表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】 次期聖女として育てられて来ましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!  作者: 林 真帆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/65

第61話 銀の匙

「私は……。私は、聖女が不要かどうかは、国民のみなさんが決めれば良いと思っています」


 静まり返った場に、私の声は遠くまで響いた。


 少しの間をおいて、


「マリア様! 何てことを……!」


 元使用人たちは、涙を流しながら、膝から崩れ落ちた。


「どうしてそう思われるのですか?」


 トーマスが私に問うた。


「はい。今の聖女――私の母は、国民の敬愛を完全に失っています。残念なことですが、今後、母が国民からの信頼を回復することはできないでしょう」


 場がざわつき始めたが、私はそのまま続けた。


「聖女は普通の人間です。奇跡を起こすことはできませんし、魔法を使うこともできません。単なる信仰の対象でしかありません」


 ざわめきがさらに大きくなった。


「ほう。これは興味深い。次期聖女としてお育ちになったあなたが、聖女を否定するかのようなことをおっしゃるとは。詳しくお聞かせ願えませんか?」


「私にとって、宮殿での生活が全てでした。聖女が祈りを捧げることで国全体が幸せになると本気で思っていましたし、自分が将来聖女になることに何の疑問も抱いていませんでした。


 しかし、一歩宮殿の外に出てみて初めて気が付きました。私は銀の匙をくわえて生まれてきたのだと……!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ