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俺の計画を邪魔したお前らが悪い

「あらよっと」


カルロは軽々と魔物の攻撃を避け切り倒し奥へと進んでいく。


魔物はカルロの進行を止めようとするが、道幅が狭く周りは仲間達でいるため単身で攻めてくるカルロに思うように攻撃が出来ないでいる。


そんな中カルロはお構いなしに突き進む。


攻めてくる者には容赦なく切り殺すが、そうでない者には何もせずすり抜ける。


「・・・あ~」


不意にカルロがぼやく。


魔物の間をうまくすり抜けながら来ていたが、


「さすがに限界だな」


密集されている魔物の間を抜けるのは容易ではない。


そして、カルロは潔癖症だ。


今までは自身の体に薄く守りの魔法を付けて接触しないようにしていたが、本来の使い方は相手の攻撃から自身を守る為の魔法。


なのだが、それは一方向だけである。


それをカルロは自分になりに改良して体全体に張れるようにし接触しないようにしていた。


潔癖症ならではの発想である。


しかし、この魔法はカルロもまだ完全に扱うことは出来ないでいる。


体全体に張り続けるにはかなりの精神と集中力がいるからだ。


そしてそれが限界に達してきている。


「仕方ないな・・・」


そう言うとカルロはその場で飛び上がった。


足に魔法を掛け飛脚率を上げたカルロ下には、密集している魔物の群れがうようよしていた。


魔物は高く飛び上がったカルロを呆然と眺めていた。


「よし。これで後は・・・っと」


カルロは落ちていく自分の体のバランスをとりながら、


「!!?。グヘ!!」


一匹の魔物の頭を踏みつけた。


「これで楽に進めるな」


踏みつけられた魔物の顔にはカルロの足跡がしっかりと残っていたが、カルロは気にせず次の魔物の頭を踏みつけ進んで行った。


「最初からこうしとけばよかったな~。無駄に魔法使って損したな・・・。この靴もう履けないな」


魔物のうえを走りながらぼやくカルロであった・・・。





「・・・・・・」


「ハァァァア!!」


ルシは死兵となった兵の腕を切り落とす。


すかさず横にいる死兵に横切りをする。


「・・・・・・」


切られた兵は悲鳴一つ上げず倒れる。


しかし、倒してもゆっくりと起き上がる。


「・・・中々面倒だな」


『・・・・・・』


死兵はゆっくりとルシとの間合いを詰めていく。


片腕がない者、両腕がない者、足がない者、胴から下がない者。


普通に四肢満足の者は少なかった。


普通の人なら精神が可笑しくなってしまう状況だがルシは冷静だった。


いや、冷静過ぎていた。


ルシは的確に間合いに入った者達を切り伏せていった。


中には這いつくばって来る者もいた。


しかし、ルシは


「・・・・・・」


―――ザシュ―――


戸惑うことなく脳天を刺した。


血が自分の顔に飛び散り、鎧も所々付着している。


だが、表情は・・・無だった。


生きていた頃は仲間であった者達を躊躇なく斬る。


まるで最初から敵であったかのように。


この光景を他の者が見たら多分、いや確実に恐怖するだろう。


死兵となった仲間にではなく、ルシに対して。


「お~・・・。お姉ちゃんすごいね~♪全部倒したんだ!」


だが、その戦いぶりを楽しんでいる者がいる。


ホロイドは楽しそうにはしゃいでいた。


「・・・貴様もこっちに来たらどうだ。もっと楽しめるぞ」


「そうだね~。行ってもいいけど、多分すぐ終わっちゃうと嫌だからなぁ~」


「ガウ!!」


はしゃいでいるホロイドに横から襲い掛かるウォル。


鋭い牙と爪で飛び掛るが避けられる。


「いいね~。君も僕を楽しませてくれるなんて♪お利口なワンちゃんだね」


敵の攻撃に対して笑顔で喜ぶ。


「ガルルル・・・」


「おいでワンちゃん。怖くないよ~♪・・・大丈夫。すぐに殺したりしないからさ」


「ウォル。戻って来い」


ルシがそう言うと、ウォルはルシの元に戻っていった。


「あ~!ずるいなぁ~!!」


「貴様が言えた事ではないだろう」


「まぁいいさ。だったらもっと楽しませてね♪」


ホロルドは動かなくなった一体の死体に魔力を注ぎ始めた。


その死体はルシによって両手と両足がなくなっていたが、切り口から新しく生え始めた。


その腕と脚は人間のとは違った。


片方の腕植物の根のようなのが幾つも生え、もう片方腕は釜のようになっている。


脚は蛇のようになり地面を這い蹲りながらルシに向かってくる。


「これは・・・」


「どう?おどろいた?僕の魔力をうけた玩具は皆こうなるんだよ。かっこいいでしょ!」


ルシの反応を見て楽しそうに言う。


「今度はちょっとだけ強くしたら。お姉ちゃんとワンちゃん頑張ってね!」


「・・・下衆め」


「それはお姉ちゃんもだよ。よく同じ人種なのにここまでできるよね。尊敬しちゃうよ♪」


「・・・・・・」


「グルルルル」


「そんな怖い目で見ないでほしいな。僕泣いちゃうよ?・・・それよりもほら、僕をもっと楽しませてよ」


ルシの前に人間の原型を留めていない得体の知れない生物が襲い掛かる。





「さて、到着したな」


カルロは敵の頭上を走り砦に到着していた。


「この中にリーダがいるのかな」


後ろ振り返る。


魔物がカルロに向かってきている。


「中に入るか」


カルロは剣を抜き門の扉を一閃した。


「これで開くかな」


扉に手を触れる。


ゆっくりと扉が倒れた。


「よしっと」


砦の中に入ると


「・・・・・・なんだこれ?」


カルロは呆然とした。


そうなるのも仕方がない。なにせ・・・。


砦の中には何もなかったからだ。


外から見たら砦だったのに、中へ入るとなにもない。


魔物の一体もいない。


「まじかよ・・・。無駄骨じゃねぇか・・・」


がっくしと項垂れる。


カルロの作戦ではすばやくこの砦到着し、ここの魔物を統べるリーダーを倒して一気に終わらせようとした作戦だった。


しかし、その作戦は見事に裏切られた。


「せっかくあんなむさ苦しい中を進んできたのに・・・」


項垂れながらブツブツと呟く。


そんなことをしている内に魔物に囲まれてしまった。


先ほどの狭い道ではないので魔物も不利な状況ではなくなった。


「汚れだって今回は我慢したのによ・・・」


そうは言うが、他人からしたらどこが汚れたかまったくわからない。


「おまけに無駄に疲れる魔法は使っちまうし・・・」


それは使った本人が悪い。


徐々にカルロに近づく魔物。


「結局は無意味だったんだな・・・ハハ・・・ハハハ」


薄気味悪い笑い声を上げ始めた。


その不気味さに魔物の動きが止まる。


「ハハハハハ!!!最高だ!最高におもしろいよな!?」


カルロは剣を抜く。


「お前らに一つ言っておくわ」


「俺はな。掃除が大好きだ。」←潔癖症だから


「手間隙かけて綺麗になっていく様が大好きだ」←かなり重症の潔癖症だから


「どこから掃除をしたら効率良く綺麗に出来るか考えるのが好きだ」←大体頭の中の9割はそのことを考えている


「・・・だけどな、一つだけ許せないのがあるんだわ」


「それはな、どれだけ労力をはたいても、結局は無駄に終わってしまうってことだ」←ここからは八つ当たり


カルロの周囲の大気が震え上がる。


「それをお前らのリーダーはそれをやったんだ」←擦り付けである


「その憂さ晴らし付き合ってもらうぞ」←本音


魔物に囲まれていたはずのカルロが一瞬で姿を消した。


辺りを探すが姿が見当たらない。


風が吹く。


囲んでいた半分の魔物が一瞬で切り刻まれる。


『!!?』


倒された魔物はバラバラになっていた。


何が起こったのか状況の判断が出来ないでいる魔物達。


風がまた吹く。


さらにもう半分の魔物が切り刻まれた。


カルロの姿は見当たらない。


しかし、


声は聞こえた。


「お前ら。俺の掃除に付き合えや」

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