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【完結】 次期聖女として育てられて来ましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!  作者: 林 真帆
第三章

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第52話 矛先

「どうして? 今頃になって……」


 母は一体、何を企んでいるのか? もう私のことは放っておいて欲しいのに……。


「流行り病が、世界中に広まっているのはあなたもご存じでしょう?」


「はい。それが何か関係あるのでしょうか?」


「あなたのお母様は、あなたに流行り病の薬を作らせ、それで一儲けしようと考えられておられるようなのです。お母様がおっしゃるには、あなたの薬学に関する知識や技術は、あなたが聖女として教育を受けてきたからこそ、身につけられたものだと――」


「だから母は私を返せと言っているのですね」


 フィリップは無言で頷いた。 


 何と身勝手なことか……。私は空を仰いだ。


「……というのは表向きの理由です。あなたのお父様からお聞きしたところによると――」


「まだあるのですか……」


 もう聞きたくはなかったが、聞かないわけにはいかないようだ。


「ええ。あなたが国を去られてから、国民からの聖女に対する信頼が急激になくなっているのです。大変失礼な言い方ですが、あなたのお母様のお振る舞いがよろしくない。そこに来て流行り病の大流行ですから、国民の怒りの矛先が、聖女に向けられていて、いつ暴動が起きてもおかしくない状況のようです」


 国民は気の毒に思う、そして、助けてあげたいと思う。しかし、このまま母の尻ぬぐい役にさせられて良いのか……私は頭を抱えた。


「お母様の言いなりになりたくないのですね」


 フィリップは、私の心中を言い当てた。


「それでしたら、一つだけ方法があります」


 

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