二十九話:二度目の告白
マリィは険しい顔で黙っていた。
「今の話しで嫌ったなら嫌ってくれて構わないし、かかわりたくないならかかわらなくてもいい…ただ、これから先も一緒に暮らしたいというのは勘弁してくれよ…言った通り、もうお前を好きになりすぎて喉が渇いて仕方がないんだ。」
マリィはなおをも黙っている。
「マリィ、お前が嫌いなわけじゃないんだ。好きすぎて、もう一緒に居られないんだよ。それだけは分かってくれ。」
「…どうしてダメなの?」
「…えっ?」
「だって、人生を楽しむんでしょ?なら、いいじゃない。好きな人と一緒になってずっと一緒に居れば…それと、まるで自分のことを人殺しみたいに言ってたけど、助けた結果がそれなんだもん咄嗟の事だったんでしょ?仕方ない。ディーのことだから助けないで後悔するよりも助けて後悔した方がよかったよ。助けなかったら、本当に罪悪感からディーは廃人になってたんじゃないかな?」
「しかし、俺はお前が死ぬまでの数十年間、血に抗える自信が…」
「私を吸血人にすればいいじゃない。二度と人を吸血人に変えないってさ、それは同意がない人でしょ?しかもただのディーのポリシー。私には関係ない。同意があったならいいじゃない。むしろ私はしてって言ってるし。きっとディーのことだから私が人として死んでも、吸血人として生きても後悔する。人助けした時と一緒で、今回もしないで後悔するよりして後悔した方が得だよね?でも、今回は前と全然違うんよ?私には愛するディーも友達のブラッドもアノールもナタリアも居るから幸せで、自分では死なないよ?死ねないよ?なら、ディーは私と一緒に居られる時間が増えるだけ、問題なんて、何もないよ。」
マリィはにっこりと優しくディーに微笑みながら近寄り、ディーを抱きしめ、髪をなでる。
「マリィ…本当に、いいのか?大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、私はどこにも行かないし、ディーがなんて言おうが離れない…だって、私はディーが大好きだから。ずっとずっと一緒に居たいから…もう一度言うよ、私はディーが好き。誰にも渡さない。ずっと、ずっとずっと、一緒に居よう?」
「マリィ…」
ディーは我慢できないようにマリィをソファーにふわっと押し倒し、首筋をねっとりと舐める。
「…ッ!!ちょっとディー!!いきなり何してんの!?もう少し待ってよ!!ていうか、私今二度目の告白したんだけど!?」
ディーは端正な顔を歪めながらため息をつく。
「だから…限界だって言ってんだろ…理性より先にキちまったんだよ…お前がそんな可愛いこと言うから…今はギリ抑えられたわ…」
ディーはふぅと一息つくと、押し倒した状態のまま「俺もマリィのことが大好きだ。愛している。」と告げる。
マリィは押し倒された状態のまま顔を赤らめ、うっとりと「ディー…」とつぶやく。
そんなマリィの恍惚とした表情をみたディーは喉をごくりと鳴らし、また首筋を舐め始める。
「ひぁっ!?普通キスが先でしょ!?なんて雰囲気のないやつ…」
マリィのそんな言葉も聞こえないよにマリィの首筋を舐めたり吸ったりしている。
「まって…ディー、ちょっと…」
ディーがマリィの白い首筋に歯を立てようとしたとき、背後からブラッドが現れ、ディーを気絶させる。
「ブラッド!!何でここに!?」マリィの顔はゆでだこのように真っ赤になっていた。
「アハハ、姫ちゃん可愛いー。いや~イチャラブをずっと見てたんだけどね?ディーが本能のままに姫ちゃんを文字通り歯牙にかけようとしてたから助けにね?だって、姫ちゃんはこのままされても良かっただろうけど、コイツはまたやってしまったという罪悪感から姫ちゃんに二度と触れないとか言い出しそうだし…」
「…そうだね。ブラッドありがとう。」
「じゃ、俺はコイツを自室のベッドに寝かせてから本当に退散するよ。じゃあね、姫ちゃん。」
ブラッドがリビングから出ていくのを見てからマリィはその場にしゃがみ込み、ピョンピョンとはねて喜んだ。
「やった…!!私、ディーと両想いになれたんだ!!」
マリィは浮かれ、その場でジャンプをしたりスキップしたりした。




