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金が・・・足りない・・・

「この野菜凄くおいしいですね」


宿の朝食でだされた温野菜の美味さに舌鼓するカルロ。


「野菜本来の甘みと旨味がでてるし、湯気と共に大地の香りがする。良い土で育った証拠だ。そしてこれらの味・風味は手塩にかけられた証拠。無能薬で育てるのは大変だったでしょうに」


「へぇ~・・・そんな事までわるのかい。大した舌と鼻をお持ちだね。そんなに美味かったかい」


宿の上さんが笑っていた。


「俺は当たり前の事を言ったまでですよ。美味い物を美味いと言うのは当然です」


「そんなに褒めてもこれくらいしかできないよ」


そう言って皿に温野菜を追加してくれた。


「すみませんね催促したみたいになってしまって」


「いいんだよ。たくさん食べな!」


「はい」





朝食を終え、部屋に戻りカルロがルシとアンナに今後の予定を聞いた。


「さって朝食も済んだしこれからどうするルシ?」


「武具の修理だな。武器屋行く」


「あ~そうだったな。さすがにあれは俺でも直せないないしな。仕方ない俺も行か。アンナもどうするんだ?」


「わたしも一緒に行きたいで~す」


「ワン!」


「なら全員で行くか」





「・・・こりゃあ、酷いな・・・」


ああ、酷いな。


親父さんの頭が・・・。


窓から入る日の光が親父さんの頭に反射して何も見えない。


「直せそうか?」


よく平然と会話できるな・・・っておもったらライト対策の魔法掛けてやがるし。


・・・てかこれ魔法なのか!?


「う~む・・・」


ルシは武器屋に着き早々に亭主に説明をし武器防具を見せた。


亭主の顔を見るといい返答は聞けそうにない感じがする。


「防具はどうにか出来るが・・・武器は駄目ですな。刃こぼれが酷すぎるしヒビも入ってる。素直に買いなおした方がいいな」


「・・・そうか」


「なぁ親父さん。どうしても無理か?」


「残念だが無理だな」


「ハァ~~~・・・俺の愛剣が・・・」


「落ち込むのはわかる。だがな、素直に受け止めてくれ」


「カルロ。諦めろ」


「・・・・・・わかった」


「亭主。防具の修理はどれくらいかかる?」


「そうだな。三日あれば修理は終わるな」


「わかった。では金額のほうはどれくらいだ?」


「ちょっと待っててくれ、査定するからよ」


「じゃあその間に武器を見ておくか。私とカルロは武器を見るがアンナはどうする?」


「ん~・・・一緒に待ってますね」


「わかった。ほらカルロ見るんだろ」


「・・・うん」


室内にある様々な武器を品定めした。


「これは双剣か。ふむ剣より軽いな」


ルシは双剣を手に取り軽く振るう。


風の切れる音がする。


「悪くはないな。軽いから技のスピードも上がるし攻め入る範囲も広がっていいな。難点は間合いが狭くなるか・・・」


考えた末双剣を元の場所に戻した。


「なら槍か。・・・いや私には扱いが難しいな」


斧は重いし斧槍も重いな。


メイスは打撃か・・・私には合わんな。


やはり剣しかないか。


「なぁルシ」


「いいのが見つかったのか、カルロ」


「これお前にピッタリじゃね?」


「ほう、どれだ」


カルロが持ってきた武器を手に持つ。


「・・・・・・これは」


「うん。よく似合ってるぞ!」


カルロが持ってきた武器は


「これで敵をオシオキしちゃえよ♪」


棘のついたムチ。


ウィップだった。


「わぁ~!ルシさん良く似合いますよ!ピッタリです!」


「だろ!アンナもそう思うよな!いや~一目見たときにピンっときたね。ルシにはこれしかないって」


「・・・・・・亭主」


「ん?どうし・・・」


「試し打ちしてもいいか?」


「・・・あ、ああ。だけど商品を壊さないでくれよ」


「わかっている。なぁカルロ。ちょっとこっちに来てくれ」


カルロの腕を掴み店の外へと出る。


しばらくすると外から男の悲鳴と泣きながら許しを請う声が町中に響いたという。





「うぅ・・・体が痛い・・・」


「自業自得だ」


「カルロ大丈夫?治癒魔法かけてあげる」


「た、助かる」


「それで、決まったのかい?」


「そうだな。私はこれだな」


ルシは一つの剣を手に持った。


「この剣なら前のと同じくらいの重さだしデザインも似ている。扱いも難ではない。・・・強度がもう少しあれば尚よかったがな」


「それだったら作ってやるよ・・・どうする?」


「出来るのか?」


「ああ!家は火事屋と武器屋両方やってんだ!隣の部屋が火事屋だ」


「そうだったのか。では頼む」


「あいよ。それで娘ちゃんはどうだい?」


「アンナも買うのか?」


「うん。わたしはこの杖かな。あとこの手甲」


先端に宝石が付いている杖と鉄で出来た手甲だった。


「それでねおじさん手甲これを付けてもらいたいんだけど」


誰に聞かれないように亭主の耳元で言う。


「あいよ。まかせな。最後に兄さんは決まったかい?」


「・・・・・・まだ」


「カルロ。時間をかけ過ぎではないか」


「だって俺に合う剣がないんだから仕方ないだろ」


「本当になかったのか?全部試したのか?」


「試したさ。俺に合う剣はなかったよ」


「・・・困ったな」


「そう言うことなら兄ちゃん俺が作ってやろうか?」


「え!いいの!」


「いいさ。御代はちょいっと上がるがな」


「構わないさ。頼むよおやっさん!!」


「それでどんな剣がいいんだ?」


「そうだなぁ~・・・」


カルロは再び店の中を徘徊し始める。


「・・・・・・」


何本かの剣を手に取り戻ると


「この剣の切れ味。この剣の重量。この剣のデザイン。この剣の強度。それぞれをかね合わせた剣を作って欲しい。それを長剣と中剣で一本ずつ。出来る?」


「こいつはとんでもない注文だな・・・」


「馬鹿者。いくらすると思う。それに作れるはずないだろう」


「やっぱ無理か・・・」


「おいおい勝手に決めないでくれよ」


「おやっさん・・・」


「・・・やってやるぜ」


「・・・出来るのか?」


「俺はこの町一の武器屋であり火事屋だ。火事屋出来ないって言うと店の威厳にも関わる!最高の一品を仕上げてやる!!」


おやっさんの目が燃えて頭から湯気が出ていた。


「久しぶりに血が騒ぐ注文だ。・・・一週間で仕上げる任せな!」


「おやっさん!!」


「いいってことよ。それよりもうないか?」


「あと一ついいかな」


「おう。構わないぜ」


「――――――してくれ」


「ほう。面白そうだな!まかせな」


それぞれの武器が決まった。


「じゃあ御代の方だが、金貨20枚だ」


「わかった。少し待ってくれ」


「ルシは金が入っている袋を取り出した」


「・・・・・・カルロ」


「どうした?」


「お前いくら持っている」


「ちょっと待てよ・・・えーっと金貨6枚だ」


「・・・アンナはいくらある」


「わたしは金貨3枚です」


「・・・・・・」


「ルシ?」


「金が・・・足りない・・・」


『・・・・・・え?』

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