戦いに飢えるおに 11
「どう?これでわかってもらえたかな?」
手に飛び散った水を払い、シシスはリヴァ言った。
「君では僕に勝つことは出来ないよ。それぐらいの力量の差があるからね」
「・・・・・・」
リヴァの放った蛇はシシスに接触すらする事はなかった。
近づいてくる蛇にシシスは腕を振り下ろしただけ。
たったそれだけの仕草でリヴァの攻撃は防がれた。
蛇は縦に斬られた。
見えない何かによって・・・。
「それにしても君って結構凄いよね」
この状況では似つかわしいくらい落ち着き、それでいてのんびりとくつろいだ感じでシシスは言う。
背中には血だらけで腕が片方なくなったローを背負っているのに。
「この蛇に模した具現化の魔法?でいいのかな?これ・・・本当に魔法なの?」
「・・・・・・」
「何か違う感じがするんだよねぇ~。性質は魔法でいいんだけど・・・ねぇ君の中みてもいいかな?」
「!!?」
リヴァは全身から寒気がした。
「ああ!別に変な意味じゃないよ。安心して。別に痛くしないし寧ろ一瞬で終わるから何も感じないよ。・・・これも変な言い方みたいだね。アハハ」
リヴァへと歩き始める。
「・・・・・・」
「怖がらなくていいよ~♪」
「く・・・るな・・・」
「大丈夫だよ」
後ろに後ずさるリヴァ。
「逃げちゃ駄目♪」
「!!?」
体が動かなくなった。
「うん。いい子だね。それじゃあ・・・」
シシスの手がリヴァの頭へと触れようとする。
「・・・・・・おい。シシス」
その時背負われているローが話しかけた。
「どうしたの?ロー。あ、もうしかして結構やばい感じ?」
「それもあるが、ちげぇよ」
「じゃあ何?」
「お前、何人様の女を取ろうとしてんだ」
「取るつもりはないよ。ちょっと興味が湧いてさ」
「俺の許可を取ってねぇだろ」
「いや、ローの許可いらないよね」
「黙れ。従え。殺すぞ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・君に出来るのかな?そんなに重症で」
「俺は今お前の後ろを取ってる。首へし折るのに1秒も掛かんねぇ。やってやろうか?」
「1秒も掛かるなら返り討ちにあうよ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人の間の空間が歪む。
ローは本気で言ってる。
シシスが行動すれば間違いなく首をへし折る気でいる。
シシスは冗談めかしのように軽い口調。
だが、ローが行動すれば殺るつもりではいるだろう。
いや、確実にするだろう。
「・・・わかったよ」
沈黙を破ったのはシシスだった。
「この子には手を出さない」
「なら、いい」
「まったく。気迫だけは凄いんだから」
「・・・今のは聞かなかった事にしといてやる」
「ごめんね。怖がらせて。もう動いていいいよ」
「っ!?」
シシスの一言で体が動くようになった。
「あ~ほしかったな。あとちょっとだったのに・・・」
「てめぇ」
「冗談だよ。だから力入れないで。重たくなるし血が・・・あ~ほらまた出てる・・・」
「ならさっさと帰りやがれ」
「わかりましたっと」
「リヴァ。すまなかったな。じゃあな!」
シシスに背負われながら豪快に笑うローだった。
「さて、お別れも済んだし帰りま・・・あ」
「どうした?」
「ごめんロー。もう少し待って」
「ああん?」
「まだ挨拶してない人がいたよ」
シシスが向く視線の先には
「・・・シシス」
カルロがいた。
次話は来週の土曜日AM9:00頃に投稿させて頂きます。




