第759話 ナギの海原へ
<『カイヨウ渓谷』から『始まりの海原・灰の群集エリア5』に移動しました>
さて、海エリアへの帰還の実を使ってリスポーン完了! ……よし、潰されていた右側のハサミも元に……ってその後に全身ぶっ潰れて消滅してたからそれは関係ないか。とりあえず通常通りには戻っているから問題なしっと。
1回目の死亡なら行動値の回復は遅くはなるけど、経験値の減少はないからね。……死んでも行動値が回復してくれる訳じゃないから戦闘中なら多少の支障はあるけど、今はもう戦闘は終わってるから問題なし。
あ、そういや復活に帰還の実を消費したから新しいのを貰っとこ。……よし、新しい海エリアへの帰還の実をゲット。って、あれ? なんで2個? あ、そういや今日既に使ってたっけ! これ、ロブスター側で持ってたもう1個の分か! ……うん、普通に存在を忘れてた。
まぁそれは良いとして、とりあえず刹那さんが俺と同じくここで復活しているはずだから、見つけて合流しようっと。えーと、周囲を見回して……作戦が終わったからか、人が多いな。これは見つけるのが大変……でもないか。
刹那さんはPTメンバーなんだからマップを見たら位置は表示される……って、あー!? 全滅したからか連結PTが解除になってる!? あ、でも普通のPTは全滅しても大丈夫だな。……へぇ、連結PTは全滅で解除になるとは知らなかった。
まぁそれは今は問題ない。紅焔さん達と風雷コンビとPT会話は出来なくなったけど、そこはフレンドコールでどうとでもなるしね。とりあえず今は刹那さんの位置を――
「ケイ殿、見つけたである!」
「あ、先に声をかけられたか。とりあえずお疲れ、刹那さん」
「ケイ殿もお疲れなのである! ……ん? レナ殿からフレンドコールであるな。暫し失礼を!」
「ほいよっと」
このタイミングで刹那さんにレナさんから連絡が来るって事は、頼んでおいた海鮮バーベキューの件だろう。そういや刹那さんがいつの間にか事前に話を進めていた様子ではあったけど、一体いつの間にやったんだろうね? ちょっと聞いて――
「復活なのさー!」
「お、ハーレさん、おかえり」
「ただいまー! あれ、みんなはー!?」
「刹那さんはレナさんと話をしてるとこ。アルとサヤとヨッシさんはまだだな」
「おー! レナさんからの連絡なら海鮮バーベキューだよねー!?」
「多分なー」
「やるとしたらあそこかなー!? ちょっと前に作りかけって聞いてたけど、どうなんだろー!?」
「ん? ハーレさん、どこでやるのか心当たりあんの?」
「まだ完成してるかは知らないけど、心当たり自体はあるのです!」
ふむふむ、とりあえずログイン状態になったハーレさんがPT会話で言うには海鮮バーベキューに適した場所があるっぽいね。この言い方からすると、海エリアのどこかに何かそれっぽいものを作っている感じ……? でも海エリアで海鮮バーベキューが出来そうな場所って何があるんだろ?
「おぉ!? 土台はまだ不完全ではあるが、何とか実用段階には漕ぎ着けたのであるな! では、ナギの海原へ行けば良いので……分かったのである! それでは後ほど!」
おっと、どうやら刹那さんはレナさんとの連絡は終わったみたいだね。なんか土台が不完全とか聞こえたけど、それがハーレさんの心当たりっぽい気がする。
お、アルとサヤとヨッシさんもPTメンバーの表示がログイン状態に戻ったから、共生進化のし直しは完了したみたいだね。
「おし、復活だ。お、サヤとヨッシさんもほぼ同時か」
「アルもちょうど復活したとこかな? ……とりあえず私はまずは適応をしないとね」
「サヤの竜は海だと大変だよね」
「……あはは、まぁ進化の結果で海への適応が無くなってるから仕方ないけどね。その代わりに竜は何も無くても飛べるかな」
「みんな、おかえりなのさー! でもみんな、位置がバラバラなのです!」
「まぁそこはランダムリスポーンだから仕方ないかな?」
「下手にここで合流するより、始まりの海原に帰還して合流する方が早いんじゃない?」
「それもそうだな。よし、それじゃその方向性でいくとして……ケイ、群集拠点種の混雑具合はどうだ?」
「あー、結構混んでるから、ちょっと位置をズラして集合したほうが良いかも……」
アルとサヤならすぐにでも見つけられるとは思うけど、ヨッシさんとハーレさんは見失いそうではあるんだよな。今も続々と転移してきている人がいるし、海エリアの人以外の陸エリアのプレイヤーの姿も結構見えてるんだよな。
「ケイがそう判断するならその方が良さそうだな。刹那さん、どこか集まりやすい場所はないか?」
「それならばヨシミの北側の辺りはどうであるか? 少し離れればそれほど混雑はしてないであるし、ちょっとした岩場の場所で海藻も少なめなのでお互いに見つけやすいのであるよ?」
「それじゃそこにするか。みんな、それでいいか?」
「問題なしなのさー!」
「了解!」
「分かったかな」
「おう、問題ないねぇぜ」
「拙者も異議なしなのである!」
「おし、それじゃそれで決定! とりあえず合流を最優先で!」
「「「「おー!」」」」
「了解なのである!」
さて、刹那さんが合流場所に良さそうな場所を教えてくれたので、まずはそこに向かって移動をしようじゃないか。おっと、その前に使っておくべきスキルを忘れてた。
<行動値上限を2使用して『夜目』を発動します> 行動値 15/79 → 15/77(上限値使用:2)
よし、これで視界は確保っと。ふー、群集拠点種の近くは夜の日でも支障がないくらいの明るさがあるから、死亡してからリスポーンした後だとつい発動を忘れてたよ。
「それじゃ行きますか、刹那さん」
「そうであるな! して、大した距離ではないのであるが、移動はそのままで行くのであるか?」
ふむ、確かに移動はどうしよう。飛行鎧と水のカーペットのどっちもアンモナイトとの戦闘中に強制解除になってるけど、再使用時間は……あ、水のカーペットはまだ無理だけど、飛行鎧の方は問題なさそうだ。
でも、ただ単純に混雑している場所を避ける為にちょっと外れた位置に移動するだけだしな。すぐにみんなとも合流するんだし、発動してもすぐに解除する事になるだけ……。
「よし、途中でアルを見つけた時点でアルに乗せてもらおう」
「おいこら!? 集合地点を決めた意味あんのか、それ!?」
「え、アルを見つけやすくする意味ならあるとは思うけど……っていうか、アルを発見」
「おぉ、確かにアルマース殿であるな!」
「……ツッコむだけ無意味かよ」
いやー、実際アルは目立つし、一目瞭然とはまさしくこの事だろうさ! という事で、海中ならロブスターの跳ねる移動もしやすいからそれでアルに近付いていこうっと。横にいた刹那さんも普通に泳いで近付いていってるしね。
「あ、ヨッシとアルさんを発見なのです!」
「え、ハーレ、どっちにいるの?」
「ヨッシ、捕獲なのさー!」
「わっ!? もう、背後から急には驚くじゃない」
「えへへー!」
「あ、ハーレ、見つけたかな!」
「おー、サヤも来たのです! サヤ、アルさんはあっちだよー!」
「うん、今見つけたかな」
「おし、アルはその場を動くなよー!」
「こうなったなら、アルマース殿の場所に集まるのが早いであるな!」
「本当に待ち合わせ場所を決めた意味がねぇな!? あー、とりあえず待ってるからさっさと集まってこい」
そんな風に少し呆れた様子のアルだけど、実際にみんながアルを見つけたならそこに行く方が早いもんな。それから俺と刹那さんはアルの所まで自力で泳いでいく。
途中でサヤ達を見つけたけど、そっちはサヤのクマが大型化した竜に跨った状態で竜が泳いで、サヤの竜の頭の上にハーレさんが座り、ハーレさんがヨッシさんを抱えるようにして移動をしていた。
「おし、到着っと」
「合流が出来たのさー!」
という事で、アンモナイト戦で全滅はしたけども無事に合流は完了だな。さて、次は海鮮バーベキューだな。今が10時くらいだから今日はそこまでやれば終わりだろうね。
「刹那さん、ちょっと気になってるんだけど、海鮮バーベキューってどこでやるんだ?」
「それは『ナギの海原』であるな!」
「あー、あそこでやるのか。……海の中でどうやって?」
「それは――」
「刹那さん、それはストップなのです!」
「……ハーレ殿?」
「ハーレさん、なんで止める?」
「ふっふっふ! それは予め言わずに、直接見た方が良いと思うのです!」
「それはそうかもしれないであるな!」
「あー、俺は一応どういうものかは知ってるんだが……?」
「それならアルさんも言わずにいるのです!」
「……まぁ実物はまだ見てないからそれでも良いか」
うーん、まぁ事前情報は無しで見に行くというのもありだとは思うけど、アルが既に知っているとはね。でも聞いてる感じではまだ完成している訳ではないっぽいんだよな。
「……サヤとヨッシさんは何か知ってたりする?」
「うーん、私は思い当たる内容はないかな? ヨッシはどう?」
「私も思い当たる事はないよ。でも珍しいね、ハーレが私達にそういう事を教えてこないのって」
「ラックからまだ未完成だって聞いてたから、まだ言ってなかったのです! 完成したのを聞いてからみんなと見に行こうって提案するつもりだったのさー! もう使える状態だとは思っていなかったのです!」
「あー、なるほどね」
別に教えないという意図があった訳じゃなくて、未完成の状態で言っても早いだけだから敢えて言ってなかっただけなのか。……っていうか、ラックさんの名前が出てきたのなら灰のサファリ同盟が間違いなく関与しているね。
「サヤ、ヨッシさん、ここは敢えて聞かずに実物を見に行くってので良いか?」
「どんなものか気にはなるけど、それで良いかな」
「まぁこれからそうかからずに見れるんだし、私も問題はないよ」
「って事だな。刹那さん、ハーレさん、案内を頼むわ」
「私はナギの海原でやってるって事しか知らないから、正確な位置は知らないのです!」
「そこは知らないんかい!」
いや、思いっきりその辺も知ってるのかと思ったけど、肩透かし過ぎるわ! あー、でもハーレさん自身が単独で海エリアに行ってたりする訳じゃないんだから、その辺は詳しくなくても仕方ないのか。
「それについては拙者が知っているので問題ないのである! ところでナギの海原へは転移で向かいたいのであるが、妨害ボスは倒しているのであるか? 倒せていないのであれば、転移は出来ないのであるが……」
「あー、それなら大丈夫……じゃないな!? 俺が倒したの、ロブスター側だけじゃん!?」
「そういえばみんな2ndが幼生体の時で、私がリスで倒したのさー!?」
「……あ、確かにそうだったかな」
「これは討伐からしないと無理そうだね?」
「……ま、こればっかは仕方ねぇか」
「どうやら討伐が必須な様子であるな! では、サクッと仕留めに行くのである!」
「「「「「おー!」」」」」
2ndを育てる際にナギの海原への妨害ボスのクラゲは倒したけども、まさかこんな形でもう一度戦いに行く必要性があるとはね。まぁ仕様上、倒しておかないと転移が出来ないんだから仕方ないか。
とはいえ、今となっては成長体の雑魚ボスなのでそれほど手間はかからないだろう。倒すの自体は瞬殺だろうしね。
「んじゃ飛ばしていくぜ! 『海流の操作』『略:高速遊泳』!」
そしてみんながアルのクジラの背中の上に乗って、妨害ボスのクラゲの場所まで移動していく事になった。……それは良いんだけど、近付いていくにつれて周囲に人が増えてきているのは気のせい? 特に陸のプレイヤーの姿が多いような……。
「なんだか人が多いかな?」
「あっ、多くて当たり前じゃん。ここに集まってるの、俺らと同じで倒してない人達だ……」
「……しまったな、よく考えたら当たり前の話じゃねぇか」
「……拙者も失念していたのである」
今回のイカの討伐作戦には陸エリアのプレイヤーも多く参加していたし、この先のナギの海原は祝勝会の会場という事になるもんな。人が多く集まってくるのも当然だし、妨害ボスをまだ倒していない人が多いのも当然の成り行きである。……これ、海の新緑とかの別ルートから行った方が良かったんじゃ?
「はーい、順番に並んでねー! 連結PTなら早く済むから、出来れば連結PTでお願いー!」
あ、少し先の方に見えてる順番を整理しているクジラはセリアさんみたいだね。こうやって順番待ちが発生する場合は誰かが整理をしてくれるとスムーズに進むんだ……って、あれ? もう1人近くにいる整理をしている人にも見覚えがあるぞ。
「お、次のPT……って、刹那とケイさん達じゃねぇか」
「ジンベエ殿、また順番整理であるか?」
「まぁそういう事になるな。で、ケイさん達がここに来てるって事は、ここのボスも倒せてないんだな」
「あー、厳密には戦った事はあるんだけどな……?」
「……なるほど、2ndでは倒してるけど1stでは倒してなかったってパターンか」
「そうなります……」
「ま、ありがちな話だから問題はねぇよ。それで連結PTの方が早いんだが、どうする?」
早めに済ませてしまいたいのであれば連結PTにしてさっさと終わらせてしまうのが良いよね。みんなを見てみても頷いているので反対意見はなさそうだ。
「それじゃ連結PTで頼む」
「おうよ! おーい、前のPTの人達、連結PTにしてくれー!」
「おう、了解だ! って、ケイさん達か」
「あ、ツキノワさんのPTか!」
「あー! アリスさんだー!」
「わっ! ハーレさん!?」
そこにいたのは森林エリアの検証勢のクマのツキノワさん、同じくクマの黒曜さん、リスのアリスさん、ヒツジのモコモコさん、トンボのシオカラさんであった。普段遭遇する事は全然ないし、ここで会うとは思ってなかったけど、そういう事もあるんだな。
「ははっ、こんなとこで会うとはな。『グリーズ・リベルテ』の健闘はしっかりと見させてもらったぜ」
「あー、ツキノワさん達は包囲網の方で参加してた感じ?」
「おう、そうなるな! おっと、話し込む前に先にこれをしとかねぇとな」
<ツキノワ様のPTと連結しました>
とりあえず順番待ちなんだし、連結PTにするのが最優先ではあるよね。あ、もう既にもう1PTも連結しているけど、こっちは全然知らない人達だな。えーと、最大の18人にはなってないけど、15人にはなってるからこれは別に構わないか。
さて、少し待ち時間もあるから雑談でもしつつ、まだ報告が出来ていない称号の情報や白光するスキルの新情報も上げていかないとね。




