過度な期待というのはプレッシャーになるもので
勇者。
剣や盾を効率よく使い、人々の希望になり、魔王を打ち倒すもの。
その血筋ともなれば基本的には優遇されるのがセオリー。
自分は勇者アレンの息子、ショウ。
もちろん私も剣を勢いよく振りモンスターを倒せる
………はずがなく。
実際の所スライムにもフルボッコにされる雑魚である。
親父はこれを見ておきながら、
アレン「晩成型かぁー、いっぱい訓練しなきゃなぁ。」
とかほざいている。
多分だがそんなことはない。晩成型とはいえど少しは強くなるはずだ。しかしステータスがほぼほぼ上がらない。一般人並みだ。
明日親父の引退式と共に私の勇者認定式となるらしい。
本当ならある程度テストをするはずなのだが、親父のステータスが歴代で最高クラスなので通過してしまった。いっそそこで落ちたかったのだが。それとオヤジに代わる勇者候補が他にも見当たらなかったのもある。そりゃそうだ。
親父はつよい。
龍は倒したし魔王も一度三人パーティで討伐しているし、剣ででかい岩も砕ける。
そんな人は他にいたとしても簡単には見つからないものだ。
勇者認定式は雑魚(の区分ではある)ゴブリンの討伐終了で幕を閉じると聞く。
あいにくスライムも倒せないのだがどうすればいいのか。
アレン「まぁ僕の息子だし、なんとかなるって!高めの剣用意してやるから!」
あまりにも気楽だ。確かに高めの剣なら効果や鋭さでゴリ押しがいけるだろうがそれは勇者としていかがなものか。まぁそうでもしないと失望されてそれどころではないから受け入れるしかないのだが。
ショウ「………わかった。」
アレン「頑張れよ、応援してるからな。」
夜も更け、三日月が辺りを照らす。明かりをつけ部屋の中で木刀を振る。
せめてかっこよく見せて外っ面だけでもどうにかしなければいけない。
ふとオヤジが一人で何か言ってるのを聞いた。扉に耳を当てこっそりと聞く。
アレン「あぁは言ったけど大丈夫かなぁ…僕の力ちゃんと受け継がれてるのかなぁ…」
母「大丈夫よ、あなたと私の子供なんだから。」
アレン「戦闘不向きで司令向きだった可能性も…」
母「まぁ、明日の勇者認定式で全て決まるんだから…」
いや失敗した時の私のプライドを保とうとしてくれよ母上は。




