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・・・許可したのはいいがここまでやるとはな・・・

「訓練が終わった人から手洗いうがいをしっかりして食事をしていいぞ!」


『了解しました』


「食事が終わったら食器洗いとテーブル、椅子をしっかり拭くようにな」


『はい!』


「それと掃除当番の人が訓練所の清掃をするようにな。俺も手伝う」


『はい!』


「これでよしっと」


「ワン!」


カルロの傍にいつの間にかウォルがいた。


「どうしたウォル?」


「ワンワン!」


「・・・もしかして手伝いたいのか?」


「ワオ~ン!」


その通りというように吠えた。


「そうか。偉いな!じゃああそこでサボってる兵の尻を噛み付いて気合を入れてきてくれないか?」


「ワオ~ン!」


ウォルは元気良く走り去って行った。


あれから一週間が過ぎヲリ要塞はすっかり見違えた。


その代償として兵達の疲労は限界になってしまった。





「サイ。敵はどうだ?」


「ちょっと待ってくれ」


サイとルシは城壁から豆粒状で見える砦を眺めていた。


サイは自身の目を見開き砦の様子を見た。


彼は自身の目が特殊で遠くのものを拡大して見える能力がある。


また、その目は相手の攻撃を先読み出来る力がある。


「・・・増えてるな」


「そうか。では近々攻めてくるか・・・。しかし、やはりその目は便利でいいな」


「偵察向けには打ってつけだからな」


「それもあるが、サイはそれを戦闘でも生かしてるからな」


「この目のおかげでここまでこれたからな」


「相当な鍛錬をしたんだろ?」


「ああ、目でわかっていても体がついてこなくては意味がないからな・・・大変だったよ」


「だがその鍛錬で今がある。私ももっと鍛錬しなくてはな」


「おいおい、君がそんな事すると俺達(白騎士部隊長)は手も足も出なくなってしまうよ。ただでさえ君には皆勝てないのに」


「私もまだまだ未熟だ。もっと鍛錬を積まないとあいつに追いつかんよ」


「・・・カルロはそこまで強いのか?いや、疑ってるわけではないよ。俺も彼の戦いっぷりを見てたしね」


「それを見てどう思った?」


「・・・正直勝てないと判断したよ。この目で見ても彼の動きは読めないし見えなかった・・・」


「そうか・・・。実はあいつと試合していて思ったのだが・・・」


ルシは言葉を詰まらせた。


「どうした?珍しいな君が言葉を詰まらすなんて」


「・・・そうだな。・・・あいつは本気を出していなかった」


「・・・あれでか・・・」


サイは驚きを隠せなかった。


「でも、ルシとの試合は本気でやってるように見えたぞ」


「サイがそう見えたのなら他の部隊長もそう見えたんだろうな。だが、私はそう感じたよ。あれはまだ全力ではないと。それで私はあいつの本気を見てみたくて付き人をしているんだ。だがまだ本気の姿を見たことがない」


「そうか・・・ならこの戦いで見れるといいな」


「・・・ああ」


「・・・それより本当に成功するのかその作戦は?」


「問題ない。あいつなら勝手にやってくれる。私が保証するよ」


自信満々にルシはそう返答した。


「そうでないと困る。カルロが来てから兵達が変わってしまったからな」


心配そうに兵達を見る。


「安心しろ。それもあと少しの辛抱だ」


「そうだといいけどな」


二人は敵の砦を見つめた。





「フンフンフフ~ン♪」


「ご機嫌だなカルロ」


「お、ルシか」


兵舎に続く通路で二人は出くわした。


外は暗い夜空を月が照らしている。


「掃除は捗っているのか?」


「御陰様でな。見てくれよこの生まれ変わった砦を!!」


ルシはあたりを見渡した。


柱は綺麗に磨かれ光っている。


石でできている通路も同様だ。ごみ・埃が一つも落ちていない。


屋根も修復されていたり、新しく塗り替えられている。


「一週間でよく出来たな」


「これくらい俺にとっては朝飯前だ」


「そうか。だがな兵達の疲労は凄まじかったぞ。あまりむちゃな指示はしないでくれ」


「そんな指示出したことないんだけどな・・・」


首を傾げるカルロ。


「そうなのか?兵達から聞いたんだがな」


「う~ん。もしかして・・・」


「心当たりがあるのか?」


「あそこら一体の草抜きが終わるまで休憩も睡眠もなしにしたことかな?いや、この屋根の修復を徹夜でやらせたことか?もしかして、外周の壁の修復をやらせた時か?でも、あれくらいは楽だしなぁ~」


「今お前が口にしたこと全部だな。まだその他にもありそうだな」


「まじかよ。あんなに楽な掃除なのにか?俺なんて各部屋の掃除をしたんだぞ。風魔法で大まかに掃除をした後、天井から床まで上から下へときちんと掃いて拭いてそれが終わったら空拭きをして最後にもう一度風魔法で隅々まで綺麗にしたんだぞ知ってるか?魔法の威力を抑えながら隅々まで掃除する辛さがめちゃくちゃ精神力削られるんだぞまぁ掃除は好きだからまったく苦にはならないけどなどれだけそれができるまで鍛錬したか。それにくらべたら楽だろ?」


「よく息つぎなしで話せるものだな。だがな、それはお前の基準だろ。・・・まったく、もうこのような事は控えろ。あとな・・・」


「まだあるのかよ」


「・・・ウォルをけしかけるのはやめてほしいとの事だ」


「・・・うん。あれは正直すまなかったと思っている。まさかあそこまでするとは思わなかった。ごめん」


「私に謝るな。謝るならその兵に謝れ。話は以上だ」


「むぅ。・・・わかったよ。後は俺一人で出来るくらいしかないからな」


「そうか。今日はもう遅い。掃除は明日にするんだな」


「そうするよ。睡眠不足で疎かにしたくないしな」


「そうだな。ではお休み」


「おやすみー」





「・・・そろそろ頃合かな。さあ~て楽しい楽しいお遊戯の時間だよ♪」


『・・・・・・』


「さあ皆。進軍開始~!!」

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