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【完結】 次期聖女として育てられて来ましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!  作者: 林 真帆
第三章

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第57話 母と娘

「夫ですって……!」


 フィリップに向き直った母の顔は、鬼の形相であった。


「ええ、私とマリアは結婚したのです」


 フィリップは、母に対して一歩も引かない。


「結婚? そんなことは一言も聞いていない!」


 母は私たちをキッと睨みつけた。


「はい。本日はそのご報告も兼ねて――」


「聖女であり、母親でもある私の許可も得ず、勝手に決めるなんて! そもそも、親の許可もなく結婚できるわけないでしょう!」


「許可ならここに――」


 怒りのあまり大声で怒鳴り散らしている母に負けじと、フィリップが声を張り上げた。





 フィリップが母に突き付けたのは、<結婚許可証>であった。


「こんなもの……こうしてやる!」


 母が、結婚許可証を二つに裂こうとしたまさにその時、


「おやめください!」


 と何人かの大臣が飛び出し、母の手から結婚許可証を奪い取った。


「返しなさい!」


「それはできません。これは国の正式な書類。破り捨てようものなら外交問題に発展し兼ねません!」


「その通りです。もしその結婚許可証を破棄しようものなら、我が国に対し、敵意ありと看做します!」


 力の差は明らかだ。圧倒的な軍事力を持って攻め込まれたら、この国は終わる。母は力なくその場に崩れ落ち、その場にいた全員が凍り付いたように動かなくなった。


「マリアは私の娘なのよ……母親の私を差し置いて、こんなことが許されるはずがない……」


「お言葉ですが……先にマリアを追放――捨てたのは、貴女では?」

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