表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】 次期聖女として育てられて来ましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!  作者: 林 真帆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/65

第50話 救出

 私が出した条件は、父を助けてもらうことだった。


 聖女として、国と国民のために生きるはずだった私が、今や、自分の父親の命と国民の生命を引き換えにしようとしている。


 こんなことを考え、実行してしまう私は、最初から聖女にふさわしい人間ではなかったのかも知れない。たとえ、追放などされなくても。


 




 フィリップに説明をする際、私は自分の本当の身元と、父との関係は伏せた。だから、フィリップにしてみれば、私の話はさぞかし説得力に欠けているように聞こえたことだろう。


「……それで、その無実の罪で囚われている男性を助けて欲しい、と」


「はい、そうです……」


 ――どう考えても無理よね……。


 私はあきらめ始めた。


 フィリップは少しの間、考え込むように黙った。


「わかりました。交渉してみましょう」


「! 本当ですか……」


 信じられなかった。自分の身元も明かさずに、こんな話を持ち掛けたら、余計に怪しまれてもおかしくない。


「その男性は、あなたにとってとても大事な人なのですね」


「ええ、とても」


「そうか。それは妬けてしまうな……」





 手こずると思っていた交渉だったが、流行り病に対する恐怖に比べれば、私の出した条件など大したものではなかったらしい。


 聖女である母は、あっさりと父を自由の身にすることを認めたそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ