戦いに飢えるおに 2
「さあ来いや!!」
球体となったリヴァをローは受け止める。
「ぬぅおおおおおおおお!!!」
「・・・・・・・・・」
ジリジリと後退し始めるローの体。
・・・だったが、
「ぬぅん!!」
地面に足をめり込ませ、足場を固定した。
「・・・・・っく」
徐々に回転速度を失い、リヴァは止まった。
「・・・おしかったな」
ローはリヴァを放り投げた。
「・・・なぜ・・・殺さ・・・ない・・・」
「楽しみがなくなるからだ。おら来いよ。まだまだ動けんだろ」
「・・・・・・」
再び球体となって回転速度を上げる。
「あ?またそれか。・・・まぁいいけどよ」
「・・・・・・・・・」
「今度はもうちっと強めで頼むぜ!」
「・・・・・・・・・・・・」
もっと・・・もっと・・・上げる・・・。
「ゼル」
「ルシとカルロか。無事だったんだな」
「ああ。カルロの御かげでな」
「あんたはどうなんだ?あいつに守ってもらってたけど」
「ああ。私はリヴァの御かげで助かったよ」
「そうかい。で、今リヴァと戦っているオーガがボスってわけか」
「オーガではなく『おに』だそうだ」
「おに?」
「遠くの国で呼ばれている名だそうだ。そして名前はローだ」
「へぇ~。中々礼儀正しい奴だな」
「カルロ。呑気にしている場合ではないぞ。私達も加勢しよう」
「そうだな。・・・あんたはどうするんだ?」
「・・・私では何も役に立たない。頼む。リヴァを・・・止めてくれ」
「わかってるよ。あいつ一人だけじゃあ死ぬだけだしな。そんな事させないよ」
「・・・・・・・・・」
「おいカルロ!リヴァが危ない!!」
「あ、ちょっ・・・わかった!!」
二人はリヴァの方へ向かう。
・・・その途中
「・・・俺、本当に行ってもいいのかな?」
急に足を止めたカルロ。
「いきなり何を言っている」
「いや、だって俺嫌われてるし」
「そんなことを気にするお前ではないだろう。」
「いや結構これがきにしてるんだよ。・・・泣かせたし・・・」
「だったら尚更行って汚名返上してこい」
「そ、そうだな。・・・うんそうしよう」
気にしてたのは本当だったのか。
今度からは少し気にかけてやるか。
ルシとカルロはリヴァの加勢に向かった。
これ・・・なら・・・。
高速で回転する中でリヴァは集中する。
「・・・ロック・・・」
盾と盾の隙間を完全になくした。
「もっと・・・重・・・く・・・・・・グラビ・・・」
自身の重力の魔法を掛け重さを上げる。
「・・・・・・まだ・・・いけ・・・る・・・」
完全な球体になり、重さも増やし、さらに回転数を上げる。
「今度のは中々強そうじゃねぇか」
リヴァの攻撃が来るのをまだかまだかと待ちわびているロー。
「・・・・・・発射・・・」
勢い良く球体は発射された。
ローはそれをしっかりと見極め掴んで止めようようと手を構える。
「・・・かい・・・じょ・・・」
「ぬお!?」
リヴァは重力の魔法を突如解除することにより球体の速度は上昇し、ローの手を逃れた。
「・・・グラ・・・ビ・・・」
そしてローに衝突する瞬間、再び重力を発動した。
「ガハッ!!」
ローの口から血が吐き出される。
一歩ずつ円の外へ後退して行く。
あと・・・3・・・2・・・1・・・。
「・・・・・・え?」
最後の一歩の足が宙に浮いて止まった。
「・・・ハハハ」
「!!」
「・・・カハッ!・・・・・・いいねぇ~。最高だ。今の一撃!」
吐血しながらも喜び、笑っている。
「同じ攻撃と思い込ませ、油断を誘ったいい一撃だ。・・・が!ほしかったな。俺はもっと強くと言ったのによ。そしたら手前の勝ちだったのにな」
リヴァを片手で掴み。力強く大地を踏み
「これくらいの威力で来いや!!」
勢いよく投げた。
「・・・ぐっ・・・」
自身がつけた速さとは比べ物にならない速さと掛かるGで動きがとれない。
「カルロ避けろ!!」
この・・・声は・・・ルシ・・・様・・・。
「何をしている。避けろ!!」
「いや、これは無理だわ」
・・・まさか・・・
「避けれないわ・・・」
なら・・・私が・・・
進路を変えようと試みるが、力が入らない。
ぶつ・・・か・・・る・・・。
「・・・だから止めてみるわ」
な・・・に・・・?
止める・・・き・・・なの・・・か・・・。
むり・・・だ・・・。
「それに中にはリヴァがいるからな。こっちの方が安全だろ」
カルロは鞘のついた剣を構え球体になっているリヴァを正面から受け止めた。
草と土を抉る音が聞こえる。
その音でカルロが後ろへ後退しているのを感じ取る。
むり・・・だ・・・。
剣ごときで凌げる威力と重さではないことをリヴァは理解していた。
そして、カルロもそれを理解しているはずと・・・。
「・・・むむむ」
逃げ・・・て・・・。
「・・・・・・」
・・・え?。
速度・・・が、落ちて・・・きてる?
「・・・・・・ふ~・・・」
球体が止まった。
「お~い無事か~」
少しして、盾の中からリヴァがでてきた。
「大丈夫か?」
「・・・・・・」
「・・・あ~その・・・まだ怒って・・・る?」
「・・・邪魔」
リヴァはカルロをどかしふらつく足で歩き始める。
「無理するな。限界だろ」
「・・・うるさい・・・お前の・・・指示は・・・うけ・・・ない」
「俺の何が気に入らないんだよ」
「・・・・・・すべて」
「・・・・・・・・・」
「無事だったか」
ルシが駆け寄る。
「・・・はい」
「そうか。・・・リヴァ、少し休んでいろ。後は私達で食い止める」
「・・・・・・はい」
「いい子だ。カルロ行くぞ。・・・カルロ?」
「・・・あ、ああ・・・うん・・・」
次は来週の土曜AM9:00に投降します。




