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うわさばなし③
「とにかく、あの嵐のあとで食料も薬草も…全てが足りなかった。ギルドから依頼は山のように出ていたが、とてもじゃないが全てを解決することは無理だった。そんなのはガキでもわかる…」
語気は強かったが、どこかその言葉には悲しさが混じっていた。
自分たちがもし英雄と呼ばれるような存在であれば。
いや、そうでなくてもそれに近い存在なら。
せめて街を代表するパーティーのメンバーなら。
誰もがそこに憧れ、冒険者となりギルドを介して世界に挑む。
だが、夢を掴む者はごくわずかだ。
「俺だって少しは自信がある。だから、同じぐらいの等級のやつらを集めたわけだ。いくつかの依頼を同時にやってやろう、それが俺たち冒険者に出来ることだと思ってな。あの判断は間違いだったのかどうかは…すぐに答えは出せないかもな…」
目線をテーブルへと下げ、彼は酒を押し込むように飲んだ。
あの日、街の冒険者の7割が死亡した。




