戦いに飢えるおに 4
カルロの声が聞こえた。
まさか、まだ生きているのか?
いや、あれを直撃したんだ。
体を見ても無傷ではない。
火傷の後も・・・。
・・・火傷・・・?
「ック!!」
まだ体の痺れが抜け切れていない・・・!
ローはまだ倒れたままだ。
動け!早く動いてくれ!!私の体!!!
「いい攻撃だったぜ」
「!!?」
倒れているローがゆっくりと起き上がった。
「ホロイドが気に入るわけだ。まさか相性の悪い魔法でここまでくらわすなんてな」
「あ~あ。折角書いた円が消えてなくなってるな。・・・ま、いっか。こっからはルール変更すればいいしな」
「・・・どうする気だ」
「何、簡単だ。どっちかが倒れるまで戦うだけだ」
「・・・・・・」
「さて、俺はさっきの攻撃の御かげで体が解れていい具合になったからな。・・・加減がちょっと難しくなった。簡単に死ぬなよ。ってか死ぬな。ホロイドにどやされるからな」
体がまだ動かない・・・!
「じゃあ行くぜ!!」
ローは拳をルシに振りかざした。
・・・ここまで・・か・・・。
「・・・させない・・・」
「・・・え?」
ローの拳をリヴァは盾で受け止めた。
「お!帰ってきたか」
「・・・お前の・・・相手は・・・私」
「リヴァ!」
「ルシ・・・様は・・・逃げ・・・て・・・」
リヴァは力を込め、ローの拳を弾き返した。
「ぬおっ!」
「・・・加速」
球体になってローにぶつかる。
「リヴァ!」
「ルシ!無事か!?」
カルロが急いで駆けつけてきた。
「リヴァの御かげだ」
「そうか。ちょっとここから離れるぞ」
ルシを担ぎ戦線を離脱した。
「ここなら大丈夫だ。ルシはそこで少し休んでおけ」
「・・・すまない」
「気にするんなよ」
「それよりなぜあの時まだローが動けるとわかったんだ」
「・・・ほら」
カルロは自分の剣を渡してきた。
「・・・・・・これは」
「刃先がボロボロだろ?」
今まで刃こぼれした事がなかったがボロボロになっていた。
「これじゃあこの剣はもう使えないな」
「なぜこうなったんだ?」
「ローの体を切りつけただろ。あの時だ。俺は切りつけたと思っていたけど、血が出なかった。それ以前に傷一つついていない」
「・・・どれほど頑丈なんだあいつの体は・・・」
「多分だけどルシの剣も駄目になってると思うぞ」
「・・・そうだろうな。すまない。私は参戦出来そうにない」
「ああ。後はまかせておいてくれ」
「お前も剣はないだろう」
「大丈夫だ。まだ使える。それと風魔法があるから。なんとかなる」
「・・・そうか。なら頼んだ」
「まかされましたっと」
軽く手を振りながら戻っていった。
「・・・・・・」
「軽い軽い!!」
「・・・・・・ッ」
「今度は俺からだな!!オラァ!!」
「・・・・・・ック」
盾で防ぐが衝撃が体中に響き渡る。
その衝撃はリヴァだけでなく周りの空間は歪み、地面も揺れている。
「どうしたどうした!!防戦一方になっているぞ」
盾を殴る速度と重さが増していく。
「・・・・・・・・・」
「何だ。反撃はなしか。・・・つまらん。なら、これで終わりだ!!」
「(・・・・・・いま)」
大きく振りかぶった拳をタイミングを合わせ、盾で軌道をずらし、ローの体勢を崩させた。
「ぬおっ!!?」
透きだらけになった体にリヴァはカウンターを入れる。
・・・はずだったが、
―――ズン!!―――
「!!?」
急に体が中に浮いた。
「な・・・に・・・」
・・・違う。
飛んで・・・る・・・。
「おっと。すまねぇな。つい足に力が入っちまった」
空に飛ばされたリヴァにローは見上げて言った。
リヴァは自分のいた地面を見た。
地面は盛り上がっている。
先ほどの音はこれだった。
そしてローの足はめり込んでいた。
「・・・バケ・・・モノ・・・」
反撃をする事が出来ないリヴァの最後の反撃。
「じゃあなリヴァ。中々楽しめたぜ!」
空から落ちてくるリヴァに合わせて大地を踏み腰の重心を下げて捻り、右腕に力を込め、そして・・・
「・・・ビックバン!!!」
リヴァの盾目掛けて放った拳は、分厚い盾を砕き、身に纏っている鎧をも半壊させ吹き飛ばした。
「・・・思ったより硬かったな。もうちょい(力を)入れてもよかったか・・・」
呑気な事を言っているが、周囲の大地はローを中心にクレータのように穴が開いていた。
「・・・さてっと。・・・そっちか」
ローは跳んだ。
次話は、来週の土曜日のAM9:00頃に投稿させて貰います。




