表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/41

掃除をしてまた掃除

――――――。


―――。


「・・・寝れない・・・」


ベットに入って大分経ったが全く眠れない。


「あれ程度で寝れるはずないか・・・」


というかこの部屋で寝る事が間違ってるな。


ベットから起き上がり窓を見る。


「・・・まだ日は昇らないか・・・」


外は深い闇に包まれている。


「・・・スー・・・スー・・・」


傍ではルシが安らかな寝息をたてている。


「よくこんな所で寝れるよな。考えられんな」


俺なんかこの部屋の汚れが気になって寝れないっていうのにな。


窓の枠を軽く指の腹でなぞってみる。


暗くて見にくいが擦ってみると汚れの感触が伝わる。


「・・・・・・」


もう駄目だ。


我慢の限界だ。


俺は袋からいくつか道具を取り出した。


頭に三角巾。


口にはマスク用の布。


手には皮の手袋。


体に掃除用のエプロンを装備した。


「いい機会だ。本当の掃除を教えてやるか」


俺は部屋のあらゆる所掃除し始めた。


「・・・おっとその前に」


俺は呪文を詠唱した。


部屋一帯に音を消し去る『音消し』の呪文を唱えた。


「・・・よし。これでルシは起きないな」


「・・・スー・・・スー・・・」


「さて、やりますか!」


俺は掃除をし始めた。


――――――。


―――。


「・・・ふぅ~。こんなもんでいいだろう」


俺は額の汗を拭った。


テーブルを見る。


「いい感じだ」


窓を見る。


「すごく綺麗だ」


床を見る。


「埃一つなし!」


ドアとドアノブも完璧だ。


「解除」


俺は音消しの呪文を解除した。


「これでやっと眠れるな」


綺麗になった部屋を見て、安心と気持ちのいい疲れが襲う。


「寝るか。・・・ふぁ~」


俺はベットに入る為、装備を外していった。


―――カツ―――


「ん?」


―――カツカツ―――


部屋の外から足音が聞こえる。


―――カツカツカツ―――


足音は徐々に近づいてくる。


「・・・・・・」




―――ガチャ―――


「・・・・・・」


―――カツ・・カツ・・カツ―――


「・・・・・・」


足音はカルロの寝ているベットで止まった。


「・・・・・・」


―――ドス―――


「・・・・・・」


「こんな夜更けに何の用?」


「!!?」


後ろから男の声が聞こえ振り返る。


「どうも~」


カルロは手をひらひらと振った。


「・・・寝てなかったのか」


「いや、寝るつもりだったよ。掃除も終わったし」


「そうじ?」


「見てみろよ。綺麗になっただろこの部屋。ゴミ一つ落ちてないぜ。・・・あんたらを除いてな。婆さん。爺さん」


月の光が窓を通して照らす。


薄暗かった部屋が少しだけ明るくなった。


ペットには老婆の腕が突き刺さっており、天井には老人が張り付いて舌を出していた。


「おやおや、大人しく寝ていれば安らかに逝けたのにねぇ~」


「こんな部屋で寝れる方がどうかしてると思うが?」


老婆腕を引き抜いた。


「それはすまなかったね」


「勉強になったかな?」


「そうだね。いい教訓になったよ。・・・オマエヲホネノズイマデキレイニタベルノニナ!!」


老婆がカルロの首めがけて腕を突き刺した。


「おっと」


カルロは左に避けた。


「ッチ!」


「ヒサシブリノニクダ!!」


老人は寝ているルシに向かって飛びつく。


「・・・すまないが、肉になるのは貴様だ」


「!?」


毛布を目隠しにし、向かってくる老人まものを斬りつけた。


―――ヒュン―――


風を切る音がした。


「・・・・・・」


魔物の動きが止まった。


「そのまま寝ていろ」


魔物は真っ二つになってベットを血で染め上げた。


「あ、起きてたのルシ?」


「いや寝ていたが、いつでも動けるように準備はしていた。お前が掃除をしていたのも知っていたぞ」


「・・・さいですか」


「それよりも後ろだ」


「ん?あ~はいはい」


「シネェ~~~!!!」


「お断りだ」


―――ブン―――


魔物の攻撃は空を切る。


「ウガァーーー!!」


「・・・遅いよ」


カルロは剣の柄を握った。


「はい終わり」


柄を握っている手を離した。


「?。ほざくなニンゲンガ!!」


カルロに飛び掛る。


・・・が、動きが止まった。


魔物から線が浮き出てくる。


その線は鮮明になり魔物は縦に真っ二つになった。


「・・・せっかく綺麗にしたのになぁ~・・・ハぁ~」


「落ち込んでる暇はないぞ?」


「・・・そうだよな~」


外から魔物の声が聞こえる。


「どうやらここの村すでに占領されていたか」


「最悪だな」


「行くぞ」


窓に足をかけ飛び降りる姿勢を取っている。


「行ってらっしゃい」


俺は笑顔で送り出す。


「お前も行くんだ」


「ルシ一人でもやれるだろ。俺は今落ち込んでるんだよ。そっとしといてくれ」


「・・・その袋燃やすぞ」


「よし行こうか!」


俺とルシは飛び降りた。



「ニンゲン・・・」


「・・・クイモノ」


「ハラ・・・ヘッタ・・・」


どこに隠れていたのか、かなりの数の魔物が二人を囲む。


「真夜中の食事は体に悪いぞ?」


「ニンゲン・・・クイモノ・・・」


「・・・コロス・・・」


「ハヤク・・・クワセロ」


「まったく。腹を壊しても知らんぞ!」


ルシは再び剣を抜いた。


「カルロ半分は任せるぞ」


「へいへい」


魔物が襲い掛かる。


「よいしょっと」


カルロは地面に手をつけた。


「・・・終わったら消毒しないとな。・・・水よ槍となり貫け」


呪文を唱えると、地中の水分が氷の槍となって生えてくきた。


その槍はカルロに向かって来た魔物すべてに突き刺さる。


「土よ盾となり守れ」


カルロの周りに土の壁が出現し、氷の槍で突き刺さった魔物の血しぶきを受け止める。


「んで、後はこれで終わり」


カルロはまだ残っている魔物に向かって柄を握ると


―――シュ―――


剣が風を切る。


その後で、魔物達は無残に切り刻まれた。





「グギャアアアアー!」


「ッハ!」


「グゲ!」


「フン」


ルシの止まることのない連続の剣技で次々と倒れていく魔物。


「雷よ。剣を裁きのつるぎと化せ!」


ルシの剣が雷を纏う。


「蒸発しろ。雷鳴剣!」


魔物を切りつけると凄まじい音と共に一瞬で蒸発し黒焦げになり絶命した。


その威力を見た魔物達は退いた。


「まだだ!」


ルシはそのチャンスを逃さず、群れの中に飛び込み、流れるように魔物を切り倒す。


そして、群れの中央にくると剣を地面に突き刺し


「開放!」


と叫ぶと、剣に纏っていた雷が地面を這うように流れ魔物達を襲い一瞬で蒸発させた。


「これで終わりだな」


一息ついて剣を鞘に収める。


「お疲れ~」


呑気な声でルシに近づくカルロ。


「そっちも終わったのか」


「綺麗に掃除しといたぞ」


「そうか。これで他の村や町が被害を受けることはないな」


「そうだな。・・・あ、夜明けか」


気がつくと辺りは明るくなり始め日の出が出てこようとしていた。


「結局一睡も出来なかったか・・・」


「我慢して寝ればよかっただろ」


「それが出来たらしてたわ!・・・ふぁ~あ。ねみぃ~」


「それじゃあ、近くの川に行くか?冷たい水で目が覚めるぞ」


「そうだな。手も洗いたいし、防具も一式綺麗にしないといけないからな。・・・ふぁ~あ」


「よし。では行くか」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ