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うわさばなし⑤
彼らが遭遇したものは、いわゆる常識から外れたまさに「怪物」であった。
この世で魔物、いわゆるモンスターと言われるものは、獣のような四つ足のモノや鳥のように翼をもつモノたちが多い。
虫や魚のようなモノもいる。
しかし、群れたり、人に大きく害を与えるような存在は四つ足と翼をもつモノが多い。
「俺はあんなものを見たことはなかったよ…、たぶん…だからだろうな。これはどうにもならないヤツに出会っちまった…」
「生き残ったのは…本当に奇跡だ」
彼はゆっくりと言葉を続ける。
冒険者としての彼は優秀だったのだろう。
彼には傲慢さや大きな敗北から来る必要以上な自責を感じなかった。
彼以外にもこの事件の事で面会を申し出たが、拒否されたり、襲われた時を思い出して話が最期まで出来なかったり。
私がこの事件で知りたいことについて、まだ触れられずにいた。
彼は言葉をゆっくりと続けてくれた。




