8話 召喚
アリサは血まみれの地面に、崩れ落ちていた。
「なんでこうなるんだ…俺はどうしたらいいんだ」
「教えてくれ婆さん」
そう呟いた時…魔法陣が光始める。トゥーファンは婆さんの言ったことを思い出す。
「魔…魔法陣…」
もうどうなっても良かった。気が動転している。
「召喚しなきゃ…」
魔法陣に手を伸ばし近くに寄せる。トゥーファンは地面に拳を叩きつける。地面に拳がめり込む。
手を挙げると血が出ている。それをそのまま魔法陣へ乗せ詠唱を始める。
「我が叔母に選ばれし使い魔よ。我の拳となれ我の心となれ。今日から我が使い魔となれ、
今、汝と契約を結ぼう。我が名は。アリサ・トゥーファン・レイドキーなり。君臨せよ、我が使い魔よ!」
そう言うと同時に魔法陣が黒く光輝く。
その光は村を巻き込みどんどん大きくなる。
そして村を包み込む。その中はとても暗く、だがなんだか落ち着く暗闇だった。
闇が引く。
そこにはもう村は後影もなかった。その闇が引ききったとき。そこには一人の男が倒れていた。
見慣れない服を着ている。
「召喚できたの?」
違和感を覚える。声がおかしい、喋り方もおかしい、あきらかにおかしい。
それと同時に目の前の男が起き上がる。
「んっんぅーーー」
召喚された海人は起き上がる。何があったかわからない。とりあえず転生は成功したらしい。
「成功したのかぁー」
「ん…?」
そこには、日本人のような真っ黒の髪で、宝石のような赤い瞳の少女がこちらを見ている。
海人は理解した。
この子があのアレラとかいう女が言っていた子なのだと。
「なるほど…君が」
トゥーファンはその男の話を遮り。話す。
「お前は誰!私の使い魔なの!?」
海人はだるそうに頭をかきむしりながら。こたえる 。
「悪い。俺も分かんないんだ。お前がそういうならそうなんだろうな。」
「ただ…」
「君がアレラとかいう女の人が言ってた子だって子なんだろうと思ってる」
トゥーファンは返す。
「えっアレラって…婆さんを知ってるの!?」
海人は女の子が想像以上に驚いていたのでそれに対して返答する。
「婆さんってか、姉さんみたいだったけどー、あれは婆さんなのか?」
海人は目の前の女の子が凄い形相で迫ってくるので多少おどおどする。
割と大きな声でアリサはいう。
「それが婆さんなの!」
「それで!婆さんとあったのね!?」
「何か言ってた?」
海人はただただその子の質問にこたえる。
「えぇーと、俺が現れたとこにいる子を守ってあげてって頼まれた。」
怒りながらその子は話を続ける。
「私は男だ!守ってもらわなくてもいい!」
その言葉に対し的確に突っ込む。
「え?男なの?」
「どう見たって男だろ!」
何を言っているのかわからない。
海人の目の前にいる子は確実に女の子なのだ。
「ん?本気で言ってる?」
「本気も何も、男だろ?」
その頃には少し話し方が男っぽく戻っていたが、声は未だにおかしい。
「んー鏡あるか?」
「ない…お前のせいで吹き飛んだ」
なんだか海人はすごくもうわけない気持ちになる。
たしかに辺りを見渡しても何もない。
「そうか…悪いことしたな…」
トゥーファンは落ち込む。
海人が話し始める。
「じゃあとりあえず、名前教えてくれよ」
「私の?私は…」
少し詰まる。婆さんが選んでくれた使い魔なのだから、本名を告げるべきなのか。
「アリサ・トゥーファン・レイドキー…」
告げることにした。使い魔にぐらいは本名を教えようと、そう思った。
「貴方の名は?」
次はアリサの方が訪ねてくる。
「俺の名は、深崎海人、よろしくな」
続けて海人が話す。
「じゃあ俺はなんと呼べばいい?アリサ、とかか?」
即答でアリサは返す
「ダメっそれはダメ!」
「なんでだよっ!呼びやすいじゃねーか!」
アリサは怒りながらさっき言ったことをもう一度いう。
「だから男なのにその呼び方はおかしいだろ!」
「だから女だって言ってんじゃん!」
子供の言い合いのように言い合う。
だが、それのおかげか、少しずつ打ち解けていく。
「じゃあ女だったら、アリサでいいな?」
「いいよ!私は男だもの!」
約束が交わされた。
それから2人は立ち上がり町へと降りていく。街は荒れていた、村の人々が街に逃げてドラゴンが出たと伝えたのだ。
「なんだか騒がしいな…」
「そりゃドラゴンが近くの村に現れたんだから、騒ぎもするでしょ」
近くにテラさんがいたので話しかける。
テラさんは2人をみて恐る恐る口を開く。
少しこの話は短かめですが話をいい感じに切りたかったのでお許し下さい。
あと話でおかしい所などあればご指摘お願いします!
すぐなおしますので笑笑