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黒い覚悟  作者: ビターグラス
7 賑わう町で
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VS土壁の魔法

 スキンヘッドの男の拳が振り下ろされて、世留は弾くよりも躱した方が楽だと判断して、後ろに移動した。その瞬間、まるでそこに移動するのを待って以下のように、世留のいる場所、一点に矢が五本ほど射られた。だが、世留にはその矢が発射された瞬間に、その矢を認識しており、それから身を守るのは簡単なことだった。矢が彼の足元に落ちた。その中の二本の矢が、地面から起き、矢じりが世留の喉元を狙う。世留はそれを認識することは出来たが、あまりの不意打ちにその矢を刀や超能力で防ぐことが出来ず、体を逸らして、その矢を躱した。打ちあがった矢は再び、地面に落ちていく。下にいるのはもちろん、世留だ。そして、矢だけに意識を割いて戦うことは出来ない。矢が落ちてくるのと同時にマントが背後から近づいてきていた。正面からは太い拳が迫る。世留は自身の周りの空間を切り離し、彼の周りを壁が覆った。そうなれば、どの攻撃も壁を貫通して攻撃できるはずもない。そもそもの空間が繋がっていないのだ。どれだけ攻撃しようとも空間が繋がるはずはない。世留は全ての攻撃を防ぐ。マントはすぐに素早くどこかに行き、矢は地面に落ちて動きを止めた。未だに、力押しで攻撃しようとしているのはスキンヘッドの男だけだ。一人になれば、空間の隔たりを意地する必要はない。彼は空間を再び繋げる。スキンヘッドがいる正面だけは壁を維持したままだ。そこを一生懸命に殴り続けているのは、中々に滑稽な姿だった。


 世留はスキンヘッドの近くにいると、一撃で倒れてしまうかもしれないと考えて、距離を取ることにした。後ろに少し飛んで距離を取ろうとしたが、その着地の瞬間に彼の背に土の壁が出現した。出現を認識できたとしても、それをすぐに回避する手段がなかった。彼は壁に背中を当てた瞬間にその壁を蹴ろうとイメージする。体がその壁に合わせて移動する。足が壁に触れる瞬間、彼の足が壁に掴まれた。さすがに世留も驚いて、掴まれた足を見た。壁から太いつるのようなものが伸びてきて、彼の足に巻き付いた。そのつる同士がくっついていき、完全に彼の足を飲み込んだ。そこから壁の方に足を引き込んで、ついには世留の足が壁の中に埋め込まれた。


 世留はすぐには動けない。壁を斬ることは出来るだろうが、足の形にぴったりはまっていて、壁から脱出できても足は自由にはならない。彼の超能力は足の形に添わせるというような小回りの利く使い方はできない。あくまで大雑把な形で空間を斬り離すというだけだ。


 そして、動けない世留の前に剛腕が迫っていた。動けなくとも、斬り離しはできるため、攻撃を受けることはない。受けることはないが、壁に足を飲まれたままでは、体勢が悪い。壁に対して垂直になってしまっているため、頭の方が地面に近づいているのだ。この状態が続けば、頭に血が上ってきて、最後には意識を失ってしまうかもしれない。そうなる前に壁を斬り壊すことは出来るが、それでも足は自由にはならないだろう。誰の技なのかは全く分からない。しかし、魔法を使えそうな見た目の奴らが屋根の上にいるのはわかっていた。きっとその中の誰かがやっていることなのだろう。しかし、こう足を捕らえられては屋根の上に移動することもできない。 彼が考えている間もスキンヘッドは攻撃の手を緩めることはなかった。


 真深佳は世留の戦闘の邪魔にならないように、ずっと彼から離れて彼の戦いを見ていた。その戦いの中で何をしているのかわからないことはたくさんあったが、少なくとも今はピンチに見えた。土の壁を作り出す魔法に囚われてるのだ。真深佳は魔法で人を攻撃するのは苦手だったが、その分、彼女は魔法の威力の調整や魔法の相殺が得意であった。魔法の相殺の理論自体は難しくはない。火と水、風と土が対になっており、対の属性をぶつけることで相殺できる。だが、魔法を相殺で消す人は少ない。理由としては相手が魔法に込めた魔気と同等の魔気を含めなかった場合、相殺できない場合がある。少なければ相殺できず、多ければ大爆発を起こすこともある。ちょうどいい分量で魔気をこめられないと、使用者自身にも大きなダメージがあるのだ。それなら、回避した方が明らかに神経を使わないため、相殺を選ぶ人はいないのだ。だが、彼女は人を傷つけないように魔法を使い続けた結果、魔気の緻密な操作ができるようになっていた。


 彼女はその位置から動かずに、相手の土壁の魔法に風の魔気を纏わせるように送る。壁を地道に削っていく。土壁の魔法を使った人がどこに居るのかは、彼女にもわからないが、魔法の総裁には気が付いていないようだ。その証拠に、土壁を削っても

それが修復されることがない。彼女は徐々に削る量を増やしていく。その速さはかなりのもので、途中で土壁の修復が行われていたが、それを優に上回る量を削った。そうして、世留はついに土壁から足が解放されたのだった。

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