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【完結】 次期聖女として育てられて来ましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!  作者: 林 真帆
第二章

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第32話 聖女不要

「それに引き換え……今の聖女様は何なんだろうね? 贅沢三昧で、金持ち連中のとばっかりつるんでいるそうじゃないか。どうせ聖女様が祈ってくれても何の効果もないんだから、そんな聖女いらないよ」


 よほど聖女に不満があるのだろう、ロザリーは止まらない。


「そうそう、今の聖女様は、旦那と娘を追い出して、どこの馬の骨ともわからない男を連れ込んで、その男との間に生まれた娘を次の聖女にするって聞いたけど、本当?」


「誰から聞いたの、そんなこと? まさかメアリ……?」


 私は、私たちの私的な事情を、ロザリーのような一般人がほぼ正確に知っていることに驚いた。


 だが、ロザリーは、むしろ私がそういう話を知らないことを驚いているようだった。


「普通にみんな知っているよ。まあ、ネタ元は宮殿に出入りしている業者とか、里帰りした使用人って聞いているけど」


「そう……」


「あたしだって、聖女様がいる方がいいと思うよ。昔からずっといるし。でもね、今の聖女様はお断り。追い出されちゃった娘こは先代の聖女様みたいだったらしいから、その娘こが聖女になってくれればいいのに」


 私は危機感を抱いた。内部の話がここまで漏れているのは、母に反感を持っている人が少なくないということの表れだろう。

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