戦いに飢えるおに 5
「・・・・・・」
・・・勝てな・・・かった。
もう・・・動か・・・ない。
いしき・・・も・・・。
まもれ・・・な・・・。
「・・・・・・」
鎧と盾がボロボロだな。
これはもう修復が無理だな。
でも、
よくあの攻撃を受けて体が無事だな。
意識はないけど。
鎧と盾がかなりの優れものだったのか・・・。
それとも・・・
リヴァの体が・・・か・・・。
「よいしょっと」
カルロはリヴァを優しく抱き上げる。
「・・・軽いな」
あんな重装備だったからてっきり鍛え上げているんだと思ったな。
こんな小柄な体にどんな力があるんだ?
意識を取り戻したら聞いてみたいな。
・・・嫌われてるんだった俺・・・。
「準備はまだかかりそうかい?」
後ろからローが声をかけてきた。
「・・・ああ。もう少し待ってくれる?」
こいつ、あの距離を一跳びかよ・・・。
どんなパワーだよ、まじで異常だな・・・。
「いいぜ。・・・こいつは驚いた」
「何がだよ」
「リヴァの体だ。手加減はしたが・・・しすぎたか?」
「・・・・・・」
・・・確かに。
綺麗な体をしているな。
傷や骨折をした箇所が見当たらない。
「・・・ここら辺でいいかな。リヴァ休んどいてくれ」
考えても、わからないものはわからん。
だから今は・・・。
「なぁ。ロー」
「どうした」
「自分が今スゲー充実してる時ってどんな時?」
「・・・はぁ?」
「だからさ。充実してる時だよ」
「それ、今応えないといけないことか?」
「ああ。とても重要だからな」
「そうか。・・・そうだな、やっぱ戦ってる時だな。あの命の削り合いが最高にたまらんな」
「なるほどね」
「お前さんはどうなんだ?」
「俺は掃除をしているときだね♪」
「そうじ?」
「ああ。掃除はいいよ~。すればするほど綺麗になっていく感じがね。特に汚れがひどいのや、落ちに雲のが取れたときの達成感が最高だね」
「変わり者だな。お前さんは」
「よく言われるよ。俺はそう思ったことはないけどね。それでさ、今ものすごく掃除がしたい気分なんだよなぁ~。目の前にこんな大きなゴミがあるからさ」
刃先がボロボロになった剣をローに向ける。
「・・・・・・」
「どうやったら綺麗になるか悩んでるんだよ」
「・・・ククク。ハハハ。アーハッハッハッハ!!」
ローは腹を抱え笑い始めた。
その笑い声しばらく終わらなかった。
「ぁ~笑った笑った!いやぁ~シシスが気に掛けるわけだな。納得だ!」
「・・・・・・」
「俺をゴミ呼ばわりした奴はあんたが始めてだ。いや、今後もあんただけだな!!」
笑顔だった表情が消えた。
「・・・命は惜しくないんだな?」
「死ぬつもりはないから大丈夫」
「大した自信だ。それに、いい目をしてやがるな。・・・気に入った。」
ローは息を吸い大声で言った。
「なぁシシス!いるかわからねぇが言っておくぞ!俺は今からカルロと戦う。命の保障はゼロだ。止めたかったら出て来い!五秒待つ!!」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「どうやら了承のようだな」
「そうらしいね」
「じゃあ始めようか」
「ちょっと待った」
「何だ」
「ここじゃあ駄目だ。リヴァがいる」
「おっと、そうだったな。さすがに他の奴を巻き込んでやるのは無粋だな」
「さっきの場所に戻ろう」
「いいぜ」
「準備はいいかい?」
「ああ。いつでもいいよ」
・・・さっきまでとは雰囲気が変わりやがったな。
楽しみだ。
「なら俺から行くぜ!!」
ローの大きな拳が俺の顔へと向かってきたのを避ける。
避けた所に蹴りが放たれるが避ける。
「おいおい。何もしてこないのかい?」
「いや、もうしてるけど」
「あぁん?」
「自分の腕と脚見てみろよ」
「・・・・・・へぇ~」
いつの間にやったんだ?
痛みが全く感じなかったぜ・・・。
それに、・・・久しぶりに見たな。
自分の傷口を。
「どうやったんだ?」
「これで」
カルロは刃先のボロボロになった剣を見せた。
次話は来週の土曜日AM9:00に投稿します。




