十二話:集結
私はナタリアからどうしてこうなったのかという経緯を聞いた。
「…心配してきてみたら魔女じゃなくて美しい女性が居て、困惑と疑いから決闘を…」
「なるほどね、とりあえずナタリアは落ち着いてね?人に話しを聞こう?」
「面目ない。」
「私とアノールは全くそういった関係ではなし、というかあんなのに恋するわけないし、ありえないし、安心していいよ?ナタリアさんはアノールのこと好きなんでしょ?」
その問いかけにナタリアは顔を真っ赤にして首を横に振る。
「私なんかが…恐れ多いです…」
私は初心なナタリアの反応に心を打たれ「いいね若いね。」と言葉を漏らす。
そして、聞きたかったことを聞いてみる。
「ところで、ナタリアさんはブラッドの弟子なの?これ聞きたくてうずうずしてたんだ。」
「あ、はい。私がブラッドのところへ行ってお願いしたんです。まあ、3年ほどで魔法を習得したので、すぐ元を去りましたけど…」
「へ~そうなんだ。」
「私的には何故貴殿とブラッドが知り合いなのかを聞きたいのですが。」
「それは…いろいろあったのよ…」
流石に初対面の、しかも関連のない人に60年も眠っていたなんて言えないので口を濁す私に、それ以上の追及はしてこなかった。優しい子だ。
「それよりさ、もし私が決闘に勝ったらどうするか覚えてる?」
「友達になる…ですか?」
「そう!!私は勝ったんだから友達になってね!ナタリア!」
私がにっこりとほほ笑むと彼女はポカンとした顔をする。
「呆れた人ですね…私は、あの時異国へ飛ばそうとしたのに…ええ、もう敵じゃないって分かりましたから。マリィさん。貴方が言うのであればお友達になりましょう。」
そう告げるナタリアも、マリィに向かって優しくほほ笑んだ。
「いやぁ、めでたしめでたしだねー。」
そういうとブラッドは指を鳴らして防壁を解く。
私は、ある一点を聞き逃せず、ブラッドに聞いてみる。
「ブラッドさ、『マリィから話は聞いたのか?王子の身体は調べたのか?』って言ったよね?」
ブラッドの肩がビクッと震える。
「本当はさ、ナタリアが来る前から全部知ってたんじゃないの?」
「…考えてみれば、決闘を止めるタイミングも良すぎでしたね。まるで物語のようでした。」
ブラッドは逃げようとしたので、ナタリアに『魔法断絶縄』ですぐさま捕まえる。
「だって!!あんなにぶっ飛んでるナタリア久々に見たんだもん!笑いこらえるの必死だったよ!しかも相手が姫ちゃんでしょ!?会話とかすっげー面白かったし、それにピンチの時助けたら姫ちゃんからの好感度上がるかなって思ったんだよ!今地の底だからー!」
ナタリアの『強制自白』によりぺらぺらと全容を語るブラッド。
「じゃあ、アンタは私がピンチになるのを待っていたのね?弟子の間違いをすぐに正さずに。このクズ。」
「最低ですね。流石ですよその考え、クズ過ぎて何も言えません。」
ナタリアとマリィはブラッドを寒空の中へ衣服をパンツ一枚にし、放り投げた。
「ねえナタリア、私たちとても仲良くなれる気がするの。その冷静な判断と良い、ブラッドの扱いを知ってるといい。」
「奇遇ですね。私も貴殿とは仲良くなれる気がします。一緒に被害者の会でも立ち上げます?」
「いいねぇ~まあ、一緒にお茶でもしましょうかナタリア。」
「ええ、マリィさん。」
2人はまるで決闘のことなんて最初からなかったかのようなすがすがしい笑顔を浮かべていた。
そして、2ブラッドのことなどすっかり忘れて会話を楽しんだのでした。
昼を過ぎるとアノール王子が来て3人となったので、いつものようにトランプゲームを楽しんでいるとディーが帰ってきた。
「…タダイマ…外に捨ててあるブラッド大丈夫か?って、また人増えてんだけど…」
ディーはナタリアを見ながら首をかしげる。
「あ、お邪魔してます…」
「あのねディー、この子は私のお友達になったの!とってもいい子だよ!」
「ああ、ちゃんと挨拶できる辺りアノールとブラッドよりはましだな…っと、そういえば外のブラッド、今にも死にそうな感じだぞ?」
「あ、忘れてた。」
「もうマリィさんったら~うっかりさんなんだから。ハッハッハッ。」
「ハハハハハハ」
「アハハハハハ」
ナタリア、アノール、マリィの3人は笑いあい、アットホームな雰囲気に包まれたが、そのわざとらしい笑い方にディーは唖然としていた。
その後、ブラッドはディーの手によって解放され、恩返しとして一週間の掃除を命じられ、ブラッドはもう二度と女たちを怒らせないことを
心に誓ったのでした。




