本来の力を発揮できるかは五分五分といったところだろう。

 

 隣で横たわった御空は気を失っていて、太陽と同じように、あの金色の目は閉ざされている。

 

 あの鬼たちもまた、御空と同じ種族なら気配には聡い可能性が高い。リオたちがみつかるのも時間の問題だった。

 

「お前、スカーレットを名乗ったな?」

「っ!」

 

 いつのまにか、近くに鬼の一人が迫っていた。正面から向かってくるのは、リオの反応をうかがうためだろうか。

 

「それでいて、半端者の味方をするのか?」

 

 スカーレットの名は、妖たちのコミュニティ内でよく知られている。

 

「吸血鬼は、他種族よりさらに血筋を重んじると耳にしたが」

 

 確かにそうだ。だからリエもその名を強く意識し、道を誤った。吸血鬼なのだから、良くも悪くも、相手さえ問わず血には固執する者が多く存在するのは事実だ。

 

 今までの鬼の発言から考えるに、御空は純血の鬼ではないらしい。それはけしてありふれたことではないが、珍しいというほどでもない。

 人間から妖魔になる者もいるし、人間と子を為す妖もいる。

 

 どちらにしても、それが御空が自らを『一応』鬼だとし、他の妖からは『半端者』と呼ばれる理由だった。

 

 しかしそれだけにしては、事が大きすぎる。そう思うのは、リオの気のせいだろうか。

 

「わたしはわたしの意思で、御空のそばにいることを選んだ。あんたに文句つけられるスジアイないよ!」

「ならば、そいつと共に消え去れ。スカーレットの名を持つ吸血鬼」

 

 わずかな光に、鬼の大太刀が煌めいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ