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頼むから自分の立場を考えてくれ・・・

「・・・朝か・・・」


ルシはベットから起き上がった。


「クァ~・・・ワフン」


「おはようウォル」


「ワン」


「そういえば、昨日はカルロの愚痴を散々聞かされたな・・・」


昨夜酒場でカルロはこの町の不衛生(自分視点)を延々と聞かされたな。


全く聞いてなかったがな。


「そろそろ出発するか」


カルロが寝ているベットを見た。


「・・・いないな」


ベットはもぬけの殻だった。


「あいつどこ言ったんだ」


「――――――」


「下から声が聞こえるな」


ルシは着替えを手早く済ませ一階に下りた。





「女将さん外の掃き掃除終わったよ」


「すまないね。じゃあ次は窓を拭いてくれないかい」


「了解!」


「・・・お前は何をしている」


「お、やっと起きたか。おはよう」


一回に降りるとカルロはいた。


持参しているお掃除セットを持って。


「ああ。おはよう。・・・いや、何してるんだ?」


「何って、掃除だけど?」


「そんなものは見たらわかる。なぜ掃除をしてるのか聞いている」


「どうしたんだ?まだ寝ぼけてるのか。ほら水汲んでやってきてやるから顔洗って来い」


「ああ、すまない」


―――。


「どうだ。目が覚めたか?」


「おかげでな。・・・いや、だからどうして掃除している」


「あ、女将さん窓拭き終わったよ。見てくれよスゲー綺麗になっただろ?やっぱりこれ位磨かないと駄目だぜ。後ルシ、飯作ってやったから早く食べな。ウォルもな」


「それはすまないな」


「ワン」


「ほ~大したもんだね」


「そうだろそうだろ!あ、ちょっと君。そこはもっとこうしないと駄目じゃないか」


「え?」


「ほら、その箒を貸してごらん」


カルロは従業員が持っていた箒を手に取り床を掃き始めた。


その光景をカルロが作った朝ごはんを食べながら見ているルシとウォル。


「・・・いや、だからそうではなくてなカルロ」


「ここはこうやるんだ」


「・・・カルロ」


「で、角はこう掃いて」


「・・・ハァ。終わるまで待つか」


「ワン」


「あ、おかわりあるけどいるか?」


「頂こうか」


「ワンワン!」


ルシとウォルはおいしく朝食を頂いた。




「旅人さんすまなかったね」


「いやいや、好きでやってただけだから」


「ありがとうございました!カルロさんの掃除の仕方、大変勉強になりました」


「しっかり励めよ」


「はい!」


カルロ・ルシ・ウォルは宿屋を後にした。


「まったく。いつからしてたんだ」


道中歩いている間ルシはカルロに聞く。


「日が昇る前からだな」


「日が昇る前って、ほとんど寝てないではないか。大丈夫か?」


「問題ないよ。久しぶりに掃除が出来て満足してたし」


カルロの表情はとても満足そうだった。


「そうか。だが、休息はしっかり取れ、今後取れるかどうかわからないからな」


「わかったよ。それで、次はどこに向かう?」


ルシは歩きながら地図を開いた。


そして、暫し考え


「このまま東に向かおうかと思っている」


「東か・・・となると、オリ城塞に行くのか?」


「そうだ」


「確か、あそこ任されてる奴って・・・」


「白騎士第八部隊長サイだな」


「あ、そうそうそれだ」


「お前忘れてただろ」


「もちろん」


「自国の部隊長の名前と顔くらい覚えていろ」


「ハッハッハ。そんな暇があったらもっと掃除に性をだす!」


カルロは親指を立てて爽やかに笑った。


―――ゴキ―――


その指の間接を外してやった。


「ぐわあああぁぁぁーーーー指がーーーー!!!」


「それでだ、ここから先はまた魔物が出現るかも知れないから気をつけろよ」


―――ゴキン―――


「魔物なら俺の隣を歩いてるけどな」


「何か言ったか?」


「べっつに~・・・」


「・・・まぁいい。あそこはまだ本格的は戦闘はないが小競り合いは続いている。出来れば私達でそれを終わらせたい」


「やっと本格的な掃除の始まりだな」


「カルロ。お前の力期待してる」


「まかせろ。兵隊を使って外も中も綺麗に掃除して素晴らしい城塞にして見せるぜ!」


「違う。敵を駆逐しろと言ってるんだ」


「わかってる。冗談だよ」


「お前が言うと冗談に聞こえん」


「否定はしない」


「笑顔で言うな」


「いいだろ?ここから先どうなるかわからないんだからさ」


先ほどまでヘラヘラして笑っていた表情は消え、鋭い目つきでルシを見ていた。


「・・・カルロ」


「ウォル。しっかりとルシを守ってくれよ」


「ワン!」


「ルシ」


「・・・」


「お前が強いのはわかっている。だがな、まだまだ粗い所が多々ある。慢心はするなよ」


「・・・この剣にかけて誓おう。お前の言葉決して忘れないと・・・」


こんなに真面目になっているカルロを見るのは決勝の時以来だな。


「・・・よし!じゃあさっさと行こう・・・か」


カルロは立ち止まった。


「どうかしたか?カルロ」


「・・・しまった・・・」


「何が『しまった』だ?」


「・・・剣・・忘れてきた・・・」


『・・・・・・』


「ま、いっか!お掃除セットは忘れてきてないからな☆」


「・・・・・・すぐにとって来い」


ルシからどす黒いオーラが見える。


「・・・はい。す、すぐ戻るから待っててくれよ!」


「ああ。だから早く行け」


「絶対待っとけよ!!」


カルロは歩いて来た道を全速力で戻った。


「・・・今日は早めに休むとするか」


「ワォ~ン」


「ウォルも賛成か」


どんどん小さくなっていくカルロを眺める。


「・・・こけたな」


「ワン」


「あれでは相当時間が掛かるな。仕方ない、もう一泊するか。・・・全く締まらない馬鹿だなあいつは・・・」


ルシとウォルは町へと戻った。

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