十六話:ゲーム終了
「ディ…なん…で?」
口から血を流し、動かなくなるマリィ。
「な、ど、どうして殺したんですか!?これでゲームは≪終わる≫はずだったのに!!」
「そうだよ!どうしてだいディーさん!!僕らにもわかるように説明してよ!」
ディーはウェディングドレス姿のナタリアと新郎姿のアノールも
ディーは間髪入れずにのど元を掻き切った。
「…俺も腑に落ちない点はあったけどさ、核心には至らなかった。どうして?」
「…犯人の言葉だ。『4人にはお話しの中に入ってもらい、その物語を≪完成≫させれば≪終わり≫。』ゲームにおける魔法の制約の一つに嘘をついてはならないというのがあるのはわかっているな?ということは、この『物語ゲーム』に参加していた生きた人間は4人だった。それはマリィを除く4人だ。何故ならば、『好奇心で見世物小屋へ来たばっかりに…』と、マリィは言ったが捨ててあったチケットは5枚ちゃんとあった。それはマリィが自分の意思で来てないことを示している。それにマリィは、『戻れるならいいんじゃない?』と軽く言った。しかし、犯人は勝っても戻れるなんてことは一言も言っていない。制約によりルールはしっかりと説明するというのがあるからな。それにマリィの位置はナレーターというどの物語でもどうにでもなる役職、これだけでも疑うには十分だった。」
ディーはとても怯えた目で、しかし何故か悟ったような目でブラッドを見つめる。
そんな顔で俺に見るなよと苦笑しそうになったが、こんな場面なのであえて言わなかった。
「だとしてもだ、ナタリアとアノールを殺す必要は?それでゲームが≪終わる≫のか?」
「それがきっとこのゲームのポイントなんだ。俺たちは、≪完成≫が終わりだといわれた。しかし、なんの≪終わり≫なんだ?」
虚をつくような質問に言葉が詰まる。
「…それは、ゲームの終わりだろ…」
「違う。この≪完成≫が差す終わりはきっと≪人生の終わり≫つまりは死だ。俺らはすっかり『物語ゲーム』に騙されていた。マリィが現れ、5人そろったという安心感、そのうえで物語を≪完成≫させるという道標を与えられて忘れていたんだ。『マリィは攫われ、俺たちは罠にはまっている。』ということに…」
疑問が確信へと変わっていく。
「つまり、この『物語ゲーム』は≪完成≫させてはならないと?そうすれば≪人生は終わらない≫と?」
「そういうことだ。ナタリアとアノールを殺したのも≪未完成≫で終わらせるため。≪未完成≫ならば≪人生は終わらず≫俺たちは元の館に戻れるはずだ。ブラッド、お前を殺して俺が死ねばこのゲームは終わる…。」
そう言ってディーは無抵抗のブラッドの胸を一突きにし、その後を追うようにおのれの首を切った。
目を覚ますとそこにはマリィが横たわっていた。
自分のやったことが間違ってはいなかったという安心からため息が出、そして運命の残酷さに手が震えた。
「【おめでとう。不本意だが君たちの勝ちのようだ。さあ、姫様を連れて帰るがいいさ。どうやって目覚めさせるかは…わかるね?】」
謎の声に誘導されるかのようにディーは眠っているマリィに近づく。
顔を近づけ、眠っているマリィの胸にナイフ刺した。
「消えろ。目障りだ偽物。本当に眠っているマリィがこんなに寝相がいいはずがない…」




