私を型にはめるのは私だ
pH7にならないことに
不安を感じるのなら
試薬なんて捨ててしまえばいい
観測者でない者は
常に揺れ動く数値が
1であろうが14であろうが
過去の1つの結果に縛られている
刷新されるデータに
懐疑の視線は妥当
ただし白衣の丈は
正しくあったほうが身のためだ
可能性を捨てる時
検証が100%で尚
裏の裏の模索に暮れ
クォークのふるいにかけてさえ
何も残らなかった時
生育途中
楽しげに手招きする
見たことのない発芽へ
はっとした閃きで
踏み出した時
使い古された黒板に
すっと引かれた
チョークの白線が
あまりに潔良く完結して
次の仮定を示す時
あるいはもう既に
扉は閉じられていて
前提すら覆る事無く
履歴の消去が確定した時
いずれにしろ
自由であり不自由な自明の法則を
ただ嘆いて過ごすには
物理的距離が短すぎる
「劇薬混ぜたら危険」
それを知る私は
混ぜた1人目を知らない
偶然か冒険心か狂気か
未知に彩られた未来に
些かの憧れがあったとして
誰がそれを責めるだろう
私を型にはめるのは私だ
鍛錬のため1日ひとつ、かいてます。
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