表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第25章 ひたすらレベル上げ
836/1633

第836話 情報共有板へ


 今回は飛び出てきた虫を轢かないように、周囲に注意をしながらミズキの森林にある湖へと辿り着いた。そして辿り着くと同時にハーレさんが俺の飛行鎧から飛び降りていく。

 ふー、何も飛び出てくる事もなく、無事に到着したね。てか、今日が飛び出てき過ぎただけで、普段はこんなもんだよな。


<群集クエスト《各地の記録と調査・灰の群集》の『???』が発見されました> 26/30


 おっと、群集クエストが進んだっぽい。残りは後4つだけど、この残り4つが中々苦戦しそうな気がするね……。


「もう今の群集クエストもかなり終盤なのさー!」

「だなー。だけど、ここから先が厳しそうだぞ」

「確かにそうなのさー! タッグ戦の打ち合わせの時に弥生さん達やジェイさん達に話してみる?」

「それも本格的に考えた方が良さそうだな」


 折角今日の夜に3つの群集が集まって話をする機会があるんだし、その機会を活用しないのは勿体ない。

 流石に俺らの独断で決めるのは……俺らの所属の灰の群集に限っては別にダメとは言われない気もするけど、一応は聞いておこう。無理強いは無しになってるから、明確に群集への損を与えるような行動でなければ大丈夫だとは思うけど、この辺はそれぞれの心構えの問題だね。


「ケイさん、ハーレさん、戻ってきたんだな。もう連戦はいいのか?」

「おっす、カインさん。サヤとヨッシさんは晩飯でログアウトになったしな」

「そして私達はこれから情報収集なのです!」

「お、そうなのか。俺はもうちょいこの辺でいるから、何か用事でもあれば声をかけてくれよな」

「おうよ!」

「了解なのさー!」


 湖の畔に辿り着いて地面に降りた俺達を見て、そんな風にカインさんが声をかけてきてくれた。まぁ本当にただ声をかけてきただけで、忙しそうに竈の方に戻っていったけど。

 ふむ、ここから出発した時よりも人自体は増えているね。モンスターズ・サバイバルの他のメンバー以外にも……というより、モンスターズ・サバイバルの人達へ話しかけてる人が多いっぽい?


「えっと、成長体を連れてきたらいい場所ってここですか?」

「おう、そうだぞ。持ち込みか?」

「はい、これをお願いします」

「ほいよっと。一応確認はさせてもらうぜ。『識別』! おし、ちゃんとLv20のネズミだな。トレードは何が希望だ?」

「魔力値の回復アイテムを、出来れば干し肉で貰えませんか?」

「干し肉だったら、あっちのスイカの奴に言ってくれ。成長体の交換ですって言えば伝わる」

「あ、はい。分かりました」


 ふむふむ、順調に成長体の持ち込みをしている人もいるようだね。途中からは連戦していた俺らに成長体の提供は増えてきてたけど、こういう募集のおかげだったんだろうな。


「さて、そんじゃ情報共有板を見に行きますか」

「おー!」


 適当に湖の畔で他の人の邪魔にならない位置に移動して、情報共有板を開いていこう。さて、連戦中に見るのは流石に自重したから、色々と気になる事のチェックをしようじゃないか。


 タケノコ  : 皮肉なもんだな。オオカミでいくら探しても見つからなかったのに、こっちでやっていたら見つけるとは……。


 木     : お、って事はさっきのはリーダーが見つけたのか?

 ネズミ   : おぉ! 終盤にきて遂にリーダーが見つけたんだ!

 カンガルー : 本当に今回の捜索イベントは運ですね。ところで見つけたのはどっちで、どこにありましたか?


 タケノコ  : 光る方の進化記憶の結晶で、場所は『泥濘みの地』のエリアの南西の端だな。森林深部への切り替えか、ハイルング高原への切り替えになるかの境目の位置だ。


 ウサギ   : え、そんな近くにあったの!?

 トカゲ   : てか、位置が意地悪いな、それ……。

 ヘビ    : 近くは通るけど、どっちにエリア変更になるか微妙だからって一番避ける位置じゃん!


 木     : あー、これは見つからない訳だ。

 タケノコ  : 俺も流石にこんな近くにあるとは思っていなかった。……灯台下暗しか。


 イノシシ  : こりゃ、意外と残ってるのは近くにあるかもしれないぞ?

 サメ    : 確か今って、黒い方の発見の方が多かったよな。

 トカゲ   : 近場であったのは、今まで黒いのばっかだったはず。

 クラゲ   : よし、初期エリアに隣接してるエリアを探してみるか!

 ウサギ   : そだね。もしかしたら、残り4つ、全部同じような隠し方をしてるのかも。


 あー、どうもさっき発見になった進化記憶の結晶についての話みたいだね。想定外に近くにあって、なおかつ見つけたのはベスタのようである。てか、タケノコでリーダーって呼ばれてるからベスタって丸わかりだね。

 てか地味に行く機会を逃したまま、まだ1度も行っていない『泥濘みの地』にあったとは……。しかも絶妙に通るのが面倒な位置に置かれてたのかー!


 リス    : もしかして、他の群集と情報交換をせずに済みそうな感じですか!?


 タケノコ  : これからの確認次第だが……まぁ場合によってはそうなるかもしれないな。

 コケ    : 各初期エリアの隣接エリアに1個ずつあると仮定した場合はそうなるんだな。夜からのタッグ戦の打ち合わせの時に赤の群集と青の群集と交渉しようかと考えてたから、その事を伝えようと思ってたけど不要っぽい?


 ヘビ    : お、タッグ戦の打ち合わせって事はいつものコケの人だな。

 ウサギ   : みたいだねー。2ndでコケを作ってる人が地味に増えてきたから、最近判別が難しいんだよね。


 ん? 最近、2ndでコケを作ってる人が増えてるの? あー、まぁサポート役で2ndの種族を作るには向いてる感じだし、そういう事もあるか。


 タケノコ  : とりあえず赤の群集と青の群集との交渉については少し待ってくれ。夜の8時半からなら、今すぐ決める必要もないだろう。


 コケ    : だなー。それじゃそっちの案件は少し様子を見て、打ち合わせに行く前に最終的な確認をしにくるよ。あ、一応希望の時間帯があれば聞いとくぞー!


 タケノコ  : あぁ、それなら一応俺の方で希望は募っておいたぞ。後で連絡するつもりだったが、ちょうど良い。

 リス    : おー! そうなんだー!?

 コケ    : ちなみにそれっていつ頃? 一応土日の夜にしたいみたいなのは聞いた気はするけど。


 タケノコ  : 多い順に言っていくぞ。一番多いのは日曜の夜9時以降で、二番目が土曜の9時以降、三番目は日曜の昼間で、それ以降はバラバラだ。


 木     : あくまで希望ってだけだから、出場者と開催者のコケの人達の都合を最優先で良いからなー!

 ウサギ   : 私達は全面的に楽しませてもらうだけだからねー。都合が合わないという個人的な勝手な意見は無視していいよー!

 ヘビ    : そういうこったな! 俺はどの時間帯でも問題はないから、どこでもいいぜ!


 ふむふむ、他にも同様の意見の人が多数のようだね。でもまぁ、基本的には明日の土曜か明後日の日曜日の夜が無難そうだ。

 どっちにしても月曜からはテスト期間で勉強の為にログインは控えるつもりだから、土日のどこかで設定するしかない。……細かい時間の設定については俺らだけでは決められないから、ここは今日の打ち合わせで決めていこう。


 コケ    : とりあえず希望の時間帯は了解。その辺も考慮しつつ、打ち合わせをしてくるわ。

 リス    : 打ち合わせが終わったらここに報告でいいー!?

 タケノコ  : あぁ、それで問題ない。……それはそうと、用件はそれだけか?


 おっと、ベスタは鋭いね。文字の表示だけのチャット形式である情報共有板では俺の声や仕草に出る癖は分からないはずだけど、俺がここに顔を出した時点で何かあると考えてたりするのかも。

 まぁ実際に聞きたい事や伝えておく内容もあるから、決してその判断は間違ってないけどね。


 コケ    : いくつかあるんだけど、まとめの情報にあるかどうかの確認は出来てないんだけど、その辺は問題ない?


 ウサギ   : コケの人達は、まとめに頼りきってないのは分かってるからそこは問題ないよー!


 イノシシ  : 確かにそうだな。

 ヘビ    : そうだぜ! 重複する情報があっても、微妙な解釈違いもあったりするから無駄じゃないしな!


 タケノコ  : そういう事だ。とりあえず質問でも報告でも、気になる点は言ってくれ。

 コケ    : ほいよっと。


 なんというかこの辺はこれまで色々やってきた事の積み重ねによる信頼っていうのもありそうだよね。

 さて、質問でも報告でも良いと言われたけど、まずは報告からいくか。


 コケ    : そういう事なら質問もあるんだけど、まずは報告からいくぞ。

 リス    : 黒の暴走種をフィールドボスに進化した際についての情報なのです!

 コケ    : おーい、先にリスの人が説明するんかい!

 リス    : だって、言っとかないと出番がないのです!

 コケ    : ……まぁ、それでも良いか。


 確かに俺のみで説明するとハーレさんはただ眺めてるだけになるもんな。別に邪魔をしようとしてる訳じゃないだろうし、これくらいは良いか。


 タケノコ  : ……黒の暴走種のフィールドボスへの進化で、何か気になる点があるのか? 最近、瘴気石の強化が進んで実行する事が増えてきているようだが……。


 クジラ   : あ、興味深い会話をしてる! それ、俺らもやったもんね!

 カツオ   : お陰で色んなエリアの人達の手を借りる事になったけどな!

 タチウオ  : でも、あれはあれで面白かったのであるよ。

 クジラ   : だよね、タチウオの人!


 おっと、多分だけどシアンさんとケンローさんと刹那さんがやってきたみたいだね。ふむ、シアンさん達にも関わる可能性のある話だから丁度いいか。


 コケ    : 多分だけど、例の逃亡しまくったイカにも関係してくる話だぞ。

 クジラ   : え、本当!?

 タケノコ  : よし、詳しい話を聞こう。

 ネズミ   : そういやモンスターズ・サバイバルがフィールドボスの連戦をしてるんだっけ。確か、その時に黒の暴走種の成長体を持っていってたとか。


 コケ    : あー、まさしくそれの時に関わる話。その黒の暴走種はツバメだったんだけど、Lv 21のフィールドボスに進化させたらかなり特殊な攻撃パターンと見た事がない特性があった。


 タケノコ  : ……ほう?

 ヘビ    : それってどんな特性だ?

 リス    : 『一撃離脱』って特性があったのさー! 『砲撃』の特性も持っていて、嘴から魔法砲撃にしたウィンドボールの4連射をしてきた後に、置き土産みたいにウィンドボムを投下して逃げに入るのです!


 コケ    : 『回避』の特性も持ってて、魔法砲撃で攻撃してくる時以外は異常に回避性能が高かった。ついでに、ツバメは風属性だったんだけど、執拗に土属性持ちを狙って、氷属性は避けていたぞ。


 タケノコ  : ……随分と行動パターンが特徴的だな。『一撃離脱』という特性は初耳だし、聞いている限りでは弱点属性狙いのヒットアンドアウェイか。


 クジラ   : なんか、妙に特定の行動パターンに偏ってる?

 カツオ   : 確かに、聞いてる限りではそういう風に思える……って、あのイカにも関わるってそういうことか!


 タチウオ  : あのイカも異常に逃げる事に偏っていたのであるな!


 カンガルー : なるほど、黒の暴走種をフィールドボスに進化させると特定の行動パターンに偏る傾向があるという可能性ですね。コケの人の意見はそういう事でよろしいですか?


 コケ    : おう、それで問題はないぞ。で、その辺の傾向に関する情報が他にないかを知りたい。ただの偶然で変わった個体が誕生したのか、それとも法則性があるのか、そこを確認したいんだよ。


 タケノコ  : ……Lv20の成長体の黒の暴走種自体が少ないし、そういった事例の報告は他には上がってきていない……いや、これは他に条件があるのか? クジラの人、イカの進化時のLvは確かLv20だったな!?


 クジラ   : あ、うん。それは間違いないよ。

 ヘビ    : あ、そういう事か! コケの人、そのツバメの進化Lvは!?

 コケ    : ツバメは+20の瘴気石を使って、Lv 21のフィールドボスに進化させた。俺としても、偏った特徴が出るのはLvが条件だと考えてる。


 あくまで現段階では推測に過ぎないけど、可能性としては低くはないはず。それにこのゲームは法則性を完全に無視するような事はないはずだ。何らかの傾向はあると考えた方がいい。


 カンガルー : ……まだサンプル数が少な過ぎて推測の域は出ませんが、可能性としては否定出来ないですね。


 タケノコ  : あぁ、これは検証をしていく必要があるな。……そういや、+20の瘴気石は瘴気の紋様入りのを使ったのか? まだ不動種での強化では正常なのは+19までしか作れていなかったはずだが……。


 あ、まだ地味に瘴気汚染のない+20の瘴気石の強化は不可能なのか。って、カインさんは本当に貴重なアイテムをくれたんだな!

 でも、瘴気汚染の状態で進化させるのもありかもね。そうすれば纏瘴や纏浄の活躍の場が増えそうだしさ。


 リス    : それは譲ってもらったのさー!

 ネズミ   : あ、それ見たぞ! 昨日のトーナメント戦の報酬で得たのを、太っ腹に提供してた!


 リス    : そうなのです!

 タケノコ  : ……なるほど、昨日のトーナメント戦で思い当たる節はあいつだな。まぁあいつらならそういう事もあるか。


 ふむふむ、具体的に名前は出してはいないけど、ベスタは大体の事情を察したらしい。そうやってすぐに連想出来るくらいにカインさんと肉食獣さんに付き合いがある事を把握してるんだな。


 タケノコ  : とりあえずその件については了解した。まだ条件を整えやすい段階ではないが、可能な限り検証していこう。

 ネズミ   : そうなると成長体の黒の暴走種が貴重になってくるな。

 カンガルー : 確かにそうですが、それだけの価値はありそうな内容です。

 ヘビ    : おっしゃ、その方向性でやってみようぜ。

 タチウオ  : 拙者も少し探してみるのである!


 よし、とりあえずこれで黒の暴走種をフィールドボスに進化させた場合の検証が行われそうだね。

 さて、それじゃ次の案件をいってみよう! タケノコや草属性と樹属性の同時持ちについてか、ミズキの森林にある湖で見かけた謎の影についてか、どっちにしようかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自力での電子書籍版もありますので、よろしければこちらもどうぞ。
大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
ケイ以外の視点での外伝も収録!

最新巻はこちら!
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』第20巻

これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』シリーズ
― 新着の感想 ―
[一言] (゜ー゜)(。_。)ウンウン 話し方に特徴があると誰だか分かりやすくていいね~タチウオの人(//▽//)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ