【あとがき】第三章「結び留める者」⑪⑫アングルボザの窓⑥「ヨルムンガンド」、アースガルズの景色②ヨルムンガンド
本編「オレ、オーディンになったらしい。〜ラグナロク不可避⁈ もうすぐフェンリルに食われることになってるんだがどうすりゃ回避できるんだ?〜」(N7288LN)の各エピソードで使用したネタとその解釈なんかを書いています。
まずは本編をお楽しみください。
■トールとヨルムンガンド
Copilotに聞くと、「トールとヨルムンガンドは宿敵同士」という言い方をするのですが、どういうこっちゃ?というのをCopilotに聞いてみました。相変わらず神話上の設定なので的な話だったんですが…Copilotの答えを文脈を追いかけているうち、あることに気が付きました。
「もしかして、トールってロキのことが嫌いなんじゃね?」
トールがヨルムンガンドを目の敵にしているのは、ヨルムンガンドがロキの息子だからだ、と。これが腑に落ちなかったのですが、トールがロキのことを嫌いだとすれば合点がいく。しかしCopilotには「それ以前の問題」と返される。どうも設定的に、トールは守護者、ロキは境界を壊す異端者、この二人の相性がいいわけがない、と。で、つまりこういうことか、と。
「トールはロキとそりが合わないんだが、ロキはトールの父親であるオーディンと義兄弟ということでそれを口に出すことができなかった」
これを質問としてCopilotに投げてみたところ、「その通り」と。
なるほど。なんだか仲良く旅とかしてる風だったけど、トールはロキを心底は信用してなかった、という話のようです。なんかこれで北欧神話の人間関係(神ですが)を一つ、深く理解できた気がします。
で、そのロキの息子であるヨルムンガンドなので、トール的には「ヌッ殺す!」と思っていたようで、トールはヨルムンガンドを釣り上げて殺す気満々だったそうです。で、ここは私知らなかったんですが、てっきりトールは「姿見ず」の状態でヒュミルにラインを切られたんだと思ったら、水面まで引き上げてたそうですよ。ブラックバスならあとは下アゴ掴んで抜き上げるってくらいまで。ところがトールさんったら、下アゴ掴むんじゃなくってご自慢のハンマー兵器「ミョルニル」でブン殴ろうとしたそうです。しかしここでライン切られる、と。さすが脳筋トール、でも水揚げして魚拓ならぬ蛇拓とっとけば世界一で世界唯一の蛇拓が取れたのに… …あれ?
■The Fishing 今日はヒュミル沖のヨルムンガンドを狙います
だが待って欲しい。ヨルムンガンドを…釣ることができるのか? 以前も書いた通り、ヨルムンガンドの大きさは地形クラス。これをどうやって釣り上げる? いや、そのまえにどうやって釣るんだ?
原典では「牛をエサ」にしたそうです。ケチ臭いこと言わず、牛を背掛けにして泳がせ釣りってことにしましょう。さてヨルムンガンド君って直径11km強の巨蛇です。牛の全長を2mと考えても…人間スケールから考えたミジンコより小さい。こんな小さいエサではヨルムンガンド君は気付いてくれない気がします。というか針は? 釣り針は? …Copilotの計算上、クジラをタナゴ針(そういうめっちゃ小さい釣り針があるのです)で狙うより小さい。むしろ砂粒レベル。ご自慢のミョルニルも微粒子レベルになるそうです。そもそもヨルムンガンド君を殺そうとすると、をCopilotに計算してもらったところ…
結論:物理モデルで殺そうとすると、トールより先に世界が死ぬ
まとめると:
- 局所破壊案:
頭を粉砕するには小惑星衝突級エネルギー → 惑星が死ぬ
- 全身加熱案:
全身を「料理」するには恐竜絶滅級〜それ以上のエネルギー → 惑星が死ぬ
- 生物急所案:
スケール的に急所は“分散中枢系”になる → 局所攻撃では死なない
なので、
直径11kmヘビを「現代物理で殺す」=ほぼ惑星破壊イベント
という結論になる。
以上。ハイ終了。神話はヨルムンガンド君を盛り過ぎた…
さて、それで「おしまい」ってすると身も蓋もないのでフォローしますよ。
ところで先ほど「クジラをタナゴ針で」と書きましたが、これ、Copilotとの会話で私は「クロマグロをタナゴ針で」と書いて送ったんですね。でもCopilotからは無情にも「クジラでも」と返された…ここにヒントがありまして、やはり私も人間なのですよ、その例えは極端すぎるか?という遠慮が無意識に働いた。しかし物理法則は無情だった。要はそういうことで、むかーしむかし、北欧神話の語り部は、どう言えばヨルムンガンドの大きさを聞き手に伝えられるか、考えたと思うのですよ。そこで思いついたのが、自分たちが住んでいる土地と、身近で大きな生き物である牛。これらを組み合わせて、「こぉーんなにでっかいんだぞー」って伝えたんだと思うんですよ。それを現実的に計算すると破綻していたってだけの話で。だから語り部たちに罪はない。シーンごとに大きさの変わるエヴァ初号機みたいなものと思えばいいのです。
ちなみに「牛がエサ」というのはもう一つ意味があって、やっぱりね、北欧神話成立の時代も牛は高級品だったらしいのです。それをエサにするんだ、という豪胆さを表現したものだそうですよ。「さすがトールさん、やることがでっかいねぇ!」的演出ってことですよ。




