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遠回りをしたがこれでやっと・・・

「・・・・・・」


静まり返る戦場。


「あの、隊長・・・」


「・・・・・・」


無数にいた魔物の群れの姿は見当たらなくなり、声も消えていた。


「隊長」


「・・・・・・」


サイは能力を使って見渡す。


いない。


敵一人見当たらなくなっている。


あるのは死体のみ。


本当に一人で殲滅したのか・・・。


「隊長!」


部下の力強い声で我に返る。


「あ、ああどうした」


「敵の声や気配は感じませんがどうしたらいいでしょうか」


「・・・ルシの所へ向かう。皆は念のためここで防衛を頼む」


「っは!!」


サイは西門へと向かった。





「後はあんただけだ」


カルロはゆっくりと最後の一人となった魔物へと近づく。


「ク・・・クルナ」


魔物は怯え、戦う気力を失っていた。


カルロが一歩近づくと魔物は一歩さがる。


そして、壁に追い込まれた。


「タ、タスケテ・・・」


命乞いをする魔物。


「・・・助かりのか?」


無言で頷く。


「そうだな。俺も正直言うと、もう殺しつかれた」


カルロを囲んでいた魔物達は無残に切り刻まれ、地面と一体化していた。


その風景は一言で言うと、残酷な風景だった。


「なら俺の言うことに応えてくれたら逃がしてやるよ」


「コタエル!ナンデモイウ!!」


己の命が助かると知って声が大きくなる。


「お前らのボスはどこにいる」


カルロは質問した。


「ボ、ボスハ・・・エ?」


魔物は応えようとした時


壁から剣が貫通し魔物の胸を一刺ししていた。


魔物はその一刺しで命を亡くした。


「・・・まだいたのかよ・・・」


殺された魔物の事など放ってうんざりした感じでぼやく。


「でてこいよ。相手してやる」


カルロは構える。


「・・・戦う意思はない」


「!!?」


自分の後ろから声がした。


すぐさま距離をとる。


「安心しろ。戦う意思はないといったはずだ」


カルロにそう言う人物は黒い鎧を身に纏っていた。


「・・・・・・」


こいつ。


いつの間に俺の後ろを取りやがった。


・・・強いな。


「そんなに身構えないでいい。お互い楽にしよう」


「何で殺したんだ」


「殺したって・・・ああこれかい?」


そこら辺のゴミを見るよな感じで自分が刺した魔物を見る。


「こいつはお前の仲間じゃないのか?」


「そうだな。だが、敵に命乞いをする奴は違う」


「手厳しいな」


「当たり前の事だ。君がその立場だったとしてもそうしたはずだ」


「・・・・・・」


「それにしても、見ていたよ。手際がいいな。あれだけの数を一瞬で・・・」


見えてたのか。


こいつ相当ヤベーな・・・。


「無駄な力は一切使わず斬り殺す。しかもその斬り方も綺麗だ。動きにも無駄なく最小限の動きで翻弄する。素晴らしい才能だ」


「・・・・・・」


「しかし、一番驚いたのは・・・居合いだ」


「・・・・・・」


「最初見たときは魔力か何かしらの能力かと思ったが・・・よくあんな技を会得したな」


「どうも」


「本当は今すぐ君と戦いたいが、今回は別件でな。・・・仲間を連れ戻しにいかないといけなくてな」


「仲間ってどいつだよ」


「君もさがしている奴だ。・・・ここのボスだよ」


「・・・なんだと」


「本来ここは君らに譲るはずだったんだがね・・・。あいつは暇が嫌いでね。少し目を放した隙にこうなってしまった。すまない」


そう言って黒騎士は軽く会釈をして謝った。


「で、どうする?一緒に来るかい?」


「信用できないな」


「そうだろうね。・・・だけどいいのかい?君の仲間がどうなっても」


「・・・どういう意味だ」


「そのままの意味だ。あいつはね遊び道具を見つけると羽目を外す癖があってね。早くしないと死ぬかもしれないぞ」


「・・・・・・」


「どうする。時間はないぞ」


「・・・わかった」


「いい返事だ。それでは行こうか。そうだ。自己紹介をしてなかったな。シシスだ。君らの敵だ」


シシスと名乗った黒騎士は手を差し出した。


「・・・カルロだ」


カルロはそう言うと手を差し出さなかった。


「・・・あれ?人間はこういう時はお互い手を差し出して握手するのではないのか?」


「いや、するけど」


「ではなぜだ?」


「・・・汚い手で握手はしたくないな」


「・・・・・・」


「あ、おい待てよ。何か変な事でも言ったか?ちょ、お~い!」


「よかったな。一時休戦で。そうでなかったら殺している所だよ」


「今何か言ったか?」


「何も。さあ行こうか」


カルロはシシスと共に要塞へと戻った。





「ハァ・・・ハァ・・・」


ルシは肩で息をしながら呼吸を整えている。


目の前には化物の死体がある。


「すごいすごい!!」


ホロイドは手を叩いて拍手した。


「お姉ちゃんすごいね!一人で倒すなんて!!」


「ハァ・・・ハァ・・・」


力を使いすぎた。


「弱くしといたと言ったけど、人間が一人で勝つなんてさすがだよ」


「・・・嬉しくない・・な・・・」


「そう?もしかして実感がなかったかな?だったらもう少し強くしたのを出してあげるよ!」


まだあるのか・・・。


ホロイドは嬉しそうに袋から一つの骨を取り出した。


「これをこうしてっと」


ホロイドはその骨を地面を置き魔力を注いだ。


暫くするとその骨から生き物が生成された。


その生き物は大きく人の五倍ほどの大きさをもった巨人だった。


「お姉ちゃんが頑張るから一つ教えてあげるね。僕の能力はね死体を動かすだけじゃないんだよ。体の一部からでもそれの元を復元出来るんだ。すごいでしょ」


「お前を倒さない限りこの遊戯は永遠と続くのか」


「そうだね。それか僕が飽きるまでか。お姉ちゃんが死ぬまでかな」


「・・・ゲスが」


「はいは~い。休憩おしまい。じゃあ第三回戦始め~♪」


巨人がゆっくりとルシへと向かってくる。


ルシは剣に雷の魔法を纏う。


巨人の腕が振り下ろされる。


ルシは避け、巨人の腕を上っていき


「焼け死ね」


巨人の頭へと突き刺し、体へ電流を流し込んだ。


「・・・・・・」


「なっ!!」


しかし、巨人はまったく動じていなかった。


攻撃がまったく通じていない。


そのせいで一瞬動きが止まってしまった。


「しまった!」


巨人の大降りな薙ぎ払いがルシに直撃する。


「カ・・・ハ・・・」


吹き飛ばされるルシ。


「ん~ほしかったね。短期決戦で決着をつけようとしたのはいい判断だったけど。弱点を突かないと倒せないよ」


ゆっくりと起き上がるルシだが、剣を杖代わりとしないと立てない状況になっている。


連戦で消耗しきっている体に先ほどの強烈な攻撃。


普通なら死んでいてもおかしくはない。


「よかった。まだ耐えれるんだね」


「じゃくてん・・・とはなんだ」


「ん?教えてほしいの?」


「できれば・・・な・・・」


「いいよ。教えてあげる。それはね―――」


「ルシ大丈夫か!」


後ろから声が聞こえた。


「・・・サイ」


振り向くとサイがこちらに向かってきていた。


「大丈夫か!?」


「ああ。何とか・・・な。それよりもカルロの方は」


「終わったよ。彼一人で敵は殲滅した」


「・・・そうか」


「誰?」


楽しみを邪魔されて不機嫌そうでいるホロイド。


「ここの要塞を任されている白騎士第八部部隊長サイだ」


「ふ~ん。弱そうでつまんないな」


「それなら試してみるか?」


「好きにするといいよ」


「ルシ。君は休んでいてくれ。ここは俺が」


「大丈夫だ。私も・・・」


「無理をしなくていい。今は体を休めていてくれ」


「・・・すまない」


「出来るだけ長引かせるよ」


サイは巨人へと挑みに行った。

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