#2
教室に入って自分の席に真っすぐつく。
このクラスで、ぃつも私ゎ一番に登校していた。
机にうずくまって、これから始まる一日に嫌気がさす。
欲しいものも、期待するものもない時間に絶望する。
自分の腕で手にした完全な暗闇の中に他の生徒の声が聞こえはじめる。
一人、また一人。
でも、どんなに声が増えても、私が闇から外へ顔を出すことは無かった。 私の体は、集団の中で自分の居場所を作るすべさえ忘れてしまったらしい。
何がいけなかったのだろう? 私はみんなと同じようにただ黙々と生きてきただけなのに、 確実に何かを踏み外していると感じる。 すべてだった受験を無くしたから? それを無くしても、私は、みんなが熱中するようなことに無頓着な気がする。
ぃや、あえて言えば、みんななぜあんなに好奇心旺盛なのだろう? わたしには理解できなかった。 羨ましかった。移り変わる環境に慣れることの出来る順応性が、 いろんな人と付き合えるおおらかさが、 誰かに自分の意見を言える自信が、 羨ましくてたまらかった。その感情に気付いては、すぐに
「なぜ自分にはそれができないのだろう?」と言う声が体内に聞こえてきて途方にくれた。 ただ自然に自信のある人たち。 ただ自然にそれの無い自分。 その差はなんなのだろう? 知りたくてたまらない。 机の横を通りすぎる同い年の子供に
「おはよう」が言えない理由を、 私は知りたい。