幸せ
これも幸せの形だと思います。
目の前の男の人が、僕の事を抱きしめた。
骨が折れるほど強く、強く。
「愛してる、愛シテル…」
そう呟く彼は、他から見れば異常だろう。
あぁ、それにしても、なんて幸せな夢だろう…
今起こってる事が夢であるとはっきりわかるほど異常で、幸せな夢。
夢だけど覚めないで、と願ったところで無理なのはわかってるから、せめて、今だけでも浸りたい。
誰かに愛される喜びも、求められる心地よさも、僕は現実で得られないから、せめて、今だけでも…
折れた骨が悲鳴をあげ、痛みで気が狂いそうだ。
それでも、
「なんて幸せな夢…」
幸せは長く続かない。
零れ落ちた幸せは、夢の中の痛みのせいか、目の前に立つ女のせいか。
僅かに残る余韻を感じながら女を見る。
目の前のソレは、右手に赤黒く染まったハサミを持って笑っている。
あ、指が一本ない。
3本しか残ってなかったのにな…
かつて妹と呼んだソレは、双子とは思えないほど似ていない。
昔は良くも悪くもなかった仲は、僕に彼女ができた頃から変わった。
妹はどうやら僕が好きだったらしい。
ま、そんなことどうでもいいか。
さて、今日はなにがあるのかな?
切る?裂く?焼く?潰す?
アレの愛情表現のカテゴリーはおかしいからな。
それより、
またあの夢は見れるかな?
見れるといいな…
こんな駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。いかがだったでしょうか?上手く文章にできなかったのですが、感想などをいただけたら嬉しいです。