戦いに飢えるおに 3
「・・・・・・ハァ~・・・」
「溜息を吐くな」
「もう立ち直れない」
「気をしっかり持て」
「俺のすべてを否定されたんだぞ。穢れもない真っ白な心を持っているのに」
「自分で言うのはどうかと思うが・・・まずは」
「・・・何だよ」
「こいつをどうにかしないと駄目だ」
「・・・・・・あ~・・・」
「ん?話は終わったのか?」
いつの間にか着いてたんだな。
「ああ。後で話す事にするよ」
「そうかい。中々面白い話だったんだがな」
人の不幸を聞いて面白いとか最低の奴だな。
「で?何のようだい。俺は今チビ・・・じゃなかったな。リヴァと楽しんでんだ。見逃してやるからどこかに行きな」
「それは無理だ。私達がリヴァの代わりに相手をする」
ローは二人を見る。
「・・・あんたらの名は?」
「私はルシ。白騎士第一部隊隊長だ」
「カルロで~す」
二人の名を聞きにやけだした。
「へぇ~・・・あんたらがカルロとルシか・・・。シシスの言う通りになったな」
「あいつも来てるのか?」
もしいるんだったら面倒な上にきつい戦いになるな・・・。
前みたいに参戦してくれなければいいんだが・・・。
「ああ。来てる・・・・・・と思うぜ」
歯切れの悪い応え方をした。
「曖昧だな。確信がないのか?」
「仕方ないだろ。あいつの気配は感じないんだよ。だけど、いないのにいる事もあるからな。もしかしたら近くで見ているかもな」
仲間にも情報を教えないか。用意周到なことで・・・。
「それで、どっちから先に俺とやるんだい?両方でも俺はいいぜ」
「どうする?ルシ」
「・・・カルロ。一緒に行こう。単独で挑んでも勝てる相手ではないはずだ」
「・・・そうだな。一人じゃ正直厳しいな。ということだ二人で行かせてもらうよ」
「おう!いいぜ。・・・俺の名を名乗ってなかったな。俺は」
「ローだろ。ゼルから聞いた」
「ならこの戦いの勝利条件も聞いてるよな?」
「ああ。もちろん」
「良し!!なら来いや!!」
ローは仁王立ちをする。
ルシに視線を送る。
「・・・・・・」
ルシは無言で頷いてくれた。
いや~勘がいい奴と組むと楽でいいね♪
「なら遠慮なく行きますか」
同じタイミングで動き出す。
右がルシで俺が左。
さて、ローはどっちに反応するかな。
ルシが詠唱をし始めた。
・・・・・・ルシに目が入ったな。
俺はローの視線がルシに向いているのを確認し、速度上昇の魔法を唱え一瞬で距離を詰めた。
「お前いつの間に!」
ローは一瞬で目の前に来た俺に驚いていた。
「驚いてくれてありがとさん。じゃあこれはお礼だ!!」
華麗な連劇でローの体を切りつける。
我ながら繊細で美しい剣技だ。
「・・・くそが!!」
ローが拳を握り反撃をしてきた。
・・・が、そんな攻撃が俺に当たる筈がない。
逆にその隙だらけになった横腹にカウンターしてあげよう。
「ガッ!!」
見事に決まり、ローの動きが止まる。
けど、それはほんの数秒だった。
「・・・今のはちょいと効いたぜ。お前、中々やるねぇ~。」
嬉しそうな顔をして再び拳で反撃をし始める。
俺はその反撃をカウンターで返し続ける。
にしても、どれだけの威力だこの拳は・・・。
ものすごい風を切る音がしてるぞ。
こんなのまともに受けたら木端微塵だな。
・・・想像したら吐き気が・・・。
・・・考えるのはよそう・・・。
それより、もうそろそろか・・・。
俺はローから距離をとった。
「どうした?せっかく楽しくなってきたのによ」
「すぐにわかるよ。なぁルシ」
「・・・ああ」
ローはルシの方を見ると、ルシは剣に魔力を注ぎ終わっていた。
青く光バチバチと音が鳴っている。
・・・ん?
ルシの体の周りも青白いような気が・・・。
風に運ばれた草の葉がルシの方へと近づく。
―――ジュ―――
一瞬で燃え尽きた。
「あの~ルシさん。・・・最初から全力ですか?」
「ああ。そのつもりだ」
ルシはローに突っ込む。
「カルロ離れていろ」
「馬鹿!それやるならもっと早く言え!!」
俺は全力でルシとローの場所から遠ざかった。
凄まじい爆発音が響いた。
あいつの衝撃波ほどではないが、結構な威力だな。
念の為魔法壁張っておいて正解だったな。
御かげで地に刺した剣の切先だけ汚れただけで済んだぜ。
・・・・・・・・・。
「ルシ!今すぐそいつから離れろ!!死ぬぞ!!」
俺はらしくもなく大声で叫んだ。
今ある魔力を全力開放した。
大地の焼ける臭い。
地面がめり込んでいる。
その中心にはローが倒れいる。
「・・・・・・ふぅ」
カルロの御かげでうまくいった。
体はまだ痺れて、動かすことは出来ない・・・か・・・。
立っているのがやっとだな。
もっと鍛錬をしないといけないな。
しかし、なんて頑丈なんだこいつは・・・。
所々火傷のような後はあるが他に損傷がないとはな。
普通なら跡形もなくなくなってしまうんだがな。
「ルシ!今すぐそいつから離れろ!!死ぬぞ!!」




