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契約

「・・・・・・」


なに・・・。


何を・・・言ってる・・・。


リヴァは理解が追いつかないでいた。


自分の心の中になぜ化物がいるのか・・・。


自分と化物が同じだと言うこと・・・。


なぜ自分がここにいるのか・・・。


どうやってきたのか・・・。


『リヴァ・・・』


化物は聞いてきた。


『吾の力を求めるにきたか』


「・・・え」


何を言われたのか理解するのに反応が遅れた。


「なぜ・・・そんな事・・を・・・」


『求めていないのか』


化物は返答をしなかった。


『求めないのなら去るがいい。出口はそこだ』


「・・・・・・」


化物が尾の先で示した場所に扉らしきものがあった。


『そこを開ければ肉体は目が覚める』


それを言うと化物は目を閉じ眠り始めた。


「・・・まって・・・」


『・・・・・・』


「おね・・がい・・・」


『・・・・・・』


「・・・・・・・・・」


リヴァは息を吸った。


腹に力を込めて・・・


思いっきり殴った。


そして、考えるのを止めた。


『・・・・・・・・・何だ』


化物は目を覚ました。


『攻撃しても無駄だ。吾には効かん』


「うる・・・さい・・・」


『・・・・・・』


「私の・・・問いに・・・応え・・ろ」


『・・・・・・』


化物はリヴァの顔へと頭を近づけた。


「勝手に・・・終わる・・・な・・」


『・・・・・・』


「応・・・えろ」


『・・・・・・』


リヴァの赤い目は化物の蒼い目を見続けた。


『・・・わかったわかった。リヴァの問いに答えよう』


化物の口調がいきなり変わった。


『まったくもってめんどくさい。さっさと用件を終わらせたかったのに・・・めんどくさい』


「・・・・・・」


『どうした?何を呆けている。・・・ああ、その拳は大丈夫か?ここが現実ではないにしろ痛みは伴うからな。どれ見せてみろ。・・・あ~これは痛そうだな。治してやる。ほれ』


「・・・・・・」


なに・・・これ・・・?


化物の変わりように思考が追いつかないでいた。


『どうした。まだ痛む場所があるのか?』


「・・・・・・」


『・・・ああ。混乱してるのか。まったくこれくらいの事で・・・めんどくさい』


リヴァが落ち着くまで大人しく待つ事にする事にした。





『落ち着いたか?』


リヴァは無言で頷いた。


『吾に聞きたい事とはなんだ?』


「・・・私の・・中に・・・なんで・・・いる」


『違うな。吾の中にリヴァはいるのだよ』


「・・・え?」


『リヴァの中に吾はいるし、吾の中にリヴァはいる』


「意味が・・・わから・・ない・・・」


『だろうな』


「説明・・・して」


『・・・めんどくさいな。・・・仕方ない。少し長くなるがいいか?』


「・・・うん」


『吾の肉体は存在している。魂だけがここにいる。だが、魂だけでは肉体を作ることは出来ない。ではどうするか、・・・宿すのさ。吾の魂を入れても大丈夫な肉体に。だけど、宿すだけでは駄目。いつ吾がその肉体を壊し、自分の肉体に戻るかもしれないからな。では、それを防ぐにはどうすればいいか解るか?・・・解らないだろう。・・・簡単だ。その肉体に吾の名を付けて縛ればいい。そうすれば吾の魂はその肉体と同一し壊す事が出来なくなる。話を聞いていると誰でも出来そうだと感じるだろう。だが、それが出来るのは吾と同等の力を持つ者かそれ以上の者でないと出来ないことだ。・・・壊したらどうなるかだと?もちろん死ぬ。吾の魂もリヴァの肉体も魂もだ。その逆も同じという事だ。吾の中にリヴァの魂は存在し、リヴァの魂の中に吾は存在する。それが問いに対する答え』


長々と話した化物は大きな欠伸をし


『他に聞きたいことはあるか?』


「・・・誰が・・・やったの・・・」


『わからん。封印されていたから覚えていない』


「封印・・・?」


『そうだ。吾の体は封印されている。少々悪さをしすぎて封じられたんだよ。たかが大陸の一つや二つ沈めただけで・・・。まったく酷いと思わないか?』


「・・・思わない」


『・・・それで他にはあるのか?』


「・・・一体・・・何者」


『それは先ほども言っただろう。吾の名はレヴィアタン。またはリヴァイアサンだ』


「・・・それって・・・何?」


『・・・知らないのか?』


「・・・うん・・・」


『・・・・・・吾は悪魔だ。七大悪魔の一柱で海に潜む魔海神と言われている。どんな攻撃もこの体に纏っている鱗は弾き傷一つ付ける事は出来ない。お前の体にもそれは影響しているはず』


「・・・・・・」


リヴァは化物の言った言葉を聞いて今まで自分の体が怪我をした事がない事に気がついた。


「化物・・・のおかげ・・・か・・・」


『おいおい化物は止めてほしいね。名前があるんだ。名で呼んでくれ』


「・・・・・・レヴィ」


『それでいい。今度からはそう呼ぶように』


「・・・わかった」


『他はあるのか?』


「・・・・・・」


『もうないならあそこの扉から帰ればいい。そうしたら目が覚める』


「・・・・・・あ」


『どうした?あるのか?』


「力を・・・求める・・・って・・・」


『リヴァ。今自分がどういう状況だったか覚えてるか?』


「・・・うん」


『お前の声は吾にも届いていた。守る力がほしいのではないのか?』


「・・・ほしい」


『なら力を貸そう』


「・・・どう・・やって・・・」


『簡単だ。吾と契約すればいい』


「けい・・やく・・・?」


『そうだ。安心しろ命はとらん。ただリヴァの左目を吾の目と入れ替える。そうすれば吾の力を使う事ができ、あいつを倒すことも出来る』


「私の・・・目・・・」


『そうだ。悪魔と契約するんだ。代償を払わないと契約は出来ない。一瞬で終わるし痛みはない。どうする?』


軽い口調で言っているが内容は軽くない。


「・・・・・・」


『考えてもいいが、そろそろ時間はないと思うぞ』


「どういう・・・こと・・・」


『今あいつと戦っている男がいるが、・・・・・・もうすぐ死ぬ』


「・・・え」


『仲間かどうか知らないが、助けたいなら早くしたほうがいいな』


「・・・・・・・・・・・・わかった。契約・・・・・・する」


『では、その左目は貰う。変わりに吾の左目をリヴァに移そう。・・・吾の目を見よ』


「・・・・・・」


『・・・いくぞ』

次話は来週の土曜日AM9:00頃に投稿させて頂きます。

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