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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第25章 ひたすらレベル上げ

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第828話 ツバメへの反撃

 さて、サヤ達がツバメを相手に時間を稼いでくれている。今のうちに確認すべき事を確認して、それがもし俺が考えている通りであれば討伐作戦に移っていこう。あ、その前にこれは言っとかないとマズいな。


「ヨッシさんと翡翠さんに言い忘れ! 2人は出来るだけ魔力値は温存しといてくれ。後で使う可能性が高いから!」

「魔力値は温存気味でいれば良いんだね? あ、行動値は使っても大丈夫?」

「そっちは問題ないぞ。俺の予想通りなら、使ってもらうのは昇華魔法だからな」

「了解! それじゃこれならいけるよね。『並列制御』『アイスクリエイト』『アイスクリエイト』『並列制御』『氷の操作』『氷の操作』!」

「……ヨッシほどは扱えないけど、私もやる。『アイスクリエイト』『氷の操作』!」


 お、ヨッシさんは6本の氷のナイフを作り、翡翠さんは3本の氷のナイフを作り出して……あ、目に見えてツバメが距離を取って避けるようになったな。


「へぇ、サヤさんとハーレさんの見立ては正解か! だったら、その回避行動に合わせて攻撃を当てる! 『並列制御』『ファイアボム』『火の操作』! ソラ!」

「そう、みたいだね! 『双翼斬舞』!」


 おぉ、紅焔さんが指向性を操作して爆発させたファイアボムをツバメが避けようとしたところを、ソラさんが待ち構えて切り刻んでいった! 紅焔さん、ソラさん、ナイス連携!

 ふっふっふ、直撃こそ中々決まらないけど、ツバメはみんなの攻撃を完全に回避するのが厳しくなってきたみたいだね。さぁ、ここから討伐に向けて作戦を立てていくぞ!


「他の人達に確認! この中で土属性を持ってる人、申告を頼む!」

「あ、私は持ってますよ」

「まずはエレインさんだな。他にはいないか?」


 その問いかけに答える人は誰もいなかった。よし、エレインさんについては予想してた内容だし、推測の確度が増した。そういや確か、カリンさんも岩の操作は使ってたよな。


「カリンさんは、属性は持ってないけど土の昇華を持ってる感じか?」

「うん、そうなるね」

「なるほどね」


 ふむふむ、ここもやっぱりか。ツバメの優先攻撃の条件は土の昇華を持っている事ではなく、属性として土属性を持っている事。後はそれが偶然でない事を確定させる必要があるけど……まぁそこは俺がやるか。


「あぁ、なるほど、そういう事か。ケイさんの読みとしては、土属性持ちをターゲットにしてるってとこか?」

「肉食獣さん、正解! 俺もコケが土属性持ちだから、俺とエレインさんが優先的に狙われてたって推測だ」

「……なるほど、それはあり得そうな話ですね。そうなると、ヨッシさんと翡翠さんが避けられていたのは、風属性のツバメにとって氷属性が苦手属性になるからですか」

「エレインさん、そういう事だ! 可能なら纏土で狙われるようになるか、纏氷で避けられるようになるかも試したいけどね」

「……纏属進化か。確かにそれなら行動パターンの変化が確認出来るが……おい、誰か土の進化の――」

「あ!? 抜かれたかな!」

「悪い! エレインさん、そっち行ったぞ!」

「またですか!? これ、私とケイさんが交互に狙われてません!? 『アースウォール』!」

「みてぇだな! 悪いが光源用の火はここで使うぜ!」


 再びサヤ達から逃げ切ったツバメが急降下してエレインさんに魔法砲撃にしたウィンドボールの4連射で襲いかかってくる。

 とりあえずエレインさんが防壁魔法でそれを防ぎ、また脚から放り投げていったウィンドボムは肉食獣さんが迎撃した。……これでまた光源が無くなったか。


「ハーレ、いくかな!」

「いっくよー! 『狙撃』!」

「……氷柱も避ける?」

「とりあえず上空に戻すよ! 『ウィンドインパクト』!」

「ソラ、ナイスだ!」


 よし、再び上空へと戻ろうとしていたツバメに対して氷柱を投げたハーレさんと、それを大きく避けたツバメにソラさんのウィンドインパクトが直撃した。なんだかんだでHPも8割くらいまでは削れてるね。


 さて、少しの時間の猶予は出来たはずだし、ツバメが狙ってくる順番も分かってきた。次に攻撃を仕掛けて来る時に狙われるのは、ほぼ確実に俺と考えていいはずだ。


 作戦の手順はどうする……? 纏属進化で狙いを分散させてとかも考えてたけど、今の状況になったなら標的を分散させたくはない。次に狙われるのが俺だと分かっているのなら、それを有効活用するまでだ。

 完全にここまでのツバメの行動パターンの推測が外れていて別の法則で動いていると成立はしないけど、そうでなければ有効な手段はあるはず。……よし、この手段でいくか。


「土属性を順番に狙っていくみたいだし、さっきの纏属進化については無しで! 俺が囮で動く!」

「……よし、そこはケイさんに任せる。地上にいる俺らはどうすればいい?」

「肉食獣さん達は温存しといてくれ。ここから一気にツバメのHPを削るけど、俺らで倒し切れなかった場合に対処してほしい。HPが減って行動パターンが変わる可能性があるから、そこも要注意で!」

「……なるほど、確かにそれも重要だな。それで良いな、お前ら?」

「えぇ、構いません」


 肉食獣さんのPTの人達はそれで頷いているし、ザックさんも今日は無理に特攻していくつもりはないようだ。……まぁ今はその無茶をするような状況でもないもんな。


「それじゃ、討伐の作戦を話していくぞ!」

「……もう考えてんのか。てか、今回は俺らモンスターズ・サバイバルが待機なら、メインはカリンさん達の方だな?」

「おう、そのつもりだ。これから作戦を説明するけど、カリンさん達はそれで良いか?」

「ここからが出番って訳だね。もちろんやらせてもらうよ」


 そのカリンさんの言葉に他の3人のメンバーも頷いていく。よし、それじゃ作戦を伝えていきますか。


「俺が囮になってツバメを引きつけるから、そこにヨッシさんと翡翠さんで昇華魔法のダイヤモンドダストを使う。ヨッシさん、翡翠さん、いけるよな?」

「確実に当てられるようにしてくれれば問題ないよ」

「……私もそれなら大丈夫」

「よし、それじゃその方向で! 紅焔さん、ソラさん、サヤ、ハーレさんは今の状況を続けといてくれ!」

「了解だね!」

「分かったかな!」

「出し惜しみは無しなのさー! 紅焔さん、ファイアインパクトをくださいな! 『魔法弾』!」

「おっ、ハーレさんはそれを持ってんのか! なら任せるぜ! 『ファイアインパクト』!」

「ありがとなのさー! 『連投擲』!」

「こっちには行かせないよ。『ウィンドウォール』!」


 空中では紅焔さん、ソラさん、サヤ、ハーレさんがツバメに攻撃を躱されながらも、進路を妨害したりして着実に少しずつでもダメージを与えている。

 ヨッシさんと翡翠さんについては俺の指示でいつでも動けるように待機中か。みんな善戦はしてるけど、突破される時は突破されてるから囮の準備を急がないと……。


「カリンさんのPTはチャージ持ちは何人いる?」

「それなら全員だね。連携して連続で当てられるよ?」

「お、そりゃ丁度良い! それじゃその準備をやっててくれ!」

「分かった。それじゃみんなやるよ。『魔力集中』『瞬突角撃』!」

「『魔力集中』『重硬砕牙』!」

「『魔力集中』『重脚撃』!」

「『魔力集中』『砲弾重突撃』!」


 おおう、4人同時にチャージを開始すると流石に壮観だな。えっと、角から銀光を放っているのがシカのカリンさん、牙から銀光を放っているのがサメの人、脚から銀光を放っているのがダチョウの人、全身から銀光を放っているのがトリケラトプスの人か。

 てか、4人全員が銀光の強弱が発生してるしLv2以上なんだね。ふむ、どうも物理に偏ってるPTな気がするけど、まぁ2ndも含めたら別なのかもしれないし今はそれを考えてる場合じゃないな。


 さて、それじゃ一気にここからの一連の攻撃で倒し切るつもりでやっていきますか! 


<行動値上限を15使用して『遠隔同調Lv1』を発動します>  行動値 36/78 → 36/63(上限値使用:17):効果時間 5分


 遠隔同調の発動は完了! 次は囮にするコケの準備だな。俺が囮をするとはいっても飛行鎧で飛びながらだとみんなで狙っていくのが難しくなるから、どれだけダメージを受けても問題のないコケの囮を作りだす。

 ロブスター自体には土属性はないから、遠隔同調で分離してしまえばツバメが狙ってくるのはコケ側になる筈だ。……この読みが外れたら痛いどころじゃないけどな! えーと、とりあえず一般生物のコケは……よし、少し離れたとこにある岩の表面に少しコケが見えるからあれにしよう。


<行動値を4消費して『群体化Lv4』を発動します>  行動値 32/63(上限値使用:17)

<行動値を4消費して『群体内移動Lv4』を発動します>  行動値 28/63(上限値使用:17)

<『遠隔同調』の効果により、視界を分割表示します>


 よし、コケの核を岩の方に移動が出来た! カリンさん達のチャージかなり進んできているし――


「ケイ! ツバメがそっちに行ったかな!」

「ちっ、もう少し待てって!?」


 って、既に襲いかかって来ているんだからそんなに悠長な事は言ってられない。……風魔法がコケにどれだけダメージがあるかはちょっと試した事が無いから未知数ではあるんだけど、魔法砲撃で強化されている上に弱点属性だから油断は出来ないところだ。


<行動値を4消費して『増殖Lv4』を発動します>  行動値 24/63(上限値使用:17)

<行動値を4消費して『増殖Lv4』を発動します>  行動値 20/63(上限値使用:17)

<行動値を4消費して『増殖Lv4』を発動します>  行動値 16/63(上限値使用:17)


 ちょっと実験も兼ねて防御せずに増殖をしてみたけど……って、1発目のウィンドボールが当たった部分のコケが散り散りになって駄目になった!? こういう手段でもコケの群体数は減らせるのかよ!

 いや、今のはそれを確認する為だったし、増殖したコケの全てを一気に殲滅するには今のでは足りていない。これなら大丈夫だ。


「ヨッシさん、翡翠さん、今だ! ウィンドボムを使う前に、ダイヤモンドダスト!」

「了解! 『アイスクリエイト』!」

「……うん! 『アイスクリエイト』!」


 そうしてダイヤモンドダストが発動し、広範囲に渡ってキラキラとした氷の粒が広がっていく。おっと、ツバメがそれに反応して効果範囲に入る前に脱出しようとし始めたか。

 でもその状況でもウィンドボムは投下していくんだな!? くっそ、増殖したコケの半分くらいは駄目になったぞ……。


「ここまで来といて、逃がすかよ!」


<行動値3と魔力値9消費して『水魔法Lv3:アクアプリズン』を発動します> 行動値 13/63(上限値使用:17): 魔力値 169/220


 よし、ぎりぎりだけどダイヤモンドダストの効果範囲から抜ける前にツバメの拘束に成功! 水球に閉じ込められたツバメが暴れてウィンドボムを放って俺の水の拘束はすぐに破壊されたけど、そこから脱出しても既にダイヤモンドダストの効果範囲内である。

 ふっふっふ、氷属性が弱点という事と、ヨッシさんの強烈な状態異常によって凍結の状態異常になってツバメは地面へと落下していく。


「カリンさん達、頼む!」

「みんな、タイミングを合わせていくよ!」


 そこから落下してくるツバメの上まで飛び上がったダチョウの人が踵落としの要領で地面に向けて蹴り落とし、その落下位置に走って移動していたトリケラトプスの人が全身を使って突撃して吹き飛ばしていく。

 更にその先に待ち構えいたカリンさんが角で上部へ叩き上げるようにして、空中を泳いでいたサメの人がツバメを噛み砕いていく。ははっ、今のはお互いの位置関係とその方向にちゃんと吹っ飛ばせる連携が凄かったね。


 そのカリンさん達の見事な連携攻撃でツバメのHPは全て無くなり、ポリゴンとなって砕け散っていった。紅焔さん達が8割くらいまでは削ってたし、昇華魔法とLv2のチャージの応用スキルの4連撃が見事に決まれば一気に削り切れたか。


<ケイが未成体・暴走種を討伐しました>

<未成体・暴走種の初回撃破報酬として、増強進化ポイント6、融合進化ポイント6、生存進化ポイント6獲得しました>

<ケイ2ndが未成体・暴走種を討伐しました>

<未成体・暴走種の初回撃破報酬として、増強進化ポイント6、融合進化ポイント6、生存進化ポイント6獲得しました>

<『瘴気石』を1個獲得しました>


 よし、とりあえずこれでフィールドボスの連戦の1戦目は終わり! このツバメはLv21で俺らよりLvは低かったけど、黒の暴走種だったから敵としては一番強い事と、持ってた特性が厄介だったね。

 でもその分だけ、参戦人数の割には経験値は多めに入った! この感じならフィールドボス戦を後5戦くらいすればLvは上がりそうだな。


「みんな、お疲れ様! カリンさん達もナイス連携だったぞ!」

「物理攻撃の連携にちょっと拘って特訓してたからね。こういう一気に攻める時には役立つだろう?」

「だなー! あ、ちなみに聞いておきたいんだけど、他にも連携パターンってあったりする?」

「それはもちろんだよ。連撃だけでの連携も、連撃とチャージを組み合わせた連携もあるからね」

「ほほう、やっぱりあったかー!」


 さっきのカリンさん達の動きを見る限り、お互いの位置関係や使うスキルでどの程度吹き飛ぶかも把握している感じだったしね。そこまで出来るPTの連携パターンが1種類な訳がないもんな。


「あー、地味に面倒だったぜ、このツバメ。俺らの方がLvは上なのに、攻撃を避け過ぎだっての……」

「まぁ紅焔の気持ちは分かるけど、これはこれで良い経験になったんじゃないかい?」

「まぁなー。とりあえず『一撃離脱』って特性が面倒なのは分かったぜ……」

「そういえばそれって具体的にはどういう特性になるのかな?」

「はい! 弱点を執拗に狙うヒットアンドアウェイの特性だと思います!」

「確かにハーレの言うような感じではあったよね」

「だなー。まぁ新情報っぽいし、後で情報を上げとくか」


 そんな風に話しながら、空中にいたみんなも降りてきた。うん、紅焔さん達が一番動き回ってたような気もするけど、そのお陰で作戦会議の時間も取れたからね。


「とりあえず、1戦目は終了! 少し休憩したら2戦目もやってくぞ!」

「「「おー!」」」

「さて、次は俺らの番だな。なぁ、お前ら!」

「えぇ、そうですね、肉食獣」

「おっしゃ、俺も今度は戦うぜ!」

「あー、俺はちょっと休憩だ……」

「……僕もそうさせてもらうよ」


 その俺の掛け声に、それぞれの反応を示していく。まぁ肉食獣さんとザックさんは普通に元気だけど、紅焔さんとソラさんは2戦目は待機かな?

 俺らのPTはそうでもないけど、まぁ行動値も魔力値も消耗はしてるからね。基本的には肉食獣さん達とカリンさん達を主体にして、俺らは補佐をしていく感じになりそうだ。

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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