アンナとの出会い 2
何かくすぐったいな。
それに生暖かい。
なんだこれ?
「・・・・・・ん」
ここは・・・。
ああ、泊まっていた宿か。
でもどうしてここにいるんだ?
俺は確かルシと一緒に町に戻って・・・。
「目を覚ましたか」
横を見るとルシが椅子に座って本を読んでいた。
「傍にいてくれたのか?」
「ああ」
「なぁルシ。俺はどうなったんだ?」
「気を失っていた。覚えてないのか?」
「生憎。都合が悪いのはあまり記憶に留めておく事が出来なくてね」
「羨ましいな」
「そりゃどうも」
「・・・私だけではないぞ」
「え?」
「反対側を見ろ」
「・・・・・・」
ルシの言うように反対側を向くと
「ウォル」
「ワン!」
「そうかそうかお前もいてくれたんだな。嬉しい事してくれるな」
「ワォ~ン!」
ウォルの頭を手袋着けて撫でてやる。
「・・・ちょっと待て」
「どうした?」
「俺が寝ている間になんだけどな」
「うむ」
「頬に生暖かいものを感じた」
「ふむ」
「それに少しザラ付があった」
「ほうほう」
「極め着けに粘着性のある水が付着している」
「・・・・・・それで?お前の導き出した答えは?」
「ウォルが寝ている俺に頬を舐め続けていた」
「なるほどな」
「教えてくれ。俺はウォルに舐められていたのか!?なぁルシ!どうなんだ!!」
「・・・それは」
視線を逸らした。
今まで人と話す時は目を逸らさなかったルシが目を逸らした!
そんなに舐められていたのか!?
舐め回されていたのか!!?
気を失っていたとはいえ一生の不覚。
もう生きていく自信がなくなった。
「・・・ルシ」
「なんだ?」
「後の事は頼む!」
腰に隠してあったナイフを自身の首めがけて
「何を早とちりしている」
「・・・・・・え?」
動きを止めた。
「私はまだ一度もお前の答えに対して肯定してないぞ」
「・・・・・・それって」
「安心しろ私が阻止しといた」
「ありがとうルシ!大好きだ!!」
どうやら夢だったのか。
よかった。
まったく恐ろしい夢を見てしまった。
今日は念入りに体を洗おう。
「ただし舐められていたのは本当だ」
「さようなら俺!来世でやり直そう!!」
「やめろ潔癖馬鹿」
「止めるな!もう遅すぎたんだ!!」
「落ち着け。犯人はわかってる」
「どいつだ!!」
「・・・こいつだ」
ルシの指を指した先を見ると
「えへへ~♪」
手を振っている人物がいた。
あれは服なのか?
やたら露出が多くて服と言えないな。
まぁでも本人が気にしてないからいいか。
「君は誰だい?」
「私はアンナ。魔女で~す♪」
「魔女?魔法使いじゃないのか?」
「ん~ちょっと違いますねぇ」
「・・・ふ~ん」
話には聞いていたけど、まさか本当にいたんだな。
魔女なんて始めてみたな。
人とは見た目も違うと聞いていたけど・・・。
外見はまんま人間だな。
髪も黒で普通だし、目も鼻も口も耳も別に変ではないな。
どこにでもいる可愛らしい子だな。
じゃあ一体どこに・・・。
ん~・・・・・・あ・・・なるほど。
服装を見てなっとくした。
確かに違うな。
「それでアンナはどうしてここに?」
「あれ?覚えてないんですか~」
「覚えてないな」
「あんなに熱く抱擁したのに~」
「ごめん。今思い出した。あんな残酷で鬼畜な所業二度としないでくれ」
「え~どうしてですか~!」
「カルロは潔癖症なんだ。したければ体中の細菌を除去してからするんだな」
「そんなのむ~り~」
「無理でよろしい。それで、どうしてアンナはここにいるんだ?」
「そうだな。カルロも目が覚めた事だし教えてくれ」
「えっと~・・・」
モジモジクネクネしだす。
「じつは~・・・」
『・・・・・・』
「わ~た~し~」
『・・・・・・』
「そ~の~・・・」
『早く言ってくれ』
「ぶ~。もったいぶらせて下さいよ~」
「さてっと、ルシこれからどうする?」
「そうだな。しばらくはここで休養しようと思うがどうだ?」
「お!いいねぇ。賛成だ」
「あ~ん。話ます~。仲間にさせてもらう為にきました~」
『・・・・・・は?』
「ワフ?」
「えっとどういう事だ?」
「理由を言え」
「あなた達の戦いを見させてもらいました」
急に話し方が変わったな。
おまけに表情もマジだ。
「わたしはとある目的で旅をしている魔女です。この町に来たのもその目的の為。ですがその偶然のおかげであなた方の戦いを見れました。・・・正直、あなた方だけで勝てるとは思いませんでした。無謀だと。ですがそんな考え、思い込みは一振りの剣で消え去りました。次々と魔物を倒していくカルロさんにルシさんそしてあの鎧の少女。最後にはあの大きなオーガを逃げずに戦い打ち破った」
「それで仲間になりたい・・・と」
アンナは黙って頷いた。
「魔女といったな。何が出来る?」
「魔法全般は出来ます」
魔法全般・・・凄いな。
魔女だからなのか?
だが、そんな事より重要なのを聞かないとな。
「カルロどうだ?」
「・・・一つ聞きたいんだけどいいかな?」
「いいですよ」
「今魔法全般っていったな」
「はい」
「・・・掃除効率が上がる魔法ってある?」
「あります」
「ヨロシク!!」
やったぜ!これで俺のスキルがまた一段と上昇する!!
「・・・・・・はぁ~・・・」
「という事は仲間にして下さるんですね!」
「もちろんだ!」
「カルロの最後の質問は置いとくが、これからよろしく頼む」
「はい!・・・ダンナさま~♪」
『・・・・・・はい?』
「どうしたんですか~ダンナさま?」
「いや、何で急にそうなったの?」
「だってわたしの目的が叶いましたからね」
『・・・・・・は?』
「わたしの目的は婿探しなんです♪強くて凛々しい殿方を探していました~。わたし、カルロさんに惚れてるんで~す!!そう!ひ・と・め・ぼ・れ♪キャッ」
『・・・・・・・・・・・・』
「カルロさんの~戦う姿はとっても凛々しくて素敵ですけど~寝ている顔は可愛くてまた素敵でした~♪・・・とっても・・・おいしかったです♪」
下をペロリと出し妖艶に微笑んだ。
「・・・・・・」
「はぁ~・・・またか・・・今度は当分起きそうにないな」




