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眠る姫君と古城の主  作者: 雷炎
FORGET THE PAST.TO LIVE IN THE FUTUR.
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二十七話:説得

ブラッドはそれを聞いて高らかに笑った。

その笑いが癇に障ったのかディーはブラッドを魔法で吹っ飛ばした。

「何が可笑しい!?彼女は穢れなき姫で俺は薄汚れた魔法使い。おまけに吸血人で人殺しだ!!受け入れてくれるわけがない!もし、アレを人殺しじゃないと言ってくれても!!俺の身体は…彼女の血を求めてしまう…今でさえ血の誘惑に抗うのに精一杯なのに、彼女が死ぬまでの数十年…ぞんな短い時間すら抗える自信がない。こんな悍ましい話しをする俺を化け物以外なんと形容すればいい?」

ディーは自身の顔を片手で覆い、嘲笑する。

「アンタは馬鹿だね。だって、その話を姫ちゃんに言ったわけじゃないんでしょ?姫ちゃんなら話せばわかってくれる。それに、姫ちゃんはフラれたと思って出て行った。というか、アンタがフッたから飛び出した。もう何を失うものがあるの?」

ディーは虚無を映した瞳でカーペットを見つめる。


「全部ぶちまけて、砕け散っちゃえよ。」

それだけ言うとブラッドは古城から消えた。

しばらく茫然と立ち尽くしたディーは拳を強く握り、勢いよく古城を飛び出した。

「そうそう、それでいいんだよ。俺の代わりに姫ちゃんを幸せにしてあげてね…」

ブラッドは満足そうに古城の屋根からディーを見下ろしていた。

***********

どのくらい歩いたかな?ここはどこかな?辺りは暗くて…何も見えないや…

足を止め、へたり込むとまた涙があふれてくる。

口はカラカラで水分なんて無いはずなのに止めどなく涙は溢れる。

お酒臭い恰幅の良い男が私の手をつかむ。

下卑た笑みを浮かべながら立ち上がらせてくれる。

目的はなんとなくわかるが、抵抗する力も精神力も残っていない。

もう、好きにしてくれ。

目をつむり、また涙を流すが、何時まで待っても何もしてこない。

ゆっくりと目を開けるとそこにはいるはずのないディーの姿があった。

口がカラカラで声が出ない。

「目を閉じてろ!!」言われるまま目を閉じる。

数十秒ほど経ち、「目を開けて。」というディーの優しい声がしたので開けるとそこは古城のリビングだった。


目の前には水を持ったディー。

「飲んで。まずは泥を落とすために風呂へ…沸かしてあるから。」

私はコクリと頷くだけ、それだけが今できるささやかな反抗。

ササッとお風呂へ入り、腫らした瞳を隠すことなくリビングへ行く。

「座ってくれ。」指示されるがままソファーに腰を下ろす。


「マリィ、これから長い長い昔話をしよう。今から400年前の話しだ。」

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