二十二話:城へ
「どうしたマリィ!?」
駆けつけたディーの髪は降り、髭を蓄えている。
ようはいつものディーであった。
「目が腫れてるんだよ。しかも頭痛いしお酒臭い…これって二日酔いってやつだよね!?どうしよ!今夜がパーティーなのに…」
大したことじゃないと分かるとため息を出す。
「まず、水を飲んで風呂に入ってこい。上がったら蒸しタオル用意しとくから目に乗せて寝ろ。」
有無を言わせないディーにコクリと頷き、言われたとおりに従う。
結局眠って目が覚めたのは午後であったため、2人は急いでそれぞれの服に急いで着替える。
夕方にはお城からのお迎えが来るからである。
着替え終えた2人の元へ丁度良く扉を叩く音が聞こえる。
迎えの馬車が来たのだ。
扉を開けるとニタニタと笑うブラッドの姿があった。
「やあお二人さん。今日は良い夕日が見えるよ。」
「な、なんでブラッドが!」
「アノール達が招待状をくれなかったんだけど、御者としてなら城への侵入を許してくれてね。それで今日限定で姫ちゃんたちの御者さ。」
聞いた尚も唖然とする2人にフフンと鼻を鳴らす。
ともかくと2人は早速馬車の中へ入る。
中は真っ暗で天井には星が光っていた。
「どう?綺麗でしょ。『投影魔法』で本物の星空を再現してみたんだよ。」
「凄い綺麗!!ね、ディー。」
「ん?ああ。」
「喜んでくれてうれしいよ。でも、残念なお知らせがあるよ。」
そういうと馬車が大きな音を立てる。
「この馬車、空をかけるよ。」
マリィが「やめて」というよりも早く馬車は宙に浮かび、城を目指す。
「大丈夫大丈夫!!本日は安全運転で行かせていただきマスから!!」
「安全じゃなかったらお前を落として俺が運転する。」
軽く殺気を放つディーに「はいはい」と気のない返事をするブラッド。
空を走るのは揺れず、意外と快適な旅であった。
道というものも勿論なかったわけで、逸早く城へついてしまった。
空から降りてきた馬車を迎えてくれたのはアノールとナタリア。
「とても早くおつきになられましたねお二人さん。」
「マリィにディーさん!どうぞ中へ入って!まだ時間もあるから城を案内するよ!」
アノールがそういうので2人はアノールに連れられて中を案内される。
「ここが今日の会場だよ。もう準備は出来ているよ。美味しい料理やこの国随一の楽士団も来るから踊らなくても十分楽しめる使用になっているよ。ここは休憩室でそこは…」
アノールの声が段々と遠のいていくのを感じる。
久々に帰ってきた我が家は少し古くなったり修繕されているが、大方は代わっていなかった。
懐かしくてついついキョロキョロとあたりを見てしまう。
3人は長い長い廊下を歩いている途中に大きな絵画を見つけた。
その絵画に書かれているのは建国当時の王様。
その建国時の王様には立派な鼻毛が落書きされていた。
「この落書き、誰がやったのか迷宮入りしそうなんだよね。ゼリルおじさんがやったって言われてるけどおじさんはやってないの一点張りだし僕もやってないと思うんだよね。」
「そういえばこんなものあったねー」
マリィはしみじみとその絵画を観察する。
「マリィが小さいころにはもう書かれていたのか?」
「いや、書かれていたも何も書いたの私だし。」
時効だろうと判断したので真実を打ち明ける。
「やりたかったからやったんだけどさーあの後でこれが国宝だってしったから、ゼリルに罪を擦り付けたんだよね。いやー、小さい頃って怖いね。」
うんうんと納得しているマリィを横に国宝の絵画に落書きをした真犯人を見つけたアノールは固まり、ディーはただ黙って聞いていた。
気を取り直して案内を続けるアノールはとある部屋のドアの前に立って止まる。
「ここが案内最後の部屋となります。さあ、ご覧あれ。」
開けられた部屋には気難しそうなお爺さんと可愛らしいお婆さんが座っていた。




