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お前が、勇、者なんて・・・みと、めない

「予定より少し早めに到着したな」


「ハァー・・・ハァー・・・」


「どうかしたのか?」


「お・・・おまえな・・・つかれて、ない・・・のか?」


「まったく疲れてないな」


「あ・・・ありえん」


生まれたての小鹿のように足がプルプル震えているカルロ。


対してルシは息一つ乱れてなく立っていた。


「・・・クゥ~ン」


ウォルも舌を出し伏せていた。


「情けないぞ鍛錬を怠っている証拠だ」


「・・・俺は、無駄な・・・鍛錬をした・・くないんだよ」


「無駄とは失礼だな。鍛錬に無駄はないぞ」


「早い到着だったな」


二人の会話中に男と鎧で覆われた人物が現れた。


「ゼルか。すまない。遅くなった」


「そんな事はない。本当に早い到着だったな。それより、彼は大丈夫なのか?ひどく疲れているが」


「み・・・みず・・・」


「水か、これを飲むといい」


そう言ってゼルは水を差し出した。


「・・・ろ過・・・してるのじゃ・・ないと・・嫌だ」


「我侭を言うな。いいから飲め」


ルシはカルロの頬を手で掴み無理やり口を開けさせた。


「や・・・やめ・・ろ!」




「か、体が・・・」


「ただ水を飲んだだけではないか」


「不衛生な水を飲まされたせいで俺の清らかな体の細胞が蝕まれる」


「・・・ふざけたことを」


「ふざけてなんかないやい!」


「子供みたいなことを言うな」


「少年の心を忘れない清い心の持ち主。それが俺」


「・・・気持ち悪いぞ」


二人の言い合いを見ながらゼルは笑いながら


「面白いな」


「そうで、しょうか・・・」


リヴァは興味がないと言った口調で返答した。


そして、リヴァはルシの方へと近づいていった。


ルシは自分に近づいてきた人物に目をやった。


「始めまして。副隊長のリヴァ、です」


リヴァは深々とお辞儀をし敬礼をした。


「第一白騎士部隊隊長のルシだ。よろしくな」


「・・・光栄です」


「ああ、あとこいつはカルロだ。こんな感じだが勇者だ」


「ど~も~」


カルロは軽く手を挙げ挨拶のをした。


「あなたが、勇、者ですか・・・」


「まぁな」


「・・・・・・」


リヴァはカルロに近づく。


「・・・あ、あの~近いんですけど・・・」


カルロの目の前にはリヴァの鎧が目一杯広がっているほど近くにいた。


「・・・信じ、られない、です」


「・・・ん?」


「何で、こいつが勇者、なの」


「リヴァ。止めるんだ」


「・・・・・・はい」


リヴァはゼルの隣へと戻っていった。


「すまない」


ゼルはカルロに謝罪をした。


「あ~いいよ別に。気にしてないしね」


「そうか・・・。そう言えばまだ自己紹介をしていなかったな。私は白騎士第六部隊隊長のゼルだ。我が部隊守りの部隊。如何様な攻撃でも崩す事が出来ない守りが特徴だ」


カルロに手を差し伸べる。


「なるほど。守りの部隊か。カルロだ。よろしく。それと悪いけど消毒されてない手で握手は出来ない」


「失礼な、奴」


「よすんだリヴァ。それはすまなかった。では、早速ですまないが作戦を話しておきたいからついて来てくれるか」


「わかった」


ルシはゼルの後を着いていくがカルロはその場を動いてなかった。


「どうした?」


ゼルが聞いてきた。


「なぁ。宿ってどこでとってるんだ?」


「?。それならここから真っ直ぐ行って噴水のある所右に曲がった所だ」


そう言うとカルロは言われたとおりの方向へと向かいだした。


「じゃ、俺は宿で休ませてもらうよ」


「おいカルロ。作戦はどうする」


「ん~・・・俺には関係ないからパ~ス。ウォルも行くぞ。俺が綺麗に洗ってやるよ」


「ワン♪」


『・・・・・・』


二人が呆然と見ている中ルシは深いため息をし


「すまない。ゼル。リヴァ。あいつはこういう奴なんだ」


「いいさ。それより彼は飽きがこなくて実に面白い。見たのはあの試合だったからな。もっと堅実な人だと思っていたよ」


「・・・すまない。後でしっかりと言い聞かせる」


「気にするな。それよりも急ごう」


「そうだな」


ルシとゼルは歩き出した。


「・・・・・・・・・」


しばらくカルロの方を見つめ、少し遅れてリヴァも二人の後を歩き出した。





その日の夜


―――コンコン―――


「誰だ?」


ルシとカルロがいる部屋のドアがノックされた。


「・・・リヴァ、です」


「リヴァか。どうぞ」


ルシがそう言うとドアが開きリヴァが入ってきた。


「・・・・・・」


リヴァは昼に会った時と同じ、全身鎧を身に纏っていた。


「鎧は脱がないのか?」


ルシがそう尋ねるとリヴァは黙って頷いた。


「そうか。それより何か用があって来たのだろう?」


そう言うとリヴァは黙ってカルロの方へと近づいていった。


カルロは自分の身の回りの掃除と鎧と武器の掃除に精をだしていた。


「フンフンフフ~ン♪」


しかも鼻歌を歌いながら上機嫌に。


「・・・・・・」


そんなカルロ黙って見つめるリヴァ。


「おいカルロ。掃除を止めないか。リヴァが話があるらしいぞ」


「ん?俺に」


カルロは掃除をしている手を止めリヴァの方へと体を向けた。


「俺に何か用?」


「・・・・・・」


「?。どうした。何かあったのか?」


「・・・・・・」


「あ!わかった。俺にその防具の手入れをしてほしいんだな」


「・・・・・・ろ」


「いや~実は始めてあった時から気になってたんだよな。結構使い込まれてるからあちこち傷とか汚れが目に付いてさ。掃除のしがいがありそうなぁ~って」


「・・・・・・しろ」


「で?どういった感じがいい。この油を使う?それともこの粉末をつけてから擦って仕上げる?」


―――ドン!!―――


突然と音が鳴り響いた。


リヴァが両腕に装着している自身よりも遥かに大きい半円の大盾床に叩きつけた。


「・・・・・・」


それいよりカルロは黙った。


「私と・・・勝負・・しろ」


リヴァはそう言った。

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