潔癖症の勇者
森の中。
魔物と一人の男が戦っていた。
―――ブン―――
スカ
―――ブンブン―――
スッス
「ハア・・・ハア・・・」
「気が済んだか~?」
「なぜだ!?・・・なぜあたらん」
「(・・・さすがだな・・・)」
男の倍近くある巨体の魔物。
その手に持っている大きな両刃斧。
魔物の力で振るった両刃斧は木々をなぎ倒し、地面を陥没させたりしていた。
魔物の動きが遅いわけではない。
普通の人間では到底持てるはずがないほどのあれを軽々と振り回している。
子供がぬいぐるみを持って振り回すみたいに。
それをたやすく男は避けている。
武器で受け止めたり受け流しているのではない。
武器は持っているが収めている。
男は本当の意味で攻撃を避けていた。
「お前人語が話せるならもう止めないか?」
男は疲れている魔物近づく。
「わかるだろ?お前の攻撃が当たる気がしないのが。見逃してくれたら殺さないでやるから。ここは引いてくれないか?」
魔物の目の前まで歩み寄った男は無防備状態。
そして、魔物は自身の射程範囲に態々入ってきた男に斧を振り下ろした。
―――ズドン―――
辺りに鈍い音が鳴り響いた。
魔物が男に攻撃をした。
辺りに煙がたち込める。
あれだけ無防備で近づいたんだ。
結果がどうなっても文句は言えないだろう。
・・・魔物もな。
「!!?」
煙が消えめり込んだ地面を見ると押しつぶされた男の姿がなかった。
あの距離で仕留める事が出来ない事に驚いを隠せないでいる魔物。
そして男はどこに消えたのか。
「・・・せっかく汚れないようにやってたのに・・・」
その声は上から聞こえた。
声を聞いて魔物が上を見る。
木の上に男がいた。
砂が付いた鎧を叩いている。
「・・・・・・」
驚きのあまり声も出ずその場に立ちつくす魔物。
―――ザシュ!―――
何かを切る音がした。
いつの間にか魔物が切り刻まれていた。
「・・・・・・」
「あ~これはまた綺麗にしないとな・・・」
男は木から降りて鎧を外し汚れた所を拭き始めた。
「ここも汚れているな・・・あ、ここも・・・」
ブツブツと呟きながら楽しそうに磨いている。
「なあルシ。預けてた鞄から磨き材取ってくれないか?」
身を潜めていた私はあいつの鞄の中から磨き材と取り出しして渡してやった。
「サンキュー♪」
嬉しそうに磨き始める。
「・・・相変わらずだな。どうせ汚れたり壊れたりするのに・・・」
「馬鹿。大事に扱えば長持ちするんだぞ」
「確かに・・・。でもな・・・お前は大事にし過ぎてる。そもそも武器を使った所を見たことがあまりない。それに攻撃を受けたこともないし・・・。それでは宝の持ち腐れだ。・・・それになぜ私に身を潜める用に言った?あれくらいの魔物私一人でも余裕だ」
「それはわかってる。・・・けどお前の場合だと他の所も汚すしすぐに戦闘に持っていくだろ?・・・まぁ俺も結果的にはなってしなったけどな」
「・・・・・・」
「それに使わなくて済むなら使わない方がいい。汚れるし傷がつく。手入れが大変だ」
「それで平和になるんだったら皆そうしてる」
「そうだよな・・・ハァ~・・・。やっぱし勇者なんてやるんじゃなかったな・・・」
「訂正はもう出来ないぞ」
「・・・わかってるよ。俺もやると言った以上やるさ。この世界の大掃除をな」
「その考えは間違いではないけど、お前が言うと別の意味に聞こえてくる・・・」
「どっちも変わらないだろ?出来れば戦いたくないけどな~。・・・さっきの魔物ともな」
「・・・それは優しさか?」
「いや、ただ無闇な戦いは嫌いなだけだ」
「そう言って、実は後の手入れが大変だからじゃないのか」
「・・・・・・」
「・・・まぁいい。先を急ぐぞ。もう少しで村に着くはずだ」
「ちょっと待てよ。まだ汚れた箇所の清掃が終わっt・・・って引っ張るな!汚れる!!」
彼の襟元を引っ張って森の先にある村へと進行した。
作者の春です。
正直言いますと、思いつきで書いてみました。なので文字数も少なめです。
ですが、しっかりと完結させるつもりです。投稿ペースは今の所考えていませんのでバラつきがあると思います。
読んでくれた方で気に入ってくれた人がいたら幸いです。
感想などは随時受け入れるので何かありましたら気兼ねなく送ってください。
ではでは ノシ




