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13 ミニスカートの上司

サービスで追加の投稿です(๑>◡<๑)

〜〜通常のタケル視点に戻ります〜〜



ーーデイイーアの街ーー


人口10万人のこの街で、1人の呪術士を探さなければならない。

俺とマーリアは、当てもなく街中を歩いていた。

頭上には真っ黒いカラスが、1羽舞っている。


あのカラス、食堂の時からどうにも動きがおかしいな。

少し試してみるか。


「マーリア。少し移動するぞ!」


「ハ、ハイ! きゃっ!!」


俺はマーリアをお姫様抱っこする。

彼女は真っ赤な顔になった。


「少し深呼吸で我慢してくれ」


「ハ、ハイ! スーハー、スーハー」


「スキル闘神化、神速!」


高速移動で街中を移動する。

2、3キロ移動した所。薄暗い細い路地に隠れて空を見た。


さぁーーて、来るかな?


「タケル様? 何を見ているのですか?」


「少しな。気になることがあるんだよ」


「気になること?」


「少し待ってみる。マーリアは疲れてないか?」


マーリアは顔を真っ赤にした。


「タケル様と一緒なら、何をやっても全く平気です!」


◇◇◇◇


10分後。


思っていた通り、あのカラスがやってきた。グルグルと空を周り、何かを探している。


マーリアは小首を傾げる。


「あのカラスが何かあるのですか?」


「おそらく、あのカラスはジャミガの手先だ」


「えっ!?」


「小声で頼む」


「あ! 申し訳ありません!」


「ジャミガは俺を見ていると言った。おそらくあのカラスを使って俺のことを見ているのだろう」


「そ、そんなことができるのですか?」


「獣を操るビーストテイマーなら可能だろうな。しかし、奴は呪術士だ。獣を操る呪術なんて聞いたことがないからな。これから確かめてやろう」


俺とマーリアは路地から歩いて広場に出た。

そこには噴水があり、ベンチが設置されていた。

カラスからは、最もよく見える場所である。

案の定、カラスは飛ぶのをやめて建物の屋根に止まった。

何をする訳でなく、ジッと俺を見つめる。


「やはりな。あきらかに野生の動きではない。不自然すぎる動きだ」


「凄い! 流石はタケル様です! 私には全くわかりませんでした。というか、普通の人なら、みんな普通のカラスだと思ってしまいますよ!」


カラスの呼吸を覚える。


スキル闘神化(アレスマキナ)、神聴力。


生き物は独自の呼吸リズムを持っている。

そのリズムを神聴力で聞き分けて覚えるのである。


「…………あのカラス。ほとんど呼吸をしていないな」


俺は不気味なカラスの呼吸を覚えた。

それは、深い洞穴から聞こえて来る空気の流れのように籠った息遣いだった。


あのカラスが移動したら、その時がジャミガの居場所を見つけるチャンスだな。


俺がそんなことを考えていると声を掛けられた。

それは懐かしい、大人の女の声だった。


「タケル! タケルじゃないか!」


そこにはミニスカートの軍服を着た、銀髪の美しい女が立っていた。

豊満な胸は軍服からもしっかりとその形を想起させる。

バルバ・ミーコス伍長。俺の上司である。

冷静沈着、情に厚く人望がある人だ。


「バルバ伍長ではないですか!」


「ははは! 久しぶりだな元気をしていたか?」


屈託のない笑顔。この人は変わってないな。

俺が城を旅立ってからだから、会うのは1年振りになる。


「伍長も元気そうでなによりです」


マーリアは気が気でない感じ。俺の裾を軽く引っ張って眉を寄せた。


「あ、あの……。タケル様。この方は?」


バルバ伍長はすぐに気がついた。マーリアに握手を求める。


「これは紹介が遅れたな。私はスタット王国第二兵団小隊、隊長のバルバ・ミーコス伍長だ」


「これはご丁寧にありがとうございます。私はママジャン王国、国王の娘。マーリア・ママジャンと申します」


「何!? どうしてママジャンの姫がこんな所に!?」


確かに驚くだろうな。

一介の城兵、しかも自分の元部下が他国の姫と広場に2人きりなのだから。


俺の身分を考えれば、今の状況は克明に報告せねばならない。

でないと上司であるバルバ伍長の命令で動けなくなってしまうのだ。


俺はマーリアに断りを入れて、バルバ伍長に事の経緯を伝えた。

俺が勇者パーティーを解雇されたこと、呪術士ジャミガと戦っていること、マーリアが呪われていることも全て説明する。

バルバ伍長は目を細め、俺の首に腕を回した。


「いきさつはわかったが、こんな可愛いお姫様にタケル様と呼ばせるなんてな! タラシ具合も変わらんな」


「いや……。俺はタラシではありません」


「よく言うよ。お前が出て行った後にどれだけ城の侍女が泣いたか知っているのか?」


「伍長の揶揄いには乗りませんよ」


俺とバルバ伍長がボソボソと話していると、マーリアは声をあげた。


「タ、タケル様ぁ!! 少々、話す距離が近いと思うのですがぁ!!」


バルバ伍長は目を細めた。


「…………タラシだなぁ」


「……………………」


やれやれ。対応に困るな。

バルバ伍長は私の好みドストライクなのですが、作者の性癖はどうでもいいですよね(//∇//)

明日も連投しますので、ブクマしてお見逃しなく〜〜(๑>◡<๑)


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