第912話 色々な事を確かめて
さてと、とりあえず今回の検証を主導している青の群集の人達にはこれで情報が伝わるはず。
カンガルー : 今の情報を見て俺のPTでマグマに天然産の水をぶち込んでみたら、マグマの近くに近寄った時と同じ敵が出てきたぞ! てか、地味に一ヶ所で固まって出てくるから、範囲攻撃で狙いやすい!
オオカミ : カンガルーの人、早速の検証に感謝する。
キツネ : ほうほう、必ずフィールドボスが出てくる訳じゃないのか。
カンガルー : どうもそうっぽいな。とりあえず敵の打ち上げもやってみるから、ちょっと待っててくれ。
あ、カンガルーの人が早速再現してくれたっぽいね。そういや今いる場所に辿り着くまでの途中で灰の群集でカンガルーの人がいるPTも見かけた気がする。
まぁその人がこのカンガルーの人とは限らないけどさ。同じ種族だからって同一人物とは限らないっていうのは、俺とケインの件で思いっきり痛感したしね。
さて、マグマに天然産の水をかけても、絶対にフィールドボスが出てくる訳じゃないのはわかった。自然発生のフィールドボスが存在してる時にやれば出てくるって感じかな?
リス2 : あ、カンガルーの人、少し待って! 青の群集の方に手早く説明してフェニックスを使わせてもらえるようにするから、その後でお願い!
カンガルー : おっと、それもそうか。なら、実行しても良いタイミングになったら言ってくれ。検証用に打ち上げられる敵を残しとくわ。
リス2 : うん、よろしくねー!
オオカミ : ふむ、とりあえずは待機といったところか。コケの人、リス3の人、情報提供に感謝する。
コケ : ま、みんなで検証も情報提供もいつもの事だしな。俺としても素早い検証でありがたいとこだ。
リス3 : 自分達でやろうかと思ったら、フェニックスがいなくなっちゃって出来なかったのさー!
リス : あ、そうだったんだね。
キツネ : でも、これで行き詰まってたのが解決出来そうだな!
ヘビ : 検証が上手くいけばだけどな。これでフェニックスの昇華魔法の発動条件が確定すれば、合同撮影会までに大規模な間欠泉の再現の準備が進められる。
ツキノワさん達からは大規模な間欠泉を再現としか聞いてなかったけど、やっぱり合同撮影会に向けての検証だったか。まぁあれを再現したい気持ちは分かる!
さてと、それじゃ少しの間、検証の結果が出てくるのを待ちますか。これでフェニックスの昇華魔法を使う条件が確定すれば良いんだけどね。
「ねぇ、今回の件ってジェイさんがまた悔しがりそうじゃないかな?」
「あー、それはあるかもしれないなー」
でも、ジェイさんって発火草の群生地の方でトンネル掘りの方にいなかったっけ? そもそもジェイさんが直接関わっていたなら、マグマに水を落とすくらいの事は試していそうな気はする。
んー、なんというかいまいち今回の件に関しては灰の群集のみんなもいつもの手際の良さがあまりないような雰囲気がする。あー、でも午前中の騒動が地味に悪影響が出てる可能性はあるのか。
「ん? 何かジェイさんが関わりそうな案件があったのか?」
「アルさん、今回のは青の群集が主導の検証案件なのですよ! そして、今、灰の群集から明確に成果が出た情報があって、それが青の群集の方に伝えられているのです!」
「あー、そりゃ確かにその辺はジェイさんは気にしそうではあるな」
「うん、そういう事かな!」
「あはは、まぁそれだけの成果があったみたいだね」
「ま、今は他の人の検証待ちだけどなー」
俺らの行動値は回復が足りてないから、まだすぐには動けそうにないからね。このグラナータ灼熱洞は色々と特殊だから、全快しないうちに戦うのは避けておきたいし……。
「あ、そうだ。今のうちに養分吸収で行動値の回復を早めといていい?」
「おう、良いぞ。ハーレさん、蜜柑を収穫してケイに渡してやってくれ」
「はーい! よいしょっと!」
「お、サンキュー、ハーレさん」
「どういたしましてなのさー!」
わざわざアルの木からハーレさんが蜜柑を収穫して、巣から降りてきて俺のロブスターの背中の上のコケの上に置いてくれた。
これなら増殖しなくても養分吸収の発動だけで問題はない。さて、気休め程度の効果ではあるけど、無いよりかはマシだからね。完全に行動値が空になってたから、これはやっておくべきだ。
<行動値を3消費して『養分吸収Lv3』を発動します> 行動値 24/79(上限値使用:3)
よし、これで行動値の回復が少しだけど早くなる。とはいえ、まだもうしばらく休憩が必要だな。
他の人達の検証情報も気になるし、全快するまでは情報共有板で最新情報を確認しておきますか。今はフェニックスの検証案件の話だけど、他の知らない話題が出てくる可能性もあるしさ。
「あ、ケイ。ちょっと聞いておいてもらいたい事があるんだが、確認してもらって良いか?」
「そりゃ良いけど、どういう内容?」
「さっきのフェニックスがやってたあれだよ。大食いの特性にしては、食い方が妙な気がしてな」
「確かに本体を食べてはいなかったのさー!?」
「……燃やしてからその火を食べてたって感じだったもんな」
あれは俺もちょっと違和感はあったし、フェニックスに関する識別情報なら既に誰かが調べている可能性は高い。
まだ青の群集への説明は終わったという書き込みも出てないし、ちょうど話題が途切れてるから質問をするには良いタイミングだな。
コケ : ちょっと質問というか確認したい事があるんだけど、良い?
オオカミ : どうした、コケの人?
コケ : フェニックスが敵を食べて魔力値を回復してる可能性ってもう既出? なんかマグマの中にいた敵を咥えていったのは見たんだけど、どうも食べ方に違和感があってさ。
イノシシ : それならもう識別情報として上がってるぞー。ただ『大食い』の特性じゃなくて、『魔喰い』って特性なんだよな。
草花 : 火属性で魔法型っぽいのに、『同属喰い』スキル持ちとか厄介だよね。
オオカミ : ……本当に使っているスキルが『同属喰い』なのかが怪しくはあるがな。
リス3 : その特性、初耳なのさー!?
イノシシ : ぶっちゃけ、他に同じ特性を持ってる敵の情報がないからなー。
オオカミ : 『大食い』か『魔法吸収』の特性と関わりがありそうではあるんだが、流石にそれ以上の情報が無くてな。
コケ : あー、詳細不明って感じなのか。
ふむ、『大食い』の特性ではなく、『魔喰い』の特性か。なんというか、話題にも出てたけど木や草花や俺のコケでも使える魔法吸収を連想するね。
『魔法吸収』の特性も存在してるし、そっちに関係している特性の可能性はありそうだ。相手の魔法を吸収するのではなく、相手の魔力値そのものを喰う特性? うーん、まだ情報不足過ぎるか。
リス : もしかしたら成熟体から出てくる新たな特性って可能性もあるからねー。
草花 : 成熟体から一気に要素が増えそうな感じだけど、更に特性が増える可能性かー!
ヘビ : ま、その辺は成熟体になってからのお楽しみだな。
リス2 : 私はまだまだ成熟体には遠いけど、その辺の情報の発見には灰のサファリ同盟のみんなで期待してます! 条件さえ見つけてくれたら再現の検証は頑張るよ!
ヘビ2 : そう言われると、頑張って検証するしかねぇよなぁ!
リス2 : さてと、青の群集への連絡は終わって、フェニックスは使ってくれて良いって事になったよー! その結果を元に青の群集の方で、間欠泉の場所で試してみるってさー!
カンガルー : おし、了解だ! それじゃ、今から試してみるぜ!
クマ : おう、頼んだぜ、カンガルーの人!
リス : カンガルーの人、よろしくねー!
とりあえずカンガルーの人が敵を打ち上げる事で、フェニックスが動くかの確認をしてくれるみたいだね。
そういえばさっき、カンガルーの人がマグマの中に水を落として敵が一気に出てくるのも試してくれていたっけ。あれは次の1戦で使わせてもらおうっと。
ところでこのリス2の人は多分ラックさんだよな? それでリスの人がレナさんだと思うけど……レナさんって、ダイクさんとLv上げに行くとか言ってなかったっけ?
カンガルー : おし、フェニックスが来たし、打ち上げた敵に対して昇華魔法の発動を確認した! その後に、近場のマグマから回復用の敵を捕まえていくっぽいのも確認したぞ。
オオカミ : よし、それは良い情報だ。リス2の人、今の情報を元に青の群集と大規模な間欠泉の再現に動いてみてくれ。
リス2 : うん、了解! それじゃちょっと天然産の水の運搬も始めていくね。
イノシシ : さて、これで後は青の群集に任せればいいか。
コケ : カンガルーの人、リス2の人、お疲れさん!
カンガルー : いや、良いって事よ! てか、ここでフィールドボスを誕生させて、フェニックスに倒させると『横取りされたモノ』が取りやすそうだな。
オオカミ : あぁ、確かにそれはそうかもな。
お、それは俺も考えたけど、やっぱり同じ事を思いつく人はいるよなー。うーん、それにしては今回のみんなの検証は微妙な感じもするのはなんで……あっ、なんとなく理由が分かった!
このグラナータ灼熱洞って確実に戦闘が出来るとは限らないから、普段から検証をやってる人が場所の確保が出来てるとは限らないんだ! だから試そうと思っても試せなくて、情報が中途半端になっているのかも?
それに普段から検証している人達だってLvを上げていく必要もあるんだし、常に検証ばかりしている訳でもない。そういう条件から思ったように検証が進まない場合もあるのか。
リス : おっと、そうしてる間に目的地に到着! うん、区切りがよくて助かったー! それじゃちょいちょい覗きにはくるけど、わたしはLv上げをしてくるねー! ついでに、もしあるなら望海砂漠の地下空洞のギミックも見つけるよ!
オオカミ : そこにも何かがある可能性はあるからな。頼んだぞ、リスの人。
イノシシ : ネス湖の方も何かねぇもんかな?
リス2 : ニーヴェア雪山で氷結草の群生地近くに氷属性のオオカミのフィールドボスが群れと一緒に出るようになったしね。群生地の近くに何か後々追加されるのは確定っぽいよねー。
カンガルー : 多分、他の草の群生地もあるよな、これ。
オオカミ : おそらくあるだろうが……現時点で行ける場所とも限らんからな。
リス3 : おー!? そんな事になってるのー?
オオカミ : 少なからず変化があるエリアは他にもあるからな。分かっている範囲でまとめてはいるから、気になるならまとめを確認しておいてくれ。
リス3 : 了解です!
ヘビ2 : 俺もちょっとLv上げに良さそうな場所が出来てないか見てこようっと。
ほほう、変化があったのは俺達が今いるグラナータ灼熱洞だけじゃないんだな。まぁ他の場所で動いている人も大勢いるんだから、当たり前といえば当たり前か。
ニーヴェア雪山で氷属性のオオカミのフィールドボスが群れを引き連れて出現するようになってるとか初耳だよなー。多分、エリア的には俺らは適正を過ぎてそうだけど。
そしてレナさんは望海砂漠までの移動中に情報共有板を見てたんだな。うん、俺らもそれはたまにやるし、ダイクさんと一緒に動いているなら特に変な事でもないか。
リス3 : なんとなくだけど、漆黒草の群生地は常闇の洞窟にありそうな気がするのです!
オオカミ : そう思って探している最中だが、流石に広過ぎるな……。
コケ : あ、オオカミの人は常闇の洞窟にいるのか。
オオカミ : あぁ、そうなる。
草花2 : 疾風草の群生地は上風の丘が怪しいんじゃないかと思ってるけど、中々見つからないんだよねー。
木 : 上風の丘は麻痺草の群生地の疑惑もあるけどな。
ヘビ : その辺は雷が発生しやすいってのが理由だったっけ。
リス3 : 色々と探してるんだねー!?
うん、思ってた以上に色々なところで群生地を探しているみたいだね。まぁニーヴェア雪山に氷結草、ネス湖に癒水草、封熱の霊峰に発火草の群生地が見つかっていれば、他にもあると考えるのが自然だよな。
でも、上手く見つけられるかは運次第か。どこもギミックで隠されているような場所だし、そう簡単には見つからない気がする。いや、癒水草の群生地のギミックは知らない……いや、アロワナを掻い潜って奥に行くのがギミックか?
ま、そのうち誰かが見つける事もあるだろうし、そうなった時に見に行くのもいいかもなー。
「あ、そうだ。ちょっと提案しようかと思って忘れてた。夜から気分を変えて他のLv上げの候補地に行ってみない? 今レナさんとダイクさんが行ってる望海砂漠の地下空洞とかさ」
「……ケイ、話の流れが見えないんだが、そういう話題が出てたのか?」
「あー、それもあるけど、元々考えてた内容だぞ。朝昼晩で全部同じエリアってのも味気ないだろ?」
「まぁ確かにそれもそうか。てか、望海砂漠に地下空洞ってのもあるんだな」
本当ならネス湖の奥も選択肢に入れたいとこではあるけど、そこは確実に魚系が出てくるだろうから今はハーレさんに配慮して除外で!
砂漠の地下空洞であれば多分適応は必要ないだろうし、望海砂漠の移動中は纏火を使えば移動は問題ないはず。まぁ思いっきり纏火の為の進化の軌跡が余ったからこその提案でもあるけどね。
「私はその案に賛成かな!」
「私も賛成なのさー! ちなみに地下の大空洞への入り口なら午前中に教えてもらったのです!」
「そういえばハーレは午前中の自由行動の時には望海砂漠に行ってたもんね」
「ふっふっふ、そうなのです!」
「そういう事なら、俺もそれで構わんぞ」
「おし、それじゃ夜からは別のLv上げの場所に行ってみるって事で!」
「「「「おー!」」」」
さて、今日の夜からの予定もこれで決定。情報共有板は急ぎの検証案件の目処が立ったからか、雑談やLv上げに行く人が離脱していってるから、とりあえず情報収集と報告はここまでだな。
行動値もそれなりに回復してきたし、全快になったらLv上げの続きをやっていくぞー! 予定外のフィールドボスの出現のおかげで経験値が思った以上に稼げてるし、この感じなら夕方までにLv26も達成出来そうだ!