【あとがき】第二章 いざ行かん謝罪巡業の旅へ!③ヘル地獄⁈
本編「オレ、オーディンになったらしい。〜ラグナロク不可避⁈ もうすぐフェンリルに食われることになってるんだがどうすりゃ回避できるんだ?〜」(N7288LN)の各エピソードで使用したネタとその解釈なんかを書いています。
まずは本編をお楽しみください。
■ニブルヘイム? ヘルヘイム?
北欧神話では、ヴァルハラへ行かなかった死者は、ヘルヘイムへ行きます。
…ちょっとまて! ヘルはロキの子。アースガルズへ連れてこられたと思ったら「死者の国」へ追放されるという、「私、何のために呼ばれたん???」と本人も当惑するレベルの強引措置が取られます。同時にその場所はヘルが支配するようになります。なので、ヘルがそこへ行ってから「ヘルヘイム」と呼ばれるようになったはず。そんじゃそもそもヘルが行く前、「死者の国」は何と呼ばれていたのか? これ、固有名詞が与えられてません。『スノッリのエッダ』ではニブルヘイム、原初の氷の世界に死者は行くとされていて、その関係でヘルヘイム=ニヴルヘイムと考えられたりもするのですが、いやー、原初の世界を一人の女の子が支配するって破格の好待遇ではありませんこと? 住み心地がいいかどうか分かりませんが、オレオー本編のヘルちゃんはなかなか快適に過ごしているようでなにより。まぁこの辺はオーディンの身勝手で追放されたヘルちゃんが気の毒だったので私が追加した要素ではありますが。
で、なんでこんなややこしい設定になってんの? お約束の北欧神話のプロットの甘さではあるのですが、推理してみますと、ラグナログからの逆算だったのではないか、と。ラグナログのとき、ヘルは死者を率いて参戦します。まずこの設定がある以上、ヘルは死者に対して支配的立場でなければならない。それなら、ヘルが支配するからヘルヘイムって呼ぶんだろ?くらい。でも設定がここで止まってしまったので、その前に遡ると話が繋がってない、みたいなことなんじゃないかな、と。
さて一方、ニブルヘイムが死者の国扱いされている点は、これで説明付くかな? ほら、死体って冷たいところに置いとかないと腐っちゃうでしょ? なので、ニブルヘイムに死体安置所みたいなところがあって、そのせいでニブルヘイムが死者が行くところ、って設定になったんじゃなかろうか、と。これもね、おそらく、北欧神話の生みの親であるヴァイキングの世界で、家族に死者が出て、体た冷たくなってしまうと、「○○はね、ニブルヘイムへ行ってしまったんだよ」とおばばが言ったとか、そんなことなんじゃないかなぁ、と思っています。民間の迷信みたいなもんですね。
で、このニブルヘイムとヘルヘイムの二重構造、こうして整頓してみてはどうかな、と。まず、ニブルヘイムには死者が送られる冷凍庫みたいなところがあった。ヘルが送られたのはその場所。そしてその場所を支配…というより管理者になったんじゃないかな、と。そしてその場所は、ニブルヘイムの中でも特別な場所として、「死者が出た? そんじゃヘルちゃんのとこへ送っとけ!」みたいなノリで、いつしかヘルヘイムと呼ばれるようになった。トヨタがあるから豊田市になった、みたいなものかと。
で、これってさ、よくよく考えてみると、やっぱりヘルって結構待遇いいよね。なんでも「死者の国」に送られてからは「エリュドニル」って館も与えられてるそうですよ。湖の離れ小島に拘束されたフェンリルお兄ちゃんとか海に不法投棄されたヨルムンガンドお兄ちゃんよりも好待遇じゃないかね。やっぱ女の子だから、あんまり酷い目には…という親心でも働いたのか? というより、これも北欧神話のプロットの甘さが反映されてる件じゃないかな、と。前述通り、「死者の国」に関する設定が甘々なのですよ。一方で、死者は死者でも、戦場で勇敢に戦って死んだ者は称えられ「ヴァルハラ」行き、なんて設定があったりするのに。で、この辺がヴァイキングの文化が反映されてて、勇敢に死んだ者は称えられたのですよ。わーい、すごいぞエインヘリャルだ!みたいな感じで。で、誰かが気付いちゃったんだろうね、「で、普通に死んだらどうなるの?」って。で、「あー…忘れてた…ほんじゃヘルが支配する死者の国に行くってことで」と、やっつけの現場判断で設定が追加されたとか、そんなんじゃないだろうか?
ところでヘル本人の設定は?とお思いでしょうが、ヘルの話は先々で出てくるのでそこでお話ししましょう。オレオー独自の、ヘルちゃんについて納得いく設定をご用意してあります。うぇひひひ…




