プロローグ~転生します?
もう1つの作品が、面倒になったのでとりあえず。
ペースがはやかったり遅かったり。なんかすみませんな感じになりそうですが、精一杯がんばります。
この何かに優しく包まれるような浮遊感。
一瞬でわかっちゃったよ。
「転生するな」
別段転生を経験したことがあるわけではない。
何しろ、先程まで部屋でウェブ小説を読んでいたのだから。
俺はとある理由から転生という“人生”のリセットに憧れており、その手の小説を読みまくっていた。
まず目に入るのは、というよりはただひたすら真っ白な空間が続いているだけなのだが.....。
体は現実のままだが、重さというものを感じない。
俺はしばらく浮いたまま、ぼうっとしていた。
王道で行くとそろそろ絶世の女神がお出迎えしてくれるものだが.......。
しばらくそのまま待機していると、目の前で光が集まってくる。
光は徐々に大きくなると、やがて一人の美女......っておっさんかよ!!
映画などでみるあの“神様”みたいな雰囲気は皆無で、白髪のおっさん。それが変なマントを被っているだけだった。
無駄に豪華絢爛な光を放つ割にはまったく荘厳さが足りず、ただ唖然とみまもっていた。
「ハハハっやあワシ神様。よろしく」
あ、面倒くさいやつ来ちゃったよ。
テヘペロってすんなきもいぞ。
「俺ってどうなったんですか」
なんだか妙に落胆してしまったが、こんな浮遊感はもちろん現実世界のものではないし、夢だとしても少しばかり興味は惹かれた。
だいたいの予想はついていたが、念のために聞いてみる。
「あはっ間違えて殺しちゃった」
だからテヘペロってすんな、じゃなくて、あぁやっぱりな。
見事なまでに王道の道を進んでくれるが、まさかこんなおっさんに殺されるなんて。
殴っていいですかね。いいですよね。
神様のくせに無精髭はやしやがって。手入れくらいちゃんとしとけよ。
「まぁ、落ち込むことはないさぁ~」
あぁ、いい加減テヘペロはやめてください。
落ち込んでるのは100%あなたのせいなんですから。
とはいえ、正直転生にわくわくしていた。
社会人になってからと言うものの、毎日が仕事の連鎖で楽しみというものがなかった。
確かに刺激的なものを、と常々思っていたが、これは少々刺激が強すぎますから。
転生先では、魔法とかあるのかなぁ。
ファンタスティックな妄想に耽っていると、おっさんはまさに期待に応えようとしていた。
「謝罪を込めて、君を転生させてあげるよ」
おぉ、きたきた。
転生することが謝罪に繋がるのかは疑問であるし、はたまた生き返らせてくれるわけでは無いのかよとは思ったが、すでに俺の頭は転生後に向いていた。
「そうだね。この世界がいいかな。うんこれにしよう」
そういうと、自称神様はうでを振りかざす。
途端に俺の全身から光が溢れ、やがて全身を包む。
えっ、早くね?説明文とかないの?やめて、えぇ。
「君は最強戦士リーク・アスラに転生するよ、でわでわ
だから、テヘペロはやめてくださいって、やめて、止めて!あぁ~。
これって絶対絶命?そうなの?どうなの?
俺が描いた、王道転生はいずこへ。
こうして始まる。リークの最強戦士物語は開始1秒で終わりを迎えようとしていた。
って終わらないからねぇ~
「気をつけてくれよ......大賢者よ......」