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閑話 勇者side

ローブを着た魔法使いのような女が、おびただしい量の文字が書かれている魔法陣の前に立った。


「では、今から勇者召喚の儀を始める。」


その言葉に頷く周りの者たち。


『我らが求めるは希望の光、悪を滅ぼす力を持つ者達。深淵を振り払えし勇者よ、時空を超え、我らの元に降臨せよ!【勇者召喚】!!!』


詠唱のようなものが終わった途端、魔法陣からものすごい量の光が溢れ出した。


「おお、これは…」


「行ける!行けるぞ!」


「もっと!もっと魔力を供給するのじゃ!」


そして光がおさまった時、20人ほどの人影が倒れていた。


凛side


「ん…うぅ、あ、れ?ここは…どこ?」


教室で先生が出席をとろうとしたところまでは記憶にあるんだけど…


周りを見てみると…


「あ、あれ?みんな?どうしちゃったの!?」


周りにはクラスメイトのみんなが倒れていた。


「お目覚めになりましたか、勇者様。」


聞いたことのない声が聞こえ反射的に振り返ると、そこには美しい女性が立っていた。


「あなたは…誰ですか?」


少しの警戒をにじませながら凛が聞いた。


「紹介が遅れてしまいましたね。私はルーデルク王国第1王女、ルーデルク・ヴァン・フィリアと申します」


第1王女?ルーデルク王国?聞いたことのない場所ね…あと、勇者様ってどういうことかしら?


すると、周りのみんなが起き出した。


「んー…ここは…どこだ?」


「あれ?どこ?ここ?」


「さっきまで学校にいたはずなのに…どこ?ここ。」


目覚めたら見知らぬ場所にいるという急な出来事にざわざわと混乱していると


「勇者様方、皆様急に見知らぬ場所へ連れてこられ、混乱していることでしょう。今から詳しい話をするので聞いてください。」


そこから少し話が長かったので、簡潔にいうと


曰く、私たちは勇者召喚の儀によって地球から別の場所へと転移させられた。


曰く、もう直ぐ魔王が復活してしまうらしい。


曰く、勇者にはものすごい力があるらしい。例えれば、戦場に1人いれば千人力、戦場を覆せるような力。


そしてその力持ってして魔王を倒して欲しい。と、そんな感じ。


すると…


「あれ、そう言えば神莉がいなくね?」


「本当だ、神莉くんいないよ」


「どこにいっちゃったんだろう?」


クラスメイトの1人がいないことに気づく周りの生徒たち。


え?


シンリが、いない?


周りを見回す凛。


「シンリ…?どこ?」


「神莉くんが、いない…?どうして!?」


「香澄、とりあえず落ち着いて。」


本当は自分も気が気ではないのだが暴走しそうな香澄を宥める凛。


「でも、でも、神莉くんが…何かに巻き込まれたの?」


その時クラスメイト以外の時が止まった。


(んん、聞こえてますか~?)


「「「!?!?」」」


(はいはーい、騒がれても困るので黙ってくださいね)


凛たちは何故か喋ることができなかった。まるで何かに押さえつけられているみたいで…


(とりあえず、あまり時間がないので手短に話しまーす。

私は最高神です。信じるか信じないかは、あなた達次第なのですが…)


と、一言最高神(?)は前置きをして。


(皆さん神莉様のことが心配なようですが、安心してください。神莉様は生きております。神莉様は、私事ながら、別の場所に転移させていただきました。)


その言葉に、みんなの間で緊張が走った。なにか神莉の身に起きたのではないか、と。


(大丈夫です。神莉様のことですからきっと皆様のところに会いに来てくれるでしょう。このことに関しては申し訳ないんですが、あまり詳しくは言えないので、そこは我慢してください。)


気にはなるが体が押さえつけられていて問いかけることもできない。


(会いたい人は、探しにいって見たら如何でしょうか?いつか必ず出会えると思いますよ。あと、私のことは城の方々には黙っておいてくださいね。では、皆様のご武運を願っております。)


その言葉を言ったと同時に、時が再び動き出した。


「何だったんだろう…取り敢えずは安心していいのかな?」


いまだに不安そうにしているクラスメイト。


「うん。きっと大丈夫よ。それに、時を止めていた?みたいだし。それなら神ってのも頷けるわ」


「勇者様方、どうかされましたか?」


「いえ、なんでもありません。王女様。それで、私たちはこれから何をすれば良いのでしょうか?」


怪しまれないように平然を装って話すように心がける。


「はい。では、今から、この国の王と謁見して頂きます。」


馴染みのない言葉に不安感を覚える生徒たち。


「謁見…ですか?」


やったことなど当然ないので不安になるクラスメイト達。


「はい。簡単な礼儀作法をお伝えしておきますね…」


そうして、少しの間礼儀作法を習うことになった。


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